タイ北方からラオスにかけて分布する自由気鳴楽器,すなわちフリー・リードをもった管楽器である。日本の笙と同様に,多数の細長い竹の管を横に配列して束ね,それに吹口のついた匏(ふくべ)を取り付けたものである。異なる点は,日本の笙が細竹17本からなるのに対して,ケーンは6本,14本あるいは16本のものがあること,また,匏が笙のように下についているのではなく,束ねた管の途中にあることである。吹口から息を吹きこむと,それぞれの管の根元にある銀製の小片(リード)が振動して音が出る。ラオスでは,古典的な合奏曲において欠かせない楽器のひとつであるが,単独でも演奏され,歌の伴奏にも使われる。また,ラオスからタイにかけての山岳地帯では,ケーンを吹きながら演奏者自身が踊るという芸態もみられる。
執筆者:桜井 哲男
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管楽器。ラオスなどインドシナ半島内陸部の笙(しょう)。長さ70~90センチメートル、長いもので2メートル前後の竹の管が7本ずつ2列に並び、その中間に風箱(かぜばこ)(木製が多い)がある。リードは真鍮(しんちゅう)製が多い。風箱のすこし上に各管一つずつある指孔を閉じ、風箱の一端にある吹口から吹く、または吸うことで、その管の音を鳴らす。2本1組で、7組の管のうち6組はそれぞれ8度に、残り1組は同一音に調律され、普通この1組を同時に奏する。民俗舞踊や歌、語物の伴奏に広く用いられる。
[卜田隆嗣]
…貴州省のミヤオ族やトン族では芦笙の楽隊が組織されている。なお東南アジアの笙にはラオスのケーンkhen,タイ,カンボジアのケンkhaenがある。【増山 賢治】。…
…貴州省のミヤオ族やトン族では芦笙の楽隊が組織されている。なお東南アジアの笙にはラオスのケーンkhen,タイ,カンボジアのケンkhaenがある。【増山 賢治】。…
… 音楽は芸能や踊り,宗教儀式と結びついて行われることが多く,通過儀礼,年間行事など,民衆の生活に欠かせない。器楽合奏としては,古典芸能や儀式に用いられる,大楽団のセープ・ニャイsep gnai(タイのピー・パート編成に相当)と,代表的な民俗楽器ケーン(14管の笙)を含む小楽団のセープ・ノーイsep noi(タイにならってマホーリーとも呼ばれる)がある。一般に器楽よりも声楽の方が好まれており,セープ・ノーイ(とくにケーン)は日常的な歌や踊りの伴奏に用いられる,よりポピュラーな合奏である。…
※「ケーン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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