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クロノス Kronos

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

クロノス
Kronos

ギリシア神話の神。ローマのサツルヌスと同一視された。ウラノスガイアから生れたティタンたちの末弟だが,ガイアのすすめに従い,ウラノスを去勢して,父が保持していた天界の王位を簒奪した。姉妹のレアと結婚したが,彼も父と同様,自分の子に王位を奪われる運命にあると知らされ,レアの生む子供たちを次々に生きたまま腹の中に飲み込んだ。しかし末子ゼウスだけは,産着に包んだ石を赤子だと偽ってクロノスに飲ませたレアのおかげで救われ,成長後,まずクロノスに兄と姉たちを吐き出させ,これと協力してクロノスとティタンたちに挑戦して,予言どおりその王位を簒奪し,クロノスらを地下のタルタロスに閉じ込めた。クロノスが支配した時代の人類は黄金の種族で,楽園の生活をおくったとされる。

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百科事典マイペディアの解説

クロノス

ギリシア神話のウラノスとガイアの子で,ティタン神族の末弟。父を倒して主神となる。姉レアを妻としたが,子が自分を倒すという予言を恐れて,子どもが生まれるごとにのみこんだ。
→関連項目黄金時代ティタンポセイドン

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デジタル大辞泉プラスの解説

クロノス

マツダが1991年から1994年まで製造、販売していた乗用車。4ドアセダン。クレフの姉妹車。

クロノス

アメリカのSFテレビドラマ・映画シリーズ「スタートレック」に登場する惑星。異星人種属クリンゴンの本星で、クリンゴン帝国の中枢

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世界大百科事典 第2版の解説

クロノス【Kronos】

ギリシア神話で,天空神ウラノスと大地女神ガイアの子。ティタン神の末弟で,ゼウスの父。ウラノスが子らを冥府タルタロスに押し込めたことを恨んだガイアから大鎌を与えられ,父神の陽物を切り落としてその王権を奪った。その後,姉のレアを妻とし,女神ヘスティアデメテルヘラ,男神ハデス,ポセイドンの親となったが,わが子に王権を奪われるのを恐れた彼は,それらの子をかたっぱしから腹に飲み込んだ。しかし末子ゼウスの場合は,ひそかにクレタ島でお産をすませたレアの計略でむつきにくるんだ石を飲まされた。

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大辞林 第三版の解説

クロノス【Khronos】

ギリシャ神話で、ウラノスとガイアの子。ゼウスの父。自分の子に主権を奪われるとの予言により、生まれた子を次々に飲みこむが、難を逃れたゼウスにより、冥府に幽閉された。ローマにおいてはサトゥルヌスと同一視された。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

クロノス
くろのす
Kronos

ギリシア神話の神。ローマ神話ではサトゥルヌスにあたる。ウラノスとガイアの子でティタン(巨人族)に属す。父ウラノスは生まれた子をすべて冥府(めいふ)に閉じ込めたので、怒ったガイアは、末っ子のクロノスをそそのかしてウラノスの男根を切り取らせ、その覇権を簒奪(さんだつ)せしめた。支配者となったクロノスは、姉のレアと結婚して、ヘスティア、デメテル、ヘラ、ハデス、ポセイドン、ゼウスを得た。しかし彼は、自分の子供に王位を奪われるであろうと両親から預言されていたので、子供が生まれるとすぐにこれを飲み込んだ。しかし末っ子ゼウスが生まれたとき、レアが偽って石をかわりに飲ませ、ゼウスをクレタ島に隠した。このためクロノスは、のちに成長したゼウスと10年間にわたって覇権を争うことになり、結局、キクロペス、ヘカトンケイルを味方につけたゼウスに敗れた。
 彼はおそらく先住民族の神で、ゼウスとの覇権争いはギリシア民族による先住民族駆逐の経緯を示すものと考えられる。一説には、クロノスの時代は黄金時代であり、彼は人類に種々の幸せをもたらした。そしてオリンポスを追われたのちは至福の島の王となったという。またローマ人は、オリンポスを追われたクロノスはのちにイタリアに赴き、その息子ピクスがローマ歴代の王の祖となったとしている。[丹下和彦]

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世界大百科事典内のクロノスの言及

【ウラノス】より

…世界の最初の支配者。ヘシオドスの《神統記》によれば,大地女神ガイアの子として生まれた彼は,ガイアとの間に12柱のティタン神その他の子をもうけたが,それらの子すべてを大地の奥底タルタロスに押し込めたため,ガイアから父神の非道に報復するよう説得された最年少のティタン神クロノスによって,大鎌で陽物を切り落とされ,天地の支配者の地位を追われたという。【水谷 智洋】。…

【オルフェウス教】より

…最初に水と大地(ガイア)があった。両者の結合から老いを知らぬクロノスChronos(〈時間〉の意。ゼウスの父クロノスKronosとは本来別の語であるが,その解釈として〈時間〉が提示されたとも考えられ,両者はしばしば混同される)が生まれた。…

【ガイア】より

…カオス(混沌)につぐ最も古い神とされる。ひとりで天空神ウラノスを産んだあと,彼との間にオケアノス(大洋),テミス(掟),ムネモシュネ(記憶)ら12柱のティタン神,3人のキュクロプスその他の子をもうけたが,それらの子をウラノスが大地の奥底に押し込めたため,ガイアは最年少のティタン神クロノスに大鎌を与え,父神の陽物を切り落とさせたという。【水谷 智洋】。…

【ギリシア神話】より

…まとまった物語を見ても,デウカリオン夫婦を除く全人類を滅亡させた大洪水神話は〈ノアの方舟〉と同工異曲であって,地理的条件からギリシア本来のものとは考えられず,やはりメソポタミア起源であろう。またウラノス―クロノス―ゼウスの3代にわたる神界覇権推移の神話はミュケナイ時代とほぼ同時代のヒッタイトやウガリトの資料からも伝えられており,その東方起源が知られる。符節を合わせたこの物語は同時に相違点も際立たせる。…

【時間】より

…それは自然界のなかに起こる事象の繰返し(天体の運行,動植物の生活史,季節の循環など)を土台にして時間感覚が築かれたことを示している。ギリシア神話の神でのち〈時〉と結びつけられたのはクロノスであるが,それは,天空の神ウラノスと大地の女神ガイアの子どもとして生まれている。自然(天と地)の周期変化が結果として時間と結び付いた好例だろう。…

【ゼウス】より

…ローマ人によってゼウスと同一視されたユピテルJupiterも,その名はDieu pater〈父なるディエウス〉の意で,本来ゼウスと同じ神である。 神話ではゼウスはティタン神のクロノスレアの子とされ,彼が世界の覇者となった経緯が次のように語られる。父神ウラノス(〈天〉)を追放して世界の2代目の支配者となったクロノスは,姉妹のレアを妻として女神ヘスティア,デメテル,ヘラ,男神ハデス,ポセイドンをもうけたが,わが子に支配権を奪われるのを恐れて,生まれた子をつぎつぎにのみ込んだ。…

【土星】より

…【田中 済】
[シンボリズム]
 土星はローマ神話のサトゥルヌス(英語ではサターンSaturn)と同一視され,図像学的には,通常長い鎌をもった老人の姿で表される。ギリシア神話のクロノスと同一視されることもあり,老年,時,さらには死と結びつけられることが多いのは,古代神話の最長老であるところから,あるいは神名のクロノスKronosと,〈時〉を表すギリシア語クロノスchronosとが混同されたことによるとされる。そして,もっとも高い天空にあってもっとも運行の遅い土星に結びつけられたものという。…

※「クロノス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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