ジョルダン(英語表記)Camille Jordan

精選版 日本国語大辞典 「ジョルダン」の意味・読み・例文・類語

ジョルダン

(Camille Jordan カミーユ━) フランス数学者位相数学の祖、群論開拓者。理工科大学校で数学を教授するかたわら、数学雑誌を編集著書に「置換論」「解析学教程」がある。(一八三八‐一九二二

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改訂新版 世界大百科事典 「ジョルダン」の意味・わかりやすい解説

ジョルダン
Camille Jordan
生没年:1838-1922

フランスの数学者。裕福な家庭に育ち,彼の父と同じくエコール・ポリテクニクを卒業して技師となり,1885年まで名義上は技師であった。その間十分な余暇を数学の研究に当て,この期間中に彼の120編の論文の大部分を書いた。1873年からは1912年の退職まで母校とコレージュ・ド・フランスの両方で数学を講義した。現代数学の初等的分野に,ジョルダン曲線ジョルダン測度,ジョルダンの標準型,ジョルダン代数など,彼の名を冠して呼ばれる概念定理が多いが,これは彼が現代数学の形成期に大きく寄与したことを物語っている。例えば,彼の著書《置換論》(1870)はガロア理論の普及と有限群論の体系化に対し,また,著書《解析教程》(第3版,1909-15)は解析学の基礎概念の明確化に対し大きく貢献したのである。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジョルダン」の意味・わかりやすい解説

ジョルダン
Jordan, Camille

[生]1838.1.5. リヨン
[没]1922.1.20. ミラノ
フランスの数学者。 1855年エコール・ポリテクニク入学,73年まで技術者の仕事につく。 73年から 1912年に退職するまで,エコール・ポリテクニクとコレージュ・ド・フランスで教える。 1881年科学アカデミー会員に選ばれる。業績の第1は,ガロアの理論の重要性を最初に世に知らせたことで,『置換と代数方程式』 (1870) は,ガロアの研究した置換群とそれの代数方程式への応用を包括的に扱ったものである。もう1つの重要な業績は,その講義と研究をまとめた『解析学教程』 (3巻) の出版で,この本は長期間にわたって広範囲の人々に標準的テキストとして読まれた。彼はまた 87年に「単純閉曲線は平面を2つの部分に分ける」ことを証明,20世紀のトポロジーの発展にも貢献した。この定理は,直観的には自明にみえるが,証明はかなり複雑である。

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百科事典マイペディア 「ジョルダン」の意味・わかりやすい解説

ジョルダン

フランスの数学者。1876年エコール・ポリテクニク,1883年コレージュ・ド・フランス各教授。置換群を研究して群論を発展させ,有界変動関数の概念により実変数関数論に貢献,位相幾何学ではジョルダン曲線(単一閉曲線)の概念を確立した。

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日本の企業がわかる事典2014-2015 「ジョルダン」の解説

ジョルダン

正式社名「ジョルダン株式会社」。英文社名「Jorudan Co., Ltd.」。情報・通信業。昭和54年(1979)「株式会社ジョルダン情報サービス」設立。平成元年(1989)現在の社名に変更。本社は東京都新宿区新宿。ソフトウェア開発会社。鉄道経路検索ソフト「乗換案内」が主力。携帯電話向けゲームコンテンツなどの提供も行う。JASDAQ上場。証券コード3710。

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367日誕生日大事典 「ジョルダン」の解説

ジョルダン

生年月日:1852年9月5日
イギリスの外交官
1925年没

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世界大百科事典(旧版)内のジョルダンの言及

【幾何学】より

…トポロジーということばも,リスティングJ.B.Listing(1808‐82)が1847年に書いた小冊子の表題として初めて文献に現れた。曲面はこれらの人たちに続いて,C.ジョルダン,シュレーフリL.Schläfli(1814‐95),ディックW.F.A.von Dyck(1856‐1934)らによっても研究され,19世紀末葉には閉曲面の同相による分類が完成した。曲線については,〈自分自身と交わらない閉曲線が平面上にあるとき,それは平面を内と外の二つの領域に分かつ〉というジョルダンの定理が証明され(1893),また正方形の内部をうめつくす連続曲線がG.ペアノによって発見されて(1890),曲線や次元の定義が問題となった。…

※「ジョルダン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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