シンプロン峠(読み)シンプロントウゲ(英語表記)Simplon Pass

デジタル大辞泉 「シンプロン峠」の意味・読み・例文・類語

シンプロン‐とうげ〔‐たうげ〕【シンプロン峠】

Simplon Passスイス南部にあるアルプス越えの峠。標高2005メートル。ナポレオン拡張。下を通るシンプロン第2トンネルは長さ約20キロ。サンプロン。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シンプロン峠」の意味・わかりやすい解説

シンプロン峠
シンプロンとうげ
Simplon Pass

スイス南部バレー州イタリア北西部ピエモンテ州の間の国境にあって,ローヌ川支流,トーチェ川支流の分水嶺をまたぐ峠。イタリア語ではセンピオーネ峠 Passo del Sempione。アルプペニンとアルピレポンティネの間にある。標高 2006m。スイスとイタリアを結ぶ道路として 13世紀中頃から知られるようになったが,ナポレオン1世が 1800~07年に馬車道を建設してから,ヨーロッパ中部と南部とを結ぶ重要な交通路の一つとなった。鉄道は峠よりも 5kmほど東,モンテレオーネの下をアルプス最長のシンプロン・トンネル (1898~1921建設,全長 1万9823m) で抜け,スイス側ブリークとイタリア側イゼッレを結ぶ。峠は普通毎年 10月中旬から翌年 4月上旬まで閉鎖され,その間自動車はトンネル内を鉄道で運搬される。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「シンプロン峠」の意味・わかりやすい解説

シンプロン峠
しんぷろんとうげ
Simplon Pass

スイス南部にあるアルプス越えの峠。標高2005メートル。冬季積雪の多い時期を除き、ほぼ通年通行可能である。峠の南にある村シンプロンが名の由来。ローヌ渓谷のブリーク(678メートル)と北イタリアドモドッソラ(270メートル)を結ぶ。古くローマ時代から利用されたが、1800~05年にナポレオンにより軍用道路として拡張された。1808年から郵便馬車による定期交通便が開かれ、1919年以来自動車交通が行われている。2本の単線鉄道トンネルが峠の下を貫通し、西ヨーロッパと北イタリアとを結んでいる。

[前島郁雄]

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改訂新版 世界大百科事典 「シンプロン峠」の意味・わかりやすい解説

シンプロン[峠]
Simplonpass

スイス南部にある峠。西のペナイン・アルプス,東のレポンティン・アルプスの接点に位置し,標高2005m。イタリア語ではセンピオーネと呼ぶ。1800-07年ナポレオン1世が古い峠道を馬車道として整備して以来,アルプス越えの交通路として一躍重要性を増した。現在ヨーロッパ・ルート2号線が通じ,1906年開通の鉄道トンネルの入口出口にあたるスイスのブリークとイタリアのイゼーレを結んでいる。
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世界大百科事典(旧版)内のシンプロン峠の言及

【ドモドッソラ】より

…アルプスのいくつかの谷の合流する標高272mの盆地にあり,その起源はローマ時代にさかのぼる。1906年,付近のスイス・イタリア国境のシンプロン峠を貫通する鉄道トンネルの完成により,ヨーロッパ交通上重要な地点を占めることになり,人口も増加した。化学,金属,機械などの工業が立地している。…

※「シンプロン峠」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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