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ジェロムスキ Zeromski, Stefan

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ジェロムスキ
Zeromski, Stefan

[生]1864.11.1. ストラフチン
[没]1925.11.20. ワルシャワ
ポーランドの小説家。没落した小貴族の家に生れ,貧困のうちに子供時代を過したが,1880年代末から小説を書き,20世紀前半のポーランド最大の作家の一人となった。しばしば社会悪の問題に取組んだ彼の小説の主人公は,人間の冷淡さ,愚かさの壁に立向っては挫折する理想主義者が多い。代表作『灰』 Popioły (1904) は,ナポレオン戦争が始るまでの社会的背景のなかでの人々の生活と,独立のための戦いを,抒情的な文体で描いたもの。『シーシュポスの仕事』 Syzyfowe prace (1898) ,『家なき人々』 Ludzie bezdomni (1900) のほか,戯曲もある。

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百科事典マイペディアの解説

ジェロムスキ

ポーランドの作家。20世紀初頭の新写実主義を代表する巨匠で,《家なき人びと》(1900年),《早春》(1925年)など多くの小説・戯曲のうちに,切実な社会的政治的問題をとりあげて追求,時代の良心と呼ばれた。

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世界大百科事典 第2版の解説

ジェロムスキ【Stefan Żeromski】

1864‐1925
ポーランドのモダニズム運動〈若きポーランド〉期の代表的作家。没落貴族の子として当時のロシア領キエルツェに生まれた。《われらをついばむカラスたち》(1895)など初期の作品には,社会問題を中心的テーマとするなどリアリズムの影響がかなり強く残るが,その繊細な抒情性をもった文体の新しさと作品を貫く極度のペシミズムとが人々を驚かせた。ロシア化政策下のギムナジウム体験をもとにした《シシフォスの労働》(1898)で民族の悲運をテーマとして以来,社会的・民族的解放者像を描き続けたが,それは1863年の一月蜂起の戦場となったキエルツェに生まれ,独立運動の伝統が生き続ける一族のなかで育ったことと無関係ではない。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ジェロムスキ
じぇろむすき
Stefan eromski
(1864―1925)

ポーランドの小説家。没落した小貴族の家庭に生まれ、貧困のうちに幼年時代を送った。1880年代末から小説を書くが、初期よりポーランド農村の社会的葛藤(かっとう)を描き、批判的リアリズムを継承する大作家となり、叙情的な文体でポーランド小説の芸術性を高めた。1924年ノーベル文学賞候補となる。代表作『家なき人々』(1900)、長編『灰』(1904)、『早春』(1924)など。[吉上昭三]

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