シェーファー(英語表記)Shaffer, Sir Peter

デジタル大辞泉 「シェーファー」の意味・読み・例文・類語

シェーファー(Peter Levin Shaffer)

[1926~2016]英国の劇作家。数多くの人気作を発表し、「エクウス」で米国トニー賞を受賞。モーツァルトサリエリを描いた「アマデウス」で再びトニー賞を受賞すると、同作の映画化に際しても脚本を担当し、米国アカデミー賞の脚本賞を受賞した。シャファー。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シェーファー」の意味・わかりやすい解説

シェーファー
Shaffer, Sir Peter

[生]1926.5.15. イギリス,ロンドン
[没]2016.6.6. アイルランド,カラヒーン
イギリスの劇作家。フルネーム Sir Levin Peter Shaffer。ファルスと呼ばれる喜劇から人間の苦悩を描く作品までを手がけた。セント・ポール校,次いでケンブリッジ大学トリニティ・カレッジで教育を受けた。初めは音楽出版社などに勤務,のち書評家として活動。中産階級の生活を描いた戯曲『五指練習』Five Finger Exercise(1958。1960上演)によって劇作家として認められ,その後,スペインのインカ帝国侵略を題材とした叙事詩的戯曲『太陽の国の征服』The Royal Hunt of the Sun(1964),だんまりの手法を取り入れブラック・ユーモアをもってイギリス現代風俗を描いた『ブラック・コメディ』Black Comedy(1965),ウマのなかに神を見る少年の異常な行動と少年を治療する精神科医の動揺を描いた『エクウス』Equus(1973。1977映画化)など多彩な作品を発表。ウォルフガング・アマデウス・モーツァルトとアントニオ・サリエリの確執を描いた『アマデウス』Amadeus(1979。1984映画化)は,批評家からの評価と興行成績の両面で成功を収めた。後期には,聖書に基づく叙事詩的作品 "Yonadab"(1985),"Lettice and Lovage"(1987),"The Gift of the Gorgon"(1992)などの作がある。2001年ナイトの称号を受けた。双子の兄アンソニーも推理劇『探偵スルース』Sleuth(1970)などで知られる劇作家であり,兄弟の合作による著書もある。

シェーファー
Schäfer, Dietrich

[生]1845.5.16. ブレーメン
[没]1929.1.12. ベルリン
ドイツの歴史家。 H.トライチュケの門下で国家主義的な立場をとり,F.マイネッケらと対立した。イェナ (1877) ,ブレスラウ (85) ,テュービンゲン (88) ,ハイデルベルク (96) ,ベルリン (1903~21) などの各大学教授を歴任。主著『近世の世界史』 Weltgeschicte der Neuzeit (2巻,1907) ,『ドイツ史』 Deutsche Geschichte (2巻,10) は多くの版を重ね,第1次世界大戦の前夜から戦時中にかけてナショナリズムを鼓吹するのに力があった。

シェーファー
Schafer, Murray

[生]1933.7.18. サーニア
カナダの作曲家。トロント王立音楽院を経てトロント大学音楽部卒業。作曲を J.ウェインツウェイグに師事,また社会学者 M.マクルーハンの影響を受けた。その後,J.ケージの思想の流れを受けてサウンドスケープを提唱,1972年サイモン・フレーザー大学創立時に,音環境を組織的に調査研究する「世界サウンドスケープ・プロジェクト」を設立。代表作に,水上で演じられるオペラ『星の王女』 (1981) など,著書に『教室の犀』 (1975) ,『世界の調律』 (77) などがある。

シェーファー
Schäfer, Wilhelm

[生]1868.1.20. ヘッセン,オットラウ
[没]1952.1.19. ユーバーリンゲン
ドイツの作家。貧農の生れで,教師を経て文筆生活に入る。 J.P.ヘーベルの影響を受けた『逸話集』 Anekdoten (第1巻 1907,全集 43) で知られる。その他『ドイツの魂の 13の書』 Die dreizehn Bücher der deutschen Seele (22) ,ペスタロッチツウィングリを扱った小説がある。

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百科事典マイペディア 「シェーファー」の意味・わかりやすい解説

シェーファー

カナダの作曲家,音楽教育者,著述家。オンタリオ州サーニアに生まれ,少年時代は画家を志す。1960年代後半,人間と音環境との調和をめざす〈サウンドスケープ(音の風景)〉を提唱し,既成の〈環境音楽〉のあり方を批判。自国の都市や村々,ヨーロッパ各国で調査を進め,カセットテープ付きの本が反響を呼ぶ。主著《世界の調律》(1977年)などを出版する一方,音楽教育の刷新にも力を注いだ。児童合唱のための《ミニワンカ》(1971年),舞台作品《パーティ・ガールのためのレクイエム》(1972年),海面の運動と響きにもとづく《弦楽四重奏曲第2番・波》,ノバーリスの詩によるソプラノとオーケストラ,テープのための《夜の讃歌》(ともに1976年)などの初期作品のほか,シアター・ピース的な要素を盛り込んだ管弦楽曲,野外オペラが知られる。武満徹,フランスの作曲家T.ミュライユ〔1947-〕との共作,交響的三部作《京都》(1985年,京都で初演)も話題を呼んだ。
→関連項目バックグラウンド・ミュージック

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「シェーファー」の意味・わかりやすい解説

シェーファー
しぇーふぁー
Wilhelm Schäfer
(1868―1952)

ドイツの作家。ヘッセンのオットラウ生まれ。民族主義的傾向をもった「郷土芸術」の担い手の一人。1896年まで小学校教師を勤めたのち、1900年に雑誌『ライン諸州』(~1923)を発行。教育者、プロテスタントとしての自覚から、ドイツ主義的信条のもとに、自然と郷土・歴史に根ざす逸話や小説、戯曲を書いた。代表作『ドイツの魂の13の書』(1922)は、古代ゲルマンの神話から第一次世界大戦に至るドイツ民族の内なる歴史を描き、民族共同体的な理念を鼓舞して「血と地」の文学の一翼を担った。41年ゲーテ賞受賞。ほかに多くの逸話集やペスタロッチをモデルにした小説『ある博愛主義者の生涯』(1916)などがある。

[谷川道子]

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367日誕生日大事典 「シェーファー」の解説

シェーファー

生年月日:1926年5月16日
イギリスの劇作家
2001年没

シェーファー

生年月日:1845年5月16日
ドイツの歴史家
1929年没

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