コレー

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

コレー

ペルセフォネ」のページをご覧ください。

コレー
korē

「少女」を意味するギリシア語。美術史ではギリシア・アルカイック期の少女立像をさす。前 650~480年頃に数多くのコレーが制作された。同じアルカイック期のクーロスは裸体で表現されたが,コレーはほとんど着衣の姿で表わされ,その身に着けたキトンやペプロスヒマティオン (外衣) などの衣文とさまざまな形に編んだ頭髪の表現が重要なモチーフで,豊かな彩色が施されていた。最もよく知られているのは,『アクロポリスのコレー』の名で総称されるアテネのアクロポリスで発掘されたほぼ 20体のコレーである。なかでも有名なのは,ほかのコレーがすべてイオニア風のキトンの上にヒマティオンをまとっているのに対して,ただ1体だけドーリス風のペプロスを身に着けた『ペプロス・コレー』 (前 540頃,アテネ国立考古学博物館) である。またひだの多いイオニア風の衣を着けた『キオスのコレー』 (前 510頃) は,最も彩色のよく残っている像で,その作風もイオニア風をよく示している。

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百科事典マイペディアの解説

コレー

ギリシア語で〈少女〉〈娘〉の意味。複数形はコライkorai。ギリシア美術史ではアルカイク期(前650年―前500年)に作られた女性着衣像を指す。初期には両足をそろえ,後には左足をわずかに前に出すが,いずれも正面を向いて直立した姿が特徴。衣文の表現が主要なモティーフ。デメテルの娘ペルセフォネも一般にコレーと呼ばれる。→クーロス

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世界大百科事典 第2版の解説

コレー【korē】

ギリシア語で〈少女〉〈娘〉の意。複数形はコライkorai。ギリシア美術史では,とくにアルカイク期(前650‐前500)につくられた一連の女性着衣像をいう。クーロスの場合ほど型(タイプ)は同一ではないが,それでも初めは両足をそろえ,後には左足をわずかに前に出して,正面性を保って直立していることを特徴としている。ギリシア各地に出土しているが,アテネのアクロポリスで発見された一群のコライが有名である。なお,デメテルの娘ペルセフォネもコレーと呼ばれる。

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大辞林 第三版の解説

コレー【korē】

古代ギリシャのアルカイック期(前650~前500)につくられた若い女性の彫像。

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世界大百科事典内のコレーの言及

【アルカイク美術】より

…ルーブルの有名な《オーセールの婦人像》は,平板な形態把握,逆三角形の頭部,狭い額,水平線を強調した頭髪の処理などに特徴があり,アルカイク彫刻で最も古い〈ダイダロス様式〉を代表している。アルカイク時代に奉納像,墓像として多く作られたのは直立する裸体の青年像(クーロス)と着衣の少女像(コレー)である。前者は左脚を少し前に出し,後者は両脚をそろえているが,いずれも体重は両脚に均等にかかり,そのため両肩,腰は水平をなし,身体の中央を通る垂直線を中心に彫像は左右相称的な均整を保っている。…

【ギリシア美術】より

…同様にオリエント,とくにエジプトの影響によって,前7世紀中ごろには,初めて大型の石造彫刻が成立する。前600年ころからは,直立裸体のクーロス(青年)像や着衣のコレー(少女)像が,奉納像や墓像として数多く作られた。初期の彫刻の姿はまだきわめて幼稚・素朴であるが,前6世紀を通じて芸術家の写実的関心は驚くべき速度で高まり,アルカイク後期の作品は非常に正確で有機的に構成された人体表現を示している。…

【ペルセフォネ】より

…このため母神が娘の行方をたずねて世界中をさまよううち,地上に五穀が実らなくなったので,ゼウスの仲介により,彼女は春から秋までは天上で母神と,残りは地下で暮らすという条件で,冥府の女王になったという。彼女は一般にコレー(〈娘〉の意)と呼ばれ,デメテルとともにエレウシスを筆頭とするギリシア各地の秘教の二大女神であった。ローマ神話では,彼女の名がエトルリア語を経由して入ったため,プロセルピナProserpinaとなっている。…

※「コレー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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