クリスマスの挨拶を送るカード。イギリスでは18世紀末から手作りのカードを送る風習があり,19世紀前半にはその用紙として縁飾を印刷したものが売られていた。絵柄と字句を印刷した本格的なクリスマス・カードの出現は1840年代である。創始者についてはいくつかの説があるが,よく知られるのは,イギリス王立美術院会員ホースリーJ.C.HorsleyがコールHenry Coleからの依頼により1843年にデザインしたものという。このカードは46年に約1000枚印刷され,コールとホースリーが使う分を除いて1枚1シリングで売られた。1860年代にロンドンの印刷会社がクリスマス・カードの量産を始めてから一般に利用されるようになり,しだいに需要が増大して輸出されるようにもなった。アメリカではL.プラングが74年に製造を開始。優れた色刷り技術が好評で,81年には販売数500万枚にも達したという。英米では,受け取ったカードをクリスマスの間,暖炉の上に立てかけたりカーテンにつるすなどして飾る風習がある。
執筆者:山田 和子
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