グアニル酸(読み)グアニルサン

デジタル大辞泉 「グアニル酸」の意味・読み・例文・類語

グアニル‐さん【グアニル酸】

guanylic acid》生物体内に存在するヌクレオチド一種グアニンリボース燐酸1分子がついたもの。干しシイタケうまみ主成分調味料として生産される。グアノシン一燐酸。GMP

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化学辞典 第2版 「グアニル酸」の解説

グアニル酸
グアニルサン
guanylic acid

guanosine monophosphate.C10H14N5O8P(363.22).グアノシン 5′-リン酸(5′-GMP),グアノシン 3′-リン酸(3′-GMP),グアノシン 2′-リン酸(2′-GMP)の3種類の異性体が存在する.生体内から得られるものは5′-GMPと3′-GMPであり,一般に,グアニル酸とよぶときは5′-GMPをさす.5′-GMPは結晶性がよく,純粋な化合物が得やすい.ナトリウム塩はシイタケの味がするので,調味料として使われる.5′-GMPはATPによりホスホリル化されてグアノシン二リン酸(GDP),グアノシン三リン酸(GTP)となる.GTPはリボ核酸の合成の基質となるほか,リボソームでタンパク質生合成の際に重要なはたらきをする.5′-GMPは分解点190~200 ℃.pK1 2.4,pK2 6.1,pK3 9.4.λmax 256(ε 1.24×104,pH 2),260 nm(ε 1.21×104,pH 12).3′-GMPは分解点175~180 ℃.-8°(水).いずれも水に可溶,有機溶媒に不溶.[CAS 117-68-0:3′-GMP]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

栄養・生化学辞典 「グアニル酸」の解説

グアニル酸

 C10H14N5PO8 (mw363.22).

 5-グアニル酸,グアノシン5-リン酸,グアノシン5-一リン酸,グアノシン一リン酸ともいう.グアニンとリボースリン酸が結合したヌクレオチドの一種.5-グアニル酸はシイタケのうま味成分として工業的に生産されている.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

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