コッタ(英語表記)Heinrich von Cotta

改訂新版 世界大百科事典 「コッタ」の意味・わかりやすい解説

コッタ
Heinrich von Cotta
生没年:1763-1844

ドイツの林学者。イェーナ大卒。1810年ターラント林学専門学校長。森林は木材生産に役立つのみならず,防風,防暑防砂,防雪の保護作用や気候緩和の効用のあることを説き,森林の経営はこの点を考えて行うのがたいせつであるとした。最小経費で最大の保続的木材生産を得るように計画するとともに,森林が社会に与える影響に注目し,どうすれば人間社会に最も有益となるかの視点から森林経営の在り方を考えることを主張した。当時支配的だった,林業は最大の材積収穫と収入を得ることにあるとする考え方とは,まったく異なる見解を明らかにしたわけである。ザクセン国有林で,森林の植林伐採を科学的に行い資源の永続的利用を可能にする保続林業方式を実践し,ドイツ林業を世界の範たらしめた。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コッタ」の意味・わかりやすい解説

コッタ
Cotta, Marcus Aurelius

前1世紀頃のローマ軍人。 G.A.コッタの弟。ビチュニアでミトラダテス6世と戦い,一時捕虜となって L.ルクルスに救出されたが,のちにはヘラクレアを攻略。前 74年執政官 (コンスル ) 。のち捕獲品を国庫に入れたにもかかわらず,公金横領のかどで処刑された。

コッタ
Cotta, Gaius Aurelius

前1世紀頃のローマの政治家詩人。リウィウス・ドルスス,スルピキウス・ルフス,リキニウス・クラッススらと野心的な若いパトリキ (貴族) のグループをつくる。一時追放されたが,L.スラとともに帰還。前 75年執政官 (コンスル ) 。民衆には不評を買った。のちにガリア・キサルピナを統治した。

コッタ
Cotta, Lucius Aurelius

前1世紀頃のローマの政治家。前 70年法務官 (プラエトル ) ,前 65年執政官 (コンスル ) 。ユリウス・カエサル親族だが,M.キケロをも支持し,内乱時には中立を保った。前 44年にはカエサルをイタリア以外で王と呼ぶ立法決定に参画した。

コッタ
Cotta

ドイツの出版社 Cotta'sche Buchhandlungのこと。 1659年テュービンゲンで創立。特に J. F.コッタ (1764~1832) は古典主義の作家ゲーテ,シラー,ヘルダーらの作品の出版で有名。

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367日誕生日大事典 「コッタ」の解説

コッタ

生年月日:1763年10月30日
ドイツの林学者
1844年没

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