(読み)タケ

デジタル大辞泉 「竹」の意味・読み・例文・類語

たけ【竹】

イネ科タケ亜科の多年生植物の総称。長く横にはう地下茎から地上茎がまっすぐに伸びる。茎には節があり、節と節の間は中空。地下茎から出た若芽竹の子といい、食用にする。花はふつう数年から数十年の周期で開き、地上茎はその後枯れる。小形のものを一般にささともいう。マダケモウソウチクハチクアズマザサクマザサなど種類は多い。竹細工団扇うちわすだれ・茶せんなどのほか、建築材料・観賞用など用途は広い。 花=夏 実=秋》
1で作った管楽器尺八など。
[下接語]糸竹から川竹くれささすすすずなよにがむら若竹(だけ)青竹あや織り竹綾竹み竹衣紋えもん雄竹飾り竹今年竹竿さお逆さ竹さび三年竹四角竹自在竹しのぎ竹垂木たるき力竹筒竹といなま業平なりひら根曲がり竹野竹火吹き竹真竹雌竹虎落もがり矢竹四つ竹輪竹割り竹・割れ竹
[類語]若竹弱竹青竹孟宗竹真竹寒竹篠竹熊笹

ちく【竹】[漢字項目]

[音]チク(呉)(漢) [訓]たけ
学習漢字]1年
〈チク〉
植物の名。タケ。「竹馬竹林寒竹成竹筮竹ぜいちく破竹爆竹緑竹
タケ製の笛。管楽器。「糸竹
文字を書き記すための竹片。「竹簡竹帛ちくはく
〈たけ(だけ)〉「竹馬竹竿たけざお青竹糸竹雄竹笹竹ささたけ
[名のり]たか
[難読]竹箆しっぺい竹刀しない竹光たけみつ淡竹はちく

たか【竹】

[語素]他の語の上に付いて複合語をつくる。たけ。「むら」「はら」

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精選版 日本国語大辞典 「竹」の意味・読み・例文・類語

たけ【竹】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. イネ科植物のうち、大形の稈(かん)を持つものの総称。高さ一メートルから数十メートルに達するものもあるが、数か月で第一次生長を完了すると、それ以後は大きくならない。茎は木質化し、中空で節が多い。地下茎は横にはい、各節に地下茎か、または、稈を生じる単軸型のものと、地下茎の上方から稈と地下茎を同時につける連軸型の二型がある。前者は日本産のものに多いまばらな林となり、後者は熱帯に見られる密な株立ちとなる。地上茎は節からよく分枝する。葉は短柄を持ち先のとがった広線形または狭長楕円形、葉鞘(ようしょう)との間に明瞭な節がある。葉鞘は細長い筒状で小枝を巻く。花は黄緑色で稲穂状。通常一稔性で、開花までに数十年を要し、花後、一連の地下茎に連なる稈はすべて枯死する。材は弾力性に富み割裂しやすい特性があり、建築・工芸・楽器など種々の用途に広く使われる。また、モウソウチクを始めとして、ほとんどの幼い芽は筍(たけのこ)として食用にされる。主として熱帯・亜熱帯に生え、河川の護岸林や観賞用として栽植されることも多い。
      1. [初出の実例]「多気(タケ)の根の根垂る宮」(出典:古事記(712)中・歌謡)
      2. 「野山にまじりて竹をとりつつ、万の事につかひけり」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
    2. 筍をいう女房詞
      1. [初出の実例]「むろまち殿よりたけはしめてまいる」(出典:御湯殿上日記‐文明一〇年(1478)三月二一日)
    3. 笙・笛・尺八など、を使った管楽器。弦楽器を糸というのに対する。竹管。
      1. [初出の実例]「くり返しいとと竹とも心あらばうかりし節をとはまし物を」(出典:散木奇歌集(1128頃)悲歎)
      2. 「たけをならしてきかせん」(出典:御伽草子・御曹子島渡(室町末))
    4. 紋所の名。竹に雀、三つ竹輪違いなど。
      1. 竹に雀@三つ竹輪違い
        竹に雀@三つ竹輪違い
    5. 近世、下女の名前として小説などにしばしば使われた語。転じて、下女をいう俗語。
      1. [初出の実例]「下女はしたといふものは、〈略〉家ごとにかわれども、大かた名は、ふじ、すぎ、たけ、これらなるべし」(出典:浮世草子・好色床談義(1689)二)
  2. [ 2 ] 荻江節。四世荻江露友作曲。作曲年代は不明。「松」および「梅」とともに三部作の祝賀曲。

竹の語誌

( 1 )ふつう、竹の皮が筍の成長に従って下部から順に落ちるものをタケといい、稈(かん)の成長後も落ちないものをササというが、学術的な規定ではない。なお、今日広く見られるモウソウチクは一八世紀になって中国から移植されたもので、それ以前の日本の竹はマダケ、ハチクなどの類が多かったという。
( 2 )古代には祭祀用の呪的なものとしても用いられ、神話の世界で、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が黄泉(よみ)の国から逃れる時に櫛を投げると筍が生えて黄泉醜女(よもつしこめ)の追及を逃れたとか、天岩戸に隠れた天照大御神を誘い出すために天鈿女命(あまのうずめのみこと)が踊った折、香具山の小竹(ささ)の葉を手にしていたとかいわれる。「万葉集」の歌でも祭祀の折に竹玉を手に巻くという表現もあり、後世、正月の門松や七夕の飾りにも使われている。また、呪的なものから装飾や鑑賞の対象ともなってくる。中国でも松竹梅や梅菊蘭竹がもてはやされ、日本にも移入されるようになった。
( 3 )古くから「さすたけの」「なゆたけの」などの形で枕詞にも用いられた。中古の歌では「節(よ・ふし)」と掛詞にして共に用いられることが多く、俳諧の世界では「竹の春」「竹の秋」「竹植う」のように、季語として用いられることが多い。散文でも竹取翁の伝誦を生む一方、竹や竹の林に目を向けた記述も多い。


ちく【竹】

  1. 〘 名詞 〙
  2. たけ。
  3. 竹管。また、竹管で作った管楽器。
    1. [初出の実例]「Chicu(チク)〈訳〉竹筒」(出典:日葡辞書(1603‐04))

たか【竹】

  1. 〘 造語要素 〙 たけ(竹)。他の語の上に付いて熟語をつくる。「たかむら」「たかはら」など。

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普及版 字通 「竹」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 6画

[字音] チク
[字訓] たけ

[説文解字]
[金文]

[字形] 象形
竹の葉に象る。〔説文〕五上に「生の艸なり。象形。下垂する(ほうじやく)なり」とあり、とは竹をいう。字形は竹葉を示すものとみてよい。

[訓義]
1. たけ。
2. たけのふえ、管楽。
3. たけのふだ、竹簡。
4. と通じ、緑竹。

[古辞書の訓]
和名抄〕竹 なり。一に云ふ、に非ず、木に非ずと。多介(たけ) 〔名義抄〕竹 タケ

[部首]
〔説文〕竹部の字は百四十四字、別になど、〔新附〕の五字がある。〔玉〕には五百六字を録する。

[声系]
〔説文〕に・篤・(きく)およびその系列字を竹声の字とするが、必ずしも竹声ではない。たとえば篤は竺(じく)に従い、竺は毒と通用する字で、篤・毒は声義の通ずる字である。

[語系]
竹・tiukは同声。〔釈名、釈楽器〕に「、竹を以て之れを鼓す」とあり、〔太平御覧、五七六〕に引く〔楽書〕に「左手に之れを扼(やく)し、右手に竹尺を以て之れをつ」とその法をいう。の従う竹は、その竹尺であろう。

[熟語]
竹庵・竹椅・竹陰・竹・竹韻・竹院・竹雨・竹影・竹園・竹塢・竹屋・竹芽・竹蓋・竹外・竹閣・竹・竹簡・竹竿・竹間・竹幹・竹関・竹館・竹几・竹簣・竹姫・竹魚・竹巾・竹箘・竹君・竹刑・竹逕・竹径・竹研・竹軒・竹筧・竹工・竹杠・竹香・竹・竹・竹篁・竹光・竹根・竹斎・竹簀・竹冊・竹使・竹枝・竹子・竹矢・竹紙・竹笥・竹寺・竹・竹樹・竹舟・竹筍・竹書・竹梢・竹牀・竹杖・竹色・竹錐・竹青・竹石・竹節・竹笘・竹・竹籤・竹素・竹疎・竹帚・竹荘・竹叢・竹孫・竹蛇・竹胎・竹・竹・竹亭・竹汀・竹釘・竹・竹田・竹奴・竹筒・竹榻・竹刀・竹把・竹坡・竹馬・竹・竹帛・竹柏・竹扉・竹筆・竹符・竹膚・竹風・竹・竹米・竹・竹鞭・竹圃・竹・竹萌・竹報・竹房・竹木・竹卜・竹・竹輿・竹葉・竹絡・竹籃・竹裏・竹籬・竹笠・竹竜・竹梁・竹林・竹・竹露・竹楼・竹籠
[下接語]
花竹・画竹・寒竹・旧竹・竹・孤竹・呉竹・篁竹・細竹・糸竹・弱竹・種竹・秀竹・脩竹・小竹・松竹・湘竹・青竹・筮竹・石竹・疎竹・蒼竹・霜竹・叢竹・孫竹・庭竹・破竹・爆竹・斑竹・美竹・符竹・風竹・匏竹・墨竹・良竹・緑竹・涙竹

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事典・日本の観光資源 「竹」の解説

(福岡県朝倉郡東峰村)
日本の棚田百選」指定の観光名所。

出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報

デジタル大辞泉プラス 「竹」の解説

日本のポピュラー音楽。歌は男性演歌歌手、北島三郎。1997年発売。作詞:野村耕三、作曲:原譲二。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「竹」の解説

竹 (タケ)

植物。イネ科タケササ類で大形の竹の総称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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