クラミドモナス(その他表記)Chlamydomonas

デジタル大辞泉 「クラミドモナス」の意味・読み・例文・類語

クラミドモナス(〈ラテン〉Chlamydomonas)

クラミドモナス属の緑藻総称。約300種が知られ、主に淡水に、また海水や氷雪上にも生じる。単細胞で、2本の鞭毛べんもうで運動する。

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精選版 日本国語大辞典 「クラミドモナス」の意味・読み・例文・類語

クラミドモナス

  1. 〘 名詞 〙 ( [ラテン語] chlamydomonas ) 緑藻類クラミドモナス科の単細胞生物。主に淡水産で、地球上に広く分布する。長径一〇ミクロンの楕円形で、体内に鮮緑色の葉緑体赤色眼点があり、天気のよいときには光のさす明るい方向に集まる性質がある。

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改訂新版 世界大百科事典 「クラミドモナス」の意味・わかりやすい解説

クラミドモナス
Chlamydomonas

ボルボックス目クラミドモナス科の単細胞緑藻の1属。卵形で大きさは10~30μmのものが多い。先端の乳頭状突起の基部から等長の2本の鞭毛をだし,これで泳ぐ。細胞内には1個の核,葉緑体およびピレノイドがあり,体制と細胞構造から,この属の生物は緑色植物の祖先型に近いものとする考えがある。種類数が多く,記載種は100以上に及ぶ。世界各地の池,湖沼,水田,水たまりなどに生育するが,また雪中に生育するものもある。氷雪藻としてはアカユキモC. nivalis(Bauer)Willeが最もよく知られ,池沼などに生育する種としてはC.angulosa PillおよびC.basistella Pascherなどが知られる。少数ではあるが海産の種もあり,その代表としてC.reginae Ettl et Greenが挙げられる。
執筆者: なお,クラミドモナスは動物学では原生動物植物性鞭毛虫綱ボルボックス目に属する。これが多数繁殖すると,明け方後数時間内に表面の水を酸素で過飽和にすることがある。クロレラとともにワムシを培養するときの餌に用いられる。
執筆者:

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「クラミドモナス」の意味・わかりやすい解説

クラミドモナス
くらみどもなす
[学] Chlamydomonas

緑藻植物、クラミドモナス科のプランクトン性淡水藻。鮮緑色で、細長いイチゴの実を小形にしたような形状で、長い2本の鞭毛(べんもう)をもち、遊泳性のある単細胞藻。ときには鞭毛を失って不動の球体となるが、不動期でも、以前からもっている赤色の眼点をもち続け、さらに大きさも15~30マイクロメートルくらいとなるので、眼点をもたない小さいクロレラなどとは区別できる。各地の淡水池中に普遍的に発生するプランクトン性藻で、冬季以外は、いつでも出現する。

 クラミドモナスは、体が縦に分裂して2個体になるという無性生殖で急速に殖えていくが、ごくまれに、2個体の合体による有性生殖も行う。この際、形態的には雌雄の識別ができない個体間で行われるため、かつてはある種の化学物質によって人工的に雌か雄かにすることができるという説も生まれた。しかしその後の研究で、それほど単純なものではないとの異説が出され、なお検討が続けられている。

[新崎盛敏]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クラミドモナス」の意味・わかりやすい解説

クラミドモナス
Chlamydomonas

オオヒゲマワリ目クラミドモナス科の最も下等な緑藻類の1属。藻体は微小で楕円体あるいは卵形単細胞,単核,壺状の葉緑体,ピレノイドを内蔵し,頂端に眼点がある。等長の2鞭毛を出している。分裂によって増殖するが,2個体間に接合が起ることも知られる。きわめて普通に貯水槽,池などの水たまりで発見されるが,被嚢の形で休眠することもある。分類学上ボルボックス目に入れられる一方コナヒゲムシと名づけ,鞭毛生物として扱われることもある。

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百科事典マイペディア 「クラミドモナス」の意味・わかりやすい解説

クラミドモナス

ボルボックス目クラミドモナス科の単細胞緑藻の1属。体は球形で径10〜30μm。赤色の眼点をもち,体の前方にある2本の鞭毛で運動する。鞭毛の基部の2個の収縮胞で排出。体表は薄いセルロースの細胞膜でおおわれ,葉緑体をもつ。多くは淡水性。

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