クレソン

デジタル大辞泉 「クレソン」の意味・読み・例文・類語

クレソン(〈フランス〉cresson)

アブラナ科多年草。茎の下部は水中をはい、葉は羽状複葉で、互生。春、白色の小花を開く。全体に辛みがあり、生食する。ヨーロッパの原産で、日本には明治初期に移入。オランダ芥子からし。みずがらし。ウオータークレス 春》

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精選版 日本国語大辞典 「クレソン」の意味・読み・例文・類語

クレソン

  1. 〘 名詞 〙 ( [フランス語] cresson ) アブラナ科の多年草。ヨーロッパ原産で、日本に帰化し、各地の流れのふち湿地に生え、また、生食用に栽培されている。全株無毛で、茎は五〇センチメートル以上になり、下部は横にはう。葉は奇数羽状で互生し、長さ一〇センチメートル内外、幅一・五~二センチメートル。頂小葉が最も大きく、側小葉は一~四対ある。春、花序は茎の先端につき、総状で、小型の四弁の白花を多数つける。果実は一~二センチメートルの長角果。オランダがらし。みずがらし。《 季語・春 》
    1. [初出の実例]「ニンニクをきかせて焼き、クレソンを多いめに添えたら」(出典:輝ける闇(1968)〈開高健〉)

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食の医学館 「クレソン」の解説

クレソン

《栄養と働き&調理のポイント》


 ヨーロッパ原産の水生植物で、ミズカラシ、オランダガラシともいいます。
 わが国には明治時代の初めに西洋野菜として入ってきました。
 1年中出回っていますが、自生のクレソンが収穫できるのは初夏で、8~10cmくらいのものが風味があって歯触りもいいとされています。
○栄養成分としての働き
 ピリッとした辛みがありますが、これはワサビなどと同じシニグリンという成分によるものです。この成分は食欲増進、胃もたれ解消の効果があります。
 シニグリンは、肉の脂肪の消化を高める働きをするので、おもにステーキやローストビーフなどの肉料理の付け合わせに用いられるのも、理にかなっているといえるのです。
 また、カロテン、ビタミンC、カルシウム、鉄分が豊富で血液をきれいにしたり、強壮効果があります。貧血症の人や、肉食にかたよりがちな人は意識して食べるようにするといいでしょう。
 ニコチンの毒を消す強力な解毒作用があるともいわれるので、ヘビースモーカーの人にもおすすめです。
 基本的には生のまま、サラダなどに用いて食べますが、さっとゆでて和えものにしてもおいしく食べられます。生のまま食べるときは、太くてかたい茎の部分は除いて調理するのがポイントです。また、茎ごとざく切りして、ゴマ油で炒(いた)めても。

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改訂新版 世界大百科事典 「クレソン」の意味・わかりやすい解説

クレソン
cresson[フランス]
Nasturtium officinale R.Br.

アブラナ科の多年生水生植物で,ウォータークレスwatercress,オランダガラシ,ミズガラシ,クレッソンともいう。ヨーロッパの原産で,日本には1870-71年に渡来し,急流の川岸,緩流の小川に群生し,野生化している。茎は軟らかく,下部はやや水平に,上部は斜め,または直立して伸び,50cmに達する。茎の各節から容易に発根するので挿苗による繁殖が一般に行われている。葉は羽状複葉,互生していて濃緑色であるが,冬はやや褐色をおびる。花は白色で小さく,4~9月分枝上に総状花序をつける。種子は小さく,淡赤褐色である。品種は分化していない。栽培は水田や緩流で行われる。摘取り後は葉腋(ようえき)から旺盛な新芽がでるので,厳冬を除き年中採れる。淡い辛みと香りがあり,洋食ではサラダ,魚肉料理のつまに,和食では浸し物,みそ汁,なべ物,蒸物に用いる。
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百科事典マイペディア 「クレソン」の意味・わかりやすい解説

クレソン

ウォータークレス,オランダガラシとも。アブラナ科の水生多年草。ヨーロッパ原産で明治初期に渡来。水底の土に根をはり,流水に浮かんで生育する。全草やわらかく,高さ20〜50cm。葉は羽状複葉で花は5〜8月,枝先の総状花序に径約1cmの白色花をつける。特有のかおりと辛味が好まれ,サラダ,オードブル,肉料理の付合せなどとして生食される。栽培され,小川などに帰化している。

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事典 日本の地域ブランド・名産品 「クレソン」の解説

クレソン[葉茎菜類]
くれそん

北陸甲信越地方、山梨県の地域ブランド。
主に南都留郡道志村などで生産されている。クレソンが日本に渡来したのは明治時代といわれているが、南都留地域では1973(昭和49)年頃、道志村には1978(昭和53)年に導入された。現在は道志村が中心となり、出荷量は全国一である。山梨県のクレソン栽培は夏季におこなわれ、10月から12月下旬頃出荷される。

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栄養・生化学辞典 「クレソン」の解説

クレソン

 [Rorippa nasturtium-aquacticum],[Nasturtium officinale].ウォータークレス,オランダガラシ,ミズガラシなどともいう.フウチョウソウ目アブラナ科イヌガラシ属の多年草.サラダなどに用いる.

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「クレソン」の意味・わかりやすい解説

クレソン
くれそん

ウォータークレス

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クレソン」の意味・わかりやすい解説

クレソン

「オランダガラシ」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内のクレソンの言及

【アブラナ(油菜)】より

…若葉や花序はカラシナ特有の辛みがあり,漬物にするとおいしい。(2)オランダガラシNasturtium officinale R.Br. ヨーロッパ原産。栽培品はクレソンの名でサラダや,肉料理の添えものに広く利用されている。…

【ビーフステーキ】より

…これは前述のトルヌードを揚げた薄切りパンの上に置き,上にフォアグラとトリュフを添えるものである。
[付合せとソース]
 付合せとして最も一般的なのは,フライドポテトとクレソンである。このほかニンジンのグラッセ,インゲンのバターいため,ホウレンソウのクリーム煮など,温かく調理したものを添えるのがふつうである。…

※「クレソン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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