カリフォルニアアシカ(英語表記)Zalophus californianus; California sea lion

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カリフォルニアアシカ」の意味・わかりやすい解説

カリフォルニアアシカ
Zalophus californianus; California sea lion

食肉目鰭脚亜目アシカ科アシカ属。クロアシカともいう。体長は雄約 2.4m,雌約 2mに達し,体重は雄約 390kg以上,雌約 110kgである。出生直後の幼獣は体長約 80cm,体重は 6~9kgである。体色は茶褐色で,雌の方がやや淡く黄褐色に近い。胸部から腹部にかけて体色が濃くなり,四肢は濃黒褐色である。体型は紡錘形。四肢は裸出し先端から基部にいたるまで毛は生えず,鰭(ひれ)状で前肢には退化した爪がみられる。吻は短く先端は丸みを帯び,耳介は比較的小さい。鼻口部は細長く,頭頂部の中央がややくぼむ。雄は性的成熟に達すると首にたてがみ状のやや長い毛が生え,前頭部にこぶ状の隆起ができる。門歯上顎 6本,下顎 4本,犬歯は上顎と下顎に 2本ずつ,頬歯は上顎と下顎に各 10本である。繁殖期は 5~7月で,繁殖期を過ぎると,ほとんどの雄と亜成獣および未成獣は,繁殖場から北方水域へ回遊する。一夫多妻で 1頭の雄に 15頭程度の雌で群れをつくる。活動的でイルカのようにジャンプしながら泳ぐこともある。スルメイカ類,タコ類および魚類を食べ,漁師や釣人獲物を横取りすることが多い。カリフォルニア湾を含み,メキシコ中部からブリティシュコロンビア州北部に分布し,沿岸部から大陸棚に出現する。飼育調教がよく行なわれている。亜種であるガラパゴスアシカ Z.c.wollebaekiガラパゴス諸島周辺に限定分布し,本種よりやや小さく,雄の体重は約 200kg,雌の体重は 50~100kgである。太平洋西部に分布していた亜種のニホンアシカ Z.c.japonicusは 1974年以降目撃されておらず,国際自然保護連合 IUCNレッドリスト(→レッドデータブック)では絶滅種に,環境省のレッドリストでは絶滅危惧種に指定されている。

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カリフォルニアアシカ

アシカ

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世界大百科事典(旧版)内のカリフォルニアアシカの言及

【アシカ(海驢∥葦鹿)】より

…食肉目鰭脚(ききやく)亜目アシカ科Otariidaeに属する哺乳類の総称。狭義のアシカはカリフォルニアアシカZalophus californianus californianus(イラスト)とニホンアシカZ.c.japonicusを総称して呼ぶ。このうちニホンアシカがすでに絶滅したため,単にカリフォルニアアシカをアシカと呼ぶことが多い。…

※「カリフォルニアアシカ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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