ジスカールデスタン(読み)じすかーるですたん(英語表記)Valéry Giscard d'Estaing

デジタル大辞泉 「ジスカールデスタン」の意味・読み・例文・類語

ジスカール‐デスタン(Valéry Giscard d'Estaing)

[1926~2020]フランス政治家。第20代大統領ポンピドゥーの急死後、大統領に就任。在任1974~1981。サミットを提唱し、1975年に第1回をランブイエで開催した。大統領退任後、欧州将来像協議会議長などを歴任。2020年、COVID-19により死去。→ミッテラン

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジスカールデスタン」の意味・わかりやすい解説

ジスカール・デスタン
じすかーるですたん
Valéry Giscard d'Estaing
(1926―2020)

フランスの政治家。ブルボン王家にさかのぼる名家の出身。理工科大学校(エコール・ポリテクニク)、ついで国立行政学院に学び財務省に入省。1956年下院議員に選ばれ、1962年院内に独立共和派を創設しドゴールのアルジェリア放棄政策を支持した。同年財務相となり1966年まで留任。その後はドゴールの反アングロ・サクソン主義を批判し、体制と距離を保った。1969年ポンピドーの大統領選出に尽力してふたたび財務相に就任。1974年ポンピドーの急死後、左翼連合候補ミッテランを僅差(きんさ)で破り大統領となった。翌1975年11月には、第1回先進国首脳会議サミット)をフランス・ランブイエで開催。7年間の任期(1974~1981)は、選挙年齢の18歳への引き下げ、堕胎離婚自由化、女性問題省設置などの進歩的中道政策の追求と、失業とインフレの二重苦克服の失敗の明暗二面を含み、1978年の新与党フランス民主連合UDF)創設にもかかわらず、長期政権の腐敗と不人気もあずかり、1981年の大統領選挙でミッテランに再選を阻まれた。1988~1996年UDF議長。その後ヨーロッパ連合(EU)諮問会議議長。2003年からアカデミー・フランセーズ会員。

[平瀬徹也]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジスカールデスタン」の意味・わかりやすい解説

ジスカールデスタン
Giscard d'Estaing, Valéry

[生]1926.2.2. ドイツ,ラインラントファルツ,コブレンツ
[没]2020.12.2. フランス,ロアールエシェール
フランスの政治家。第五共和政第3代大統領(1974~81)。エコール・ポリテクニク,エコール・ナシオナル・ダドミニストラシオン ENAを卒業。1952年財務省入り。1954年ピュイドドーム県収入役。1956年下院議員。1959~62年財務省次官。1962~66,1969~74年財務大臣。1974年5月に大統領選挙に立候補し,50.8%(第2次投票)で当選した。テクノクラート中心の内閣を組織,政治的には中道左派路線を志向したためドゴール派(→共和国連合)と対立。1978年3月の議会選挙ではみずから率いる共和党を中心に,非ドゴール,非左翼の中道各党を糾合しフランス民主連合 UDFを組織,党首に就任したが,社会党,共産党を中心とする野党,与党連合内ではジャック・シラク党首の共和国連合攻勢を受け,議席減少の憂き目をみた。1981年5月の大統領選挙でフランソア・ミッテランに敗れた。その後も国会議員として右派政党の結束に務め,1989~93年ヨーロッパ議会議員,2002年2月にはヨーロッパ連合 EUのヨーロッパ憲法制定に向けた「ヨーロッパの将来に関する協議会」(EU協議会)議長に選ばれた。2003年アカデミー・フランセーズ会員。

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百科事典マイペディア 「ジスカールデスタン」の意味・わかりやすい解説

ジスカール・デスタン

フランスの政治家。1956年下院議員,1962年ド・ゴール大統領のもとで蔵相,1969年―1974年ポンピドゥー大統領のもとで蔵相。1974年大統領に就任,経済再建に業績を残す。1981年大統領選でミッテランに敗れ,下野。
→関連項目国立行政学院シラク第五共和政フランス

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ジスカールデスタン」の解説

ジスカールデスタン
Valéry Giscard d'Estaing

1926~

フランスの中道右派の政治家。1962~66年に蔵相,1974~81年に大統領となり,ド・ゴール派と一線を画し,妊娠中絶の合法化や離婚の自由化などの改革を行う。先進国首脳会議を提唱し,英米やアラブ世界との協調に努めるが,経済で失敗。

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