グローリー(その他表記)glory

翻訳|glory

デジタル大辞泉 「グローリー」の意味・読み・例文・類語

グローリー(glory)

孤峰山頂で、前方に厚い霧が立ち込めるとき、陽光を背にして立つと、自分の影が霧に大きく映り、そのまわりに色のついた光輪が見える現象。大気中の水滴により光が回折して生じる。山の御光。仏の御光。ブロッケン現象
[類語]ブロッケン現象御来迎かさ

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改訂新版 世界大百科事典 「グローリー」の意味・わかりやすい解説

グローリー
glory

山頂でその下の雲や霧に自分の影を映すと,頭のまわりに色のついた輪が見えることがあるが,これをグローリーという。また飛行機で雲海の上を飛んでいる時に,飛行機の影のまわりに色のついた光の輪が見えることがある。これも同じ現象である。これらは雲や霧の水滴による光の回折でおこるもので,光の輪の視半径は光の波長と水滴の大きさに関係する。山の御光ということもあり,英語では別にホーリー・シャインともいう。これは見る人の頭の影のまわりの色のついた輪であるが,山頂などでは人の影それ自身が大変大きく恐ろしげに見えることがある。太陽から来る光は平行光線であるから,影はどこまで行っても人体の大きさと変わらないのであるが,霧が間近にある時は,心理的に像の映っている距離を遠くに引き伸ばして知覚するために,その像を大変に大きく恐ろしげに感じるのである。ヨーロッパでもこの現象には早くから気付き,ハルツ山地の主峰ブロッケン山でよく見られるのでブロッケン妖怪Brockengespenstと呼ばれている。また霧のかかった山頂などで,人工の光源を背にして自分の影を霧に映すと,光源の距離が近ければ近いほど,大きな恐ろしげな像になって見える。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グローリー」の意味・わかりやすい解説

グローリー
glory

高山で,日の出や日の入り時に,太陽を背にして前方に深い霧が広がっているとき,自分の影が大きく写し出されるとともに,その影のまわりに外側赤色で内側が青色の光の輪が現れるもの。日本では,御光,山の御光,仏の御光等と呼ばれ,欧米ではドイツ中部のブロッケン山でよく見られることからブロッケン現象,ブロッケンの妖怪ともいわれる。また,その出現の特別な場合に裏御光,ウロアの輪,稲田の御光などと呼ばれる。気象学的には,霧粒等による回折作用から生じる光学現象である。(→光環

グローリー
GLORY LTD.

貨幣処理機のメーカー。1918年国栄機械製作所を創業,1944年株式会社に改組。1971年グローリー工業に社名を変更。2006年社名をグローリーに改称。設立後から硬貨計算機,硬貨選別機,紙幣両替機といった貨幣処理機を製造,販売。たばこ自動販売機やコインロッカーも手がける。2017年にはロボットシステムインテグレーション事業に参入した。

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百科事典マイペディア 「グローリー」の意味・わかりやすい解説

グローリー

登山者がよく経験する気象光学的現象の一つ。霧や雲がかかっているとき太陽光線を背にすると,観測者の影が霧粒の幕に映り,顔の影を中心に大きな光輪が見られる。ドイツのブロッケン山でたびたび見られることから,ブロッケンの妖怪,ブロッケン現象ともいう。→御来迎

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日本の企業がわかる事典2014-2015 「グローリー」の解説

グローリー

正式社名「グローリー株式会社」。英文社名「GLORY LTD.」。機械工業。大正7年(1918)個人創業。昭和19年(1944)「株式会社国栄機械製作所」設立。同46年(1971)「グローリー工業株式会社」に改称。平成18年(2006)現在の社名に変更。本社は兵庫県姫路市下手野。貨幣処理機製造会社。硬貨・貨幣の処理機でシェアトップクラス。金融機関向けに実績。ほかに自動販売機・コインロッカーなど。東京証券取引所第1部上場。証券コード6457。

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デジタル大辞泉プラス 「グローリー」の解説

グローリー〔映画〕

1989年製作のアメリカ映画。原題《Glory》。アメリカ南北戦争に実在した黒人部隊とその指揮をとる白人将校の物語。監督:エドワード・ズウィック、出演:マシュー・ブロデリック、デンゼル・ワシントン、モーガン・フリーマンほか。第62回米国アカデミー賞助演男優賞(デンゼル・ワシントン)、撮影賞、音響賞受賞。

グローリー〔英海軍空母〕

《Glory》イギリス海軍の航空母艦。コロッサス級航空母艦。1945年4月就役。ラバウルでの日本軍の降伏文書調印は、本艦上で行なわれた。1950年代には朝鮮戦争にも参加。1956年退役。

グローリー〔英海軍戦艦〕

《Glory》イギリス海軍の戦艦。カノーパス級。1899年進水、1900年就役の前弩級戦艦。1921年退役。

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世界大百科事典(旧版)内のグローリーの言及

【光背】より

…また,光背の文様として蓮華文,宝相華文,塔,宝珠,輪宝,三鈷(さんこ),羯磨,飛天,迦陵頻伽(かりようびんが),化仏(けぶつ),化菩薩,種子,鏡などが修飾的に付加されることとなり,光背はそれを負う仏格によりさらに変化が生まれた。【光森 正士】
[キリスト教美術の光背]
 ヨーロッパ諸語では,ニンブスnimbus(ラテン語),ハイリゲンシャインHeiligenschein(ドイツ語),グローリーglory(英語)などという。光背は,キリスト教図像では聖性の表徴として,天上の光栄の反映のごとく神,神的人格,または聖人の頭部を囲む円輪形または円盤形で,多くの場合,黄金色でいろどられる。…

【光背】より

…また,光背の文様として蓮華文,宝相華文,塔,宝珠,輪宝,三鈷(さんこ),羯磨,飛天,迦陵頻伽(かりようびんが),化仏(けぶつ),化菩薩,種子,鏡などが修飾的に付加されることとなり,光背はそれを負う仏格によりさらに変化が生まれた。【光森 正士】
[キリスト教美術の光背]
 ヨーロッパ諸語では,ニンブスnimbus(ラテン語),ハイリゲンシャインHeiligenschein(ドイツ語),グローリーglory(英語)などという。光背は,キリスト教図像では聖性の表徴として,天上の光栄の反映のごとく神,神的人格,または聖人の頭部を囲む円輪形または円盤形で,多くの場合,黄金色でいろどられる。…

※「グローリー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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