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ガイアナ Guyana

翻訳|Guyana

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ガイアナ
Guyana

正式名称 ガイアナ協同共和国 The Cooperative Republic of Guyana。
面積 21万4999km2
人口 74万7000(2014推計)。
首都 ジョージタウン

南アメリカ北部にある国。西はベネズエラ,南西と南はブラジル,東はスリナムと国境を接し,北は大西洋に面する。地体構造的には先カンブリア時代の岩石からなるギアナ楯状地に属し,地形は西部国境のパカライマ山脈および南部国境のアカライ山脈から海岸低地に向かってゆるやかに傾斜,これら山地に発するエセクイボ川デメララ川,バービス川,コランタイン川などが北流して大西洋に注ぐ。高温多雨の熱帯気候に属し,ジョージタウンで月平均気温 26~28℃,年降水量約 2200mm。国土の 70%以上が熱帯雨林に覆われ,年降水量約 1800mmに減少する南西部はサバナとなっている。住民の約 30%は植民地時代初期に奴隷として連れてこられたアフリカの黒人で,約 45%は 1838年の奴隷制廃止後に年季契約労働者として来住したインド人の子孫。ほかは混血,ラテンアメリカインディアン(インディオ),ヨーロッパ人など。公用語は英語であるが,クレオル語(フランス語の方言)も広く用いられ,ヒンディー語ウルドゥー語を話す住民もいる。人口の約 90%が狭い海岸低地に住み,農業もここに集中。ギアナ地方の植民活動は 17~18世紀におもにオランダ人により進められ,1732年にはバービス川河口にも植民地が建設された。1780~1815年にはヨーロッパ列強の抗争によりこの地方の領有がめまぐるしく変わったが,ナポレオン戦争後結ばれたパリ条約により,バービス,デメララ,エセクイボ 3植民地がイギリス領となり,1831年これらが統合されて単一の植民地イギリス領ギアナとなった。1953年新憲法が制定されたのち,人民進歩党 PPPと人民国家会議党 PNCの抗争のうちに独立の機運が高まり,1966年5月26日ガイアナの名のもとに独立,イギリス連邦の構成国となった。1970年共和制へ移行。ボーキサイトと砂糖の輸出が経済を支える。主産業は農業で,キャッサバ,トウモロコシ,野菜,柑橘類などのほか,換金作物としてサトウキビ,イネ,コーヒー,カカオの栽培が盛ん。鉱物資源に恵まれ,ボーキサイトのほか,マンガン,金,ダイヤモンドなどを産する。森林資源は豊富であるが,輸送,製材などの諸施設の不足から大部分未開発。漁業はあまり発展していないが,近年エビ漁が盛んとなり,おもに輸出に向けられている。工業は製糖,精米を中心とした食品工業のほか,マッチ,石鹸,衣料などの日用品が製造されるにとどまる。経済は独立後も外国資本の支配下にあったが,1970年代に入って国有化が進められ,砂糖,ボーキサイトの二大産業をはじめ,大部分の外国系企業が国有化されたが,1990年代から民営化に転じている。対外累積債務に悩み,1人あたりの国民総生産 GNPは南アメリカで最低水準。道路網は海岸低地では比較的よく発達しているが,内陸部では未発達。

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デジタル大辞泉の解説

ガイアナ(Guyana)

南アメリカ北東部の協同共和国。大西洋に面する。首都ジョージタウン。サトウキビ・米の栽培が盛んで、ボーキサイトのほか、金・ダイヤモンドなども産する。1831年英領ギアナとなり、1966年独立。人口75万(2010)。

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百科事典マイペディアの解説

ガイアナ

◎正式名称−ガイアナ共和国Republic of Guyana。◎面積−21万4999km2。◎人口−75万人(2012)。◎首都−ジョージタウンGeorgetown(12万人,2012)。
→関連項目ギアナ

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世界大百科事典 第2版の解説

ガイアナ【Guyana】

正式名称=ガイアナ協同共和国Co‐operative Republic of Guyana面積=21万5083km2人口(1996)=71万人首都=ジョージタウンGeorgetown(日本との時差=-12時間)主要言語=英語通貨=ガイアナ・ドルGuyana Dollar南アメリカ大陸の北東部に位置し,西をベネズエラ,南をブラジル,東をスリナムに接する新興独立国。イギリス連邦の一員。旧称は英領ギアナで,ガイアナはその英語読みによる。

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大辞林 第三版の解説

ガイアナ【Guyana】

南アメリカの北東部、大西洋岸にある協同共和国。旧イギリス領ギアナ。1966年独立。首都ジョージタウン。ボーキサイト・金・ダイヤモンドを産する。住民はインド人と黒人。主要言語は英語・ヒンディー語。面積21万5千平方キロメートル。人口80万( 2005)。正称、ガイアナ協同共和国。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ガイアナ
がいあな
Guyana

南アメリカ北部の国。正称はガイアナ協同共和国The Co-operative Republic of Guyanaで、共同組合制度を基礎とする特異な社会主義を目ざしてきた。西はベネズエラ、南はブラジル、東はスリナムに接し、北東は大西洋に面する。旧称イギリス領ギアナ。面積21万5000平方キロメートル、人口76万(2000推計)。人口密度は1平方キロメートル当り3.5人。首都はジョージタウン。国名は先住民の言語で「水郷(水のある土地)」という意味である。[山本正三]

自然

国土の70%は標高200メートル以下の準平原と狭い海岸平野からなる。西の国境に沿ってパカライマ山脈、南の国境にはアカライ山脈が走るが、山地の大部分は500メートル以下の丘陵で形成される。中央部を南から北に貫流するエセキボ川の本支流の流域が国土の大部分を占める。北西部にはバリマ川、東部にはバービス川が流れ、スリナムとの国境をコーランタイン川が分けている。海岸は海面より低い湿地が多い。国土の85%は森林に覆われ、内陸には部分的にサバンナ地帯がみられる。年降水量は、海岸地方では2500ミリメートルに達し、雨期は5~8月と11月~1月の2回である。一方、南西部の内陸では1500ミリメートル前後と少なく、雨期も年1回(4~9月)である。気温は一年中高温で、首都ジョージタウンの年平均気温は26.7℃である。[山本正三]

歴史・政治

1499年にスペイン人が来航したが、オランダの植民地建設(1581)により、スペインはこの地を追われた(1596)。その後イギリスの買収によって、1831年イギリス領ギアナ植民地が誕生した。当初オランダはアフリカ黒人奴隷を導入したが、1838年から1917年にかけてイギリスがサトウキビ栽培のためにインド人や中国人を労働者として導入したため、これが現在の複雑な人種構成のもととなった。1891年行政院、1928年立法院が設けられ、徐々に内政の整備が進められた。
 第二次世界大戦後、1953年に自治政府が選出され、独立への第一歩を踏み出し、66年5月イギリス連邦内の独立を獲得した。68年人民民族会議(PNC)は、独立後初の総選挙に勝ち、単独政権を組織し、70年2月憲法を改正して共和国を樹立した。新政権は民族的自立経済の達成を目標に社会主義政策を志向し、国名に「協同共和国」が付加された。85年以後、社会主義重視路線から中道に転換し、先進諸国への接近を図った。人民進歩党を主体とする政権は市場経済を守り、92年就任したインド系大統領チェディ・ジェーガンはアフリカ系人材を積極的に起用し、人種間の融和策を実施したが、97年3月に死去、同年末に行われた大統領選挙ではチェディ・ジェーガンの夫人であるジャネット・ジェーガンが当選した。その後、99年8月にジャネット・ジェーガンは健康上の理由で辞任、バラット・ジャグデオが大統領に就任した。[山本正三]

経済・産業

ガイアナの経済は主として農業、鉱業で支えられる。農業人口は6万5000人(20.6%、1994)を占めるにすぎないが、農業は依然として重要な産業である。主要産物はサトウキビと米である。海岸沿いの5~10キロメートル幅の低地は築堤により干拓され、大規模なプランテーションが行われている。サトウキビおよびその加工品は輸出総額の44.1%を占め、ほとんどはイギリス連邦諸国に輸出される。一方、米の生産量は34万トン(1994)である。米は主としてインド人小農民によって栽培されるが、生産性は低く、1戸当りの平均経営耕地面積も2ヘクタールに満たない。農産物ではそのほかココナッツ、オレンジ、バナナなども生産される。
 鉱産資源は、ボーキサイトがあり、その他少量ながら、金、ダイヤモンド、銅、マンガンなどを産する。ボーキサイトの産出量は1980年305万トンに達したが、85年220万トン、90年142万トンと激減し、94年に209万3000トンにまで回復した。そのほか木材資源も開発の余地が大きい。
 輸出品は、砂糖、金、ボーキサイト、米の順で比率が高く、輸出総額は3億9100万ドル。輸入品は燃料などで輸入総額は4億0600万ドル(1995)で、1500万ドルの入超である。輸入先は、アメリカ、トリニダード・トバゴの順で多い。ラテンアメリカ諸国とは疎遠だが、ジャマイカ、バルバドス、トリニダード・トバゴとともにカリブ共同体、カリブ共同市場を結成している(1973年8月発足)。またキューバとの協力関係の強化を図っている。
 大西洋岸大陸棚はエビの好漁場で、これを中心に日本との交易が進んでいる。[山本正三]

社会

人口の90%は首都ジョージタウンを中心とする海岸の狭い地帯(国土の5%足らず)に集中する。旧オランダ人の町で豊かな農業地帯の中心ニュー・アムステルダム、ボーキサイト鉱山の都市リンデムがおもな都市である。
 1人当りの国民総所得(GNI)は770ドル(2000)と低く、また非識字率も12%程度といわれている。人種構成は、東インド人(インド・パキスタン系)49%、アフリカ系36%、混血7%、先住民のインディオ7%などからなっている。人種は、職業および居住地域と密接な結び付きをもち、インド系と黒人系との人種対立が深刻である。東インド人はおもにサトウキビ・プランテーションと海岸の多雨地帯で働いており、アフリカ系住民は都市居住者が多い。先住民は内陸部の森林地帯に散在し、狩猟や原始的農業に従事している。宗教は、キリスト教(イングランド教会)信仰者がもっとも多く、全人口の57%を占め、ついでヒンドゥー教34%、イスラム教9%と続く。言語は、英語が公用語であるが、ヒンドゥー語、中国語、アフリカ系の言語も各人種によって用いられている。まさしく多人種、多宗教社会であり、このような複雑な人種構成を越えた社会的統一と文化の形成が、この国の大きな課題で、英語文化によりそれを成し遂げようとしている。[山本正三]

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