コアホウドリ(その他表記)Phoebastria immutabilis; laysan albatross

共同通信ニュース用語解説 「コアホウドリ」の解説

コアホウドリ

日本鳥島にいるアホウドリ近縁種で、翼を広げた大きさは約2メートル。北太平洋の亜熱帯以北の外洋に広く分布し、日本では小笠原諸島少数繁殖する。夏には北海道太平洋岸、冬は本州から四国の太平洋岸などに姿を見せる。環境省は3ランクある絶滅危惧種うち2番目にリスクが高い「絶滅危惧ⅠB類」としている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コアホウドリ」の意味・わかりやすい解説

コアホウドリ
Phoebastria immutabilis; laysan albatross

ミズナギドリ目アホウドリ科。アホウドリよりやや小さく,クロアシアホウドリとほぼ同大で,全長 79~81cm,翼開張 2m。上面と尾の先端は黒褐色,眼先に小さな黒褐色斑があり,体のほかの部分は白色だが,翼の下面の縁は黒い。肌色で先が青灰色,脚も肌色である。ほとんどがハワイ諸島ミッドウェー諸島レイサン島で繁殖し,その近辺で暮らしているが,繁殖地を離れた鳥はベーリング海アラスカ湾アリューシャン列島周辺の海域で過ごす。メキシコでも少数が繁殖し,日本でも近年,小笠原諸島聟島列島で少数の繁殖が確かめられた。日本の沿岸海域にはほとんど姿を見せないが,本州から北海道の太平洋の沖合い海域では,時期によって普通に見られることもある。長い翼を広げて海面近くを滑空し,おもにイカ類を捕食するほか,魚類や甲殻類もとる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「コアホウドリ」の意味・わかりやすい解説

コアホウドリ
こあほうどり / 小信天翁
Laysan albatross
[学] Phoebastria immutabilis

鳥綱ミズナギドリ目アホウドリ科の海鳥。全長81センチメートル、翼開長2.03メートルに達する大形外洋性の種であるが、北太平洋産3種のアホウドリのうちもっとも小形で、数はもっとも多い。ハワイ諸島に多産し、日本では小笠原(おがさわら)諸島北部で少数繁殖している。

[長谷川博]

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世界大百科事典(旧版)内のコアホウドリの言及

【アホウドリ(信天翁)】より

…熱帯ガラパゴス諸島フッド島とエクアドル沖ラ・プラタ島には,熱帯海域に一年中生息する唯一のアホウドリであるガラパゴスアホウドリD.irrorataが繁殖するが,大西洋には繁殖するものがいない。北太平洋には3種いて,もっとも数が多いのはハワイ諸島に多産するコアホウドリD.immutabilisである。クロアシアホウドリD.nigripesは次に多く,ハワイ諸島のほか伊豆諸島の鳥島,小笠原諸島の聟島列島,尖閣諸島でも繁殖する。…

※「コアホウドリ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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