コットンベルト(英語表記)Cotton Belt

翻訳|Cotton Belt

精選版 日本国語大辞典 「コットンベルト」の意味・読み・例文・類語

コットン‐ベルト

  1. ( Cotton Belt ) アメリカ合衆国南部綿花栽培を主とする農業地帯。一八世紀後半から黒人労働力を使用した大農場経営によりミシシッピ、アラバマ両州を中心とする南部に発達した。

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改訂新版 世界大百科事典 「コットンベルト」の意味・わかりやすい解説

コットン・ベルト
Cotton Belt

アメリカ合衆国南部にひろがる綿花栽培の盛んなベルト状の地域。ミシシッピ,アラバマ両州を中心にルイジアナ,ジョージア,サウス・カロライナの諸州にまたがる地帯は,綿花栽培に適した海岸平野の砂質ロームと年無霜日数200日以上,秋の収穫期の降水量250mm以下,年降水量450mm以上という自然条件を備えていた。さらに,プランテーションの豊富な黒人奴隷労働力を用い,開拓初期以来,綿花生産地域として発展,E.ホイットニーの綿繰機発明も手伝って,1830-60年には〈綿花王国Cotton Kingdom〉とも呼ばれた。綿花王国は民主党を通じて,州権論や低関税政策の強い主張者となり,工業化の進みつつあった東北部と対立両者軋轢(あつれき)は南北戦争をひきおこし,南部の敗北は綿花王国の終焉をもたらした。南北戦争後の奴隷解放は従来のプランテーション経営を困難にし,綿花栽培は小規模な生産形態をとるようになる。20世紀に入ると,品種改良,灌漑施設の充実,1930年代以降の綿摘機の普及などにより,より乾燥した西部でも栽培が可能となり,現在ではテキサス州(全米1位,1980),カリフォルニア州(2位)に中心が移っている。
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百科事典マイペディア 「コットンベルト」の意味・わかりやすい解説

コットン・ベルト

綿花地帯とも。米国南部のミシシッピ,アラバマ両州を中心とするメキシコ湾岸海岸平野に広がる世界最大の綿花栽培地帯。東西約2500km,南北200〜800km,気候条件に恵まれ,かつては世界総産額の半ばを産出。19世紀にプランテーションの黒人奴隷労働力と綿繰機の普及で発展。第2次大戦後はやや衰退に向かい,テキサスその他西部の諸州などにも栽培が広がっている。
→関連項目アトランタアメリカ合衆国ミシシッピ[州]

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