アメリカの詩人。1月6日、中西部のイリノイ州に貧しい移民の子として生まれ、さまざまな職業についた。シカゴに移住して同地の『デーリー・ニューズ』紙の編集委員となり、V・リンゼーやE・L・マスターズら中西部出身の詩人たちと交流。新興都市のたくましい姿を歌い上げた自由詩「シカゴ」を含む『シカゴ詩集』(1916)によって、一躍、中西部を代表する詩人と認められた。その後、相次いで『煙と鋼鉄』(1920)、『おはよう、アメリカ』(1928)、『然(しか)り、民衆』(1936)などを出し、『全詩集』(1950)でピュリッツァー賞を受ける。都会の風景を庶民的語り口で大胆に歌い込むスタイルは、ホイットマンに通じる。政治信念でもホイットマンに倣ってリンカーンに傾倒し、『リンカーン伝』4巻(1939)によってピュリッツァー賞を受ける。またアメリカ各地を回ってフォーク・ソングを集め、その普及にも努めた。『アメリカの唄(うた)ぶくろ』(1927)とその『続編』(1950)の2冊のアンソロジーがある。黒人詩人L・ヒューズは彼の影響で民謡調の詩を手がけるようになった。1967年7月22日死去。
[新倉俊一]
『安藤一郎他訳『ディキンソン、フロスト、サンドバーグ詩集』(1968・新潮社)』
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アメリカの詩人。貧しいスウェーデン系移民の子としてイリノイ州ゲールズバーグに生まれ,早くから労務者として中西部を放浪し,米西戦争に従軍。苦学して故郷の大学を卒業したのちジャーナリストとなり,社会主義者として政治にも関与した。のちシカゴに移住,《ポエトリー》誌に認められて,E.L.マスターズ,N.V.リンゼーと並んで〈シカゴ・グループ〉の一翼を担う詩人として広い人気と名声を得た。《シカゴ詩集》(1916),《然り,民衆》(1936)などに収められた詩は,アメリカ民衆のもつ粗野な活力と純朴な優しさへの信頼を,ホイットマンの流れを汲む自由な詩形とはつらつとしたアメリカ口語でうたう。アメリカ精神をうたい上げる野心的な《リンカン伝》6巻(1926-39),アメリカ民謡の収集において先駆的な役割を果たした《アメリカ唱歌集》(1927)のほかに自伝,童話などが知られている。
執筆者:川本 皓嗣
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…55年には,10本の鉄道幹線と11本の支線が集まる鉄道網の中心であり,日に96本の列車が発着した。かくして,詩人C.サンドバーグにより〈世界の豚屠殺者,機具製造者,小麦の積上げ手,鉄道の賭博師,全国の貨物取扱い人〉とのちにうたわれたシカゴの基礎は,19世紀中葉に築かれたのである。1850年には人口約3万,数年後には6万に達したといわれる。…
…構造と外観の一体表現,上下連続させた細身の柱と幅広い窓による重量感の軽減そして垂直上昇感の強調,伝統様式を離れた自由なデザインなど,合理的な解決を示す例に,タコマ・ビル(1889,ホラバード,ローシェ),ライター・ビル(1890,W.ジェニー),リライアンス・ビル(1894,バーナム,ルート)がある。なお,詩人サンドバーグは《シカゴ詩集》の中の一編〈スカイスクレーパー〉で,高層ビルの一日を描いている。一方,20世紀初頭のニューヨークでは,頂上に尖塔をのせ,随所に装飾を施した折衷様式の高層建築が流行し,シカゴの箱型建築と対比をなした。…
※「サンドバーグ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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