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グノーシス主義 グノーシスしゅぎ

大辞林 第三版の解説

グノーシスしゅぎ【グノーシス主義】

ギリシャ gnōsis は「認識」の意〕
一、二世紀頃地中海沿岸諸地域で広まった宗教思想、およびこれに類する考え方。反宇宙的二元論の立場にたち、人間の本質と至高神とが本来は同一であることを認識することにより、救済、すなわち神との合一が得られると説く。マンダ教やマニ教はその代表的宗教形態。

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百科事典マイペディアの解説

グノーシス主義【グノーシスしゅぎ】

後1世紀から3世紀に地中海世界に興った宗教思想運動。英語でGnosticism(〈知識〉を意味するギリシア語に由来)。キリスト教グノーシス派も存在するものの,従来誤解されてきたようにキリスト教内部の異端あるいはヘレニズム的シンクレティズムの所産ではなく,固有の運動と考えるのが有力。
→関連項目神秘主義流出説

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世界大百科事典 第2版の解説

グノーシスしゅぎ【グノーシス主義 Gnosticism】

キリスト教と同時期に地中海世界で興った宗教思想運動。〈グノーシスgnōsis〉はギリシア語で知識を意味するが,ヘレニズム宗教思想の場合意味が限定され,人間を救済に導く究極の知識をさす。グノーシス主義もこの流れに属するが,それと別に既成の世界に対する鋭い批判を含んでいる。この思想運動は後1世紀のローマ帝国辺境に興り,2~3世紀に最盛期を迎える中で次々と新しいセクトを生んだ(ただし,しばしば誤解されるようにキリスト教の分派〈異端〉としてではなく,独立に成立した)。

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世界大百科事典内のグノーシス主義の言及

【シモン・マグス】より

…《使徒行伝》8章10節によると〈大能〉(至高の神性)を自己の身に体現すると主張した。シモン自身の教説のそれ以上の詳細は不明だが,後にシモン派のグノーシス主義へと展開し,正統教会からは全異端の草創の責を負わされた。マグスとは〈魔術師〉の意で,シモンの教説をおとしめ,その影響力を減じようとする原始キリスト教側の作為に由来する。…

【秘密結社】より

…この疎外からの救済という性格が近代の秘密結社を特徴づけており,多少とも土着的な未開社会の秘密結社とそれとを区別する。しかし現存の世界を不完全とみなし,完全を夢見るこの精神の姿勢は,さかのぼっては2~3世紀に最盛期を迎えたグノーシス主義に発している。グノーシス主義の中心には,宇宙は神秘的で不可測の存在から多くの媒介を経て流出したものであり,現存の人間の感覚世界はその最後の最も低次の悪しき造物主(デミウルゴス)によって創造されたとする命題がある。…

【ヘルメス文書】より

… 作品を構成する素材としてはプラトン主義,ストア学派のギリシア的要素が中心をしめるが,エジプト文化やユダヤ教などのモティーフも無視できない。思想内容にはグノーシス主義の先鋭な二元論から汎神論的一元論まで見られる。《コルプス・ヘルメティクム》を例にとれば,第I冊子はグノーシス思想,第XI冊子は汎神論的,第IX冊子はゆるやかな二元論といったぐあいである。…

※「グノーシス主義」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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