トンネルを作る工法の一つ。シールドshield(本来は盾の意)と呼ばれる,トンネル外径大で全体が薄い鋼板で覆われた長さ4~7mほどの円筒状の機械を立坑などで地中に降ろし,その中で掘削しつつシールドをジャッキで推進させ,セグメント(鉄またはコンクリート製ブロック)を用いて覆工し,トンネルを築造するものである。湧水を防ぐために,圧縮空気を送り込むことにより(圧気シールドという),軟弱悪質な地盤や帯水地盤での掘削に威力を発揮する。1818年イギリスのM.I.ブルネルによって考案され,25年,ロンドンのテムズ河底トンネルに使用されたのが最初である。当初用いられたものは断面が長方形(高さ6.5m,幅10.8m)で,その後,円形に改良されたが圧気を併用しなかったため,出水で工事は難航し,トンネルが完成したのは43年であった。日本では羽越線の折渡トンネルおよび丹那トンネルで試みたが途中で中止している。本格的に採用されたのは,関門鉄道トンネルが最初で,1936年に直径7mの圧気シールドを使用しており,この成功により日本のシールド技術が確立された。
執筆者:岩田 敏雄
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トンネル建設工法の一種。シールドと称する鋼製の筒または枠を地中に押し込みながらトンネルを構築する工法をいう。地下鉄、上下水道、共同溝、洞道などの都市内におけるトンネル工事に広く用いられている。
[河野 彰・清水 仁・鴫谷 孝]
…前者は開削工法(カットアンドカバー工法またはオープンカット工法ともいう)が最も一般的で,ほかにケーソン工法などもこれに属する。水平掘進方式はシールド工法と山岳トンネル工法とがその代表的なものである。開削工法は地表面から掘り下げていってその中にトンネルを築造した後,再び土を埋め戻す工法で,一般には道路下での工事となるため,掘削部両側に土留めを行い,これを基礎に道路面に仮の床版を張って工事を進める方法がとられている。…
…誤差を極少に止めるため,測量はトンネル工事中繰り返し行われる。
[シールド工法]
シールド工法とは,鋼製筒状の外殻(いわゆるシールド=盾の意)とその中に組み付けた油圧ジャッキをもったシールドマシンを用い,外側からの土圧は外殻で支持し,ジャッキでセグメント(一次覆工)を押して反力で外殻を前進させて掘進していくものである。地質が軟弱な場合,すなわち都市内の地下鉄や下水道の工事など,沖積層や砂れきなどの地質に用いられるが,山岳トンネルでも断層や砂,粘土層などの突破の際に採用されることがある。…
※「シールド工法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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