ケプラー宇宙望遠鏡(読み)ケプラーウチュウボウエンキョウ

デジタル大辞泉の解説

ケプラー‐うちゅうぼうえんきょう〔‐ウチウバウヱンキヤウ〕【ケプラー宇宙望遠鏡】

Kepler space telescope》《Kepler space telescope》2009年にNASA(米航空宇宙局)が打ち上げた、系外惑星探査に特化した宇宙望遠鏡。恒星のわずかな明るさの変化を検出するトランジット法により、惑星の存在、およびその大きさや周期を推定する。2018年の運用終了までに合計50万個以上の恒星を観測し、数千個もの惑星および候補天体を発見。ケプラー22bをはじめ、その表面に水が液体の状態で存在可能なハビタブルゾーンにある惑星も多数発見した。ケプラー望遠鏡。→TESS(テス)

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ケプラー宇宙望遠鏡
けぷらーうちゅうぼうえんきょう

NASA(ナサ)(アメリカ航空宇宙局)により太陽系外惑星探査を目的として2009年に打ち上げられたスペース望遠鏡。
 惑星の運動に関する三つの法則を発見したヨハネス・ケプラーにちなんで命名された。
 主鏡直径1.4メートル、口径95センチメートル、視野角15度のシュミット型望遠鏡を搭載し、周期371日で地球と同じ太陽周回軌道の上を、地球を追いかけるようにして回っている。太陽や地球が視野に入らず、また、太陽系内の小惑星などの影響を避けるため黄道面から55度以上離れ、天の川銀河のなかで星がたくさんあるはくちょう座のデネブと、こと座のベガに挟まれた105平方度の広い領域で3000光年より近くにある10万個の恒星(主系列星のうちおもにG型星)を常時観測している。観測装置は2200x1024画素のCCD42個からなり、30分に1回の割合で恒星の明るさを測定する。惑星の検出は、公転する恒星の前を惑星が横切ると恒星の明るさが公転周期でわずかに暗くなることを利用するトランジット法を用いている。公転周期がわかると、ケプラーの第三法則から惑星の軌道の長半径がわかる。
 2013年に4個の姿勢制御用ホイールのうち2個が故障したが、当初の計画期間3.5年を大きく超えて観測を続けている(2016年末時点)。これまでに世界中の望遠鏡で発見された約3500個の太陽系外惑星のうち2300個がケプラー宇宙望遠鏡によるものである。このうち、9個の地球型惑星が主星からちょうどよい距離にあり、惑星表面に液体の水が存在できるハビタブルゾーンにあることがわかった。そこでは生命体が誕生する可能性がある。
 惑星系をもつ恒星は特殊なものではないこと、二重星などにも惑星系があること、惑星の大きさと軌道は多種多様であることや、生命が誕生する可能性のある惑星があることを明らかにした。
 ケプラー宇宙望遠鏡の後継機としてTESS(テス)(Transiting Exoplanet Survey Satellite)が計画されている。[水本好彦]

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