翻訳|screen
映写幕の意。白布,白壁,白色塗料面などがあり,材質は現在はビニル系がふつうだが,それ以前にはキャンバスに白色塗料(酸化マグネシウム)を塗って使用した。アルミと青銅の粉末を油性塗料に混ぜて塗布し,反射効率をよくしたシルバー・スクリーンもサイレント時代から用いられ,〈銀幕〉はその訳語である。これは,画面の明るさ,いわゆる〈ヌケ〉をよくするため,とくに大劇場で使用されるが,スクリーンの近くで斜めから見ると暗くなるのが欠点である。ほかにビーズ・スクリーン(布地の表面にガラス粒を塗布したもの),ミラー・スクリーンなどもあるが,主として16mmフィルムを明るい場所で映写するときに用いる小型のものである。ほかに背面映写用の透過式スクリーンとして,白布,スリガラス,半透明ニカワ質膜などが用いられる。トーキー時代に入ってからは,背後のスピーカーの音を通りやすくするため,直径1mm程度の穴を,約5mm間隔であけたサウンド・スクリーンを使用するのがふつうだが,このため明るさが5~8%程度失われる。
1940年代までの映画館は,縦横の比率が1対1.33のスタンダードのスクリーンを設置すればこと足りた。しかし50年代に入って,テレビへの対抗策としてさまざまなワイド・スクリーン映画が競作され始めたため,正面いっぱいに大スクリーンを設置し,左右および上部のスクリーン・マスクを作動させて,1.33のスタンダードから1.66~1.85の,いわゆるビスタビジョンサイズ,2.35のシネスコサイズ,さらに最大限の70mm映画(比率はトッドAOとテクニラマが2.13,MGMカメラ65/パナビジョンは2.65。なお,大型ネガによる純正70mmは70年代半ばで姿を消し,現在ではシネスコサイズのパナビジョンから拡大した70mmプリントが用いられている)まで,必要に応じて使いわけるようになった。
ワイド・スクリーン映画の最初で最大のものは,1952年9月30日にニューヨークで公開されたシネラマだが,画面サイズだけでなく,スクリーンの構造も特殊だった。中央部が奥深く湾曲し,間口20mとして全長24mという巨大なスクリーンへ,3台の映写機から一斉に交差映写して,三つの画面を横に広く継ぎ合わせるという方法をとった。そのスクリーンは,幅25mmのリボンを千数百本,互いに重なり合うように張りめぐらし,スクリーンの両端でもリボン面が正面を向くようにして,画面の乱反射を防いだ。しかし,このあまりにも大がかりなシステムはしだいに70mmにとってかわられ,スクリーンの維持管理(張り替えなど)に経費がかさむうえ,立体映画のときはメタル・スクリーンを仮設しなければならないなどの不便が多いため,しだいに姿を消しつつある。
執筆者:森 卓也
印刷用語。印刷において網版(写真版)を作るとき使用する特殊のフィルムあるいはガラス板。新聞写真を見てもわかるように,印刷された写真の明るい部分は小さい網点,暗い部分は大きな網点であらわされている。このように,写真の濃淡を大小の網点に変える働きをスクリーンがもっている。スクリーンにはコンタクトスクリーンとガラススクリーンの2種があり,前者はプラスチックフィルムにぼかし網点を設けたもの,後者は交線スクリーンともいって,ガラス板に黒い不透明の直線が交差した格子状に入ったものである。コンタクトスクリーンを感光板に密着して原稿の写真を撮影すると,原稿写真の明るいところは大きな網点,暗いところは小さな網点となったいわゆる網ネガティブができる。ガラス(交線)スクリーンの場合は,感光板の前にごくわずかの距離を隔てて原稿の写真を平行におき,網ネガティブを得る。新聞写真の網点が肉眼でも見え,高級印刷物の網版の網点は拡大鏡を使わなくては見えない。これはスクリーンのぼかし網点あるいは黒線があらいか細かいかによるもので,日本では1インチあたりの網点または線の数であらわす。たとえば,80線,100線,120線,133線,150線,200線などで,あらい線数の網版は表現がどぎつく,細かい線数の網版は階調が豊富である。そして粗面の紙にはあらい線数(たとえば,ざら紙には80線),平滑な面の紙には細かい線数(コート紙には133線)というような使いわけをする。また,以上の網版用スクリーンのほかにグラビアの製版に用いるグラビアスクリーンがあり,これは直交透明線とそれで仕切られた黒点をもつスクリーンで,グラビア版の小孔を形成する役目をもっている(グラビア印刷)。このほか特殊な表現(たとえば砂目)をするための特殊スクリーンもある。
執筆者:山本 隆太郎
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…6人制でサービスがあったとき,サーバー以外の者の足がコート外に出ていたり,決められたローテーションの正しい位置が入れ違っている場合の反則。 スクリーンscreenサーバーが打つサーブコース等を意識的に相手から見えなくするサービスチーム側の反則。 ダブルコンタクトdouble contact旧ドリブルのこと。…
…屛風は使われ方からみると,古代には主として間仕切り用,儀式用として用いられていたが,中世から近世にかけては装飾用として,また鑑賞用として用いられ,江戸時代からは庶民階級にも用いられるようになった。衝立(ついたて)【小泉 和子】
[西洋]
西洋では屛風に相当するものにスクリーンscreenがある。室内に立てて人目,隙間風,暖炉の熱を遮ったり,部屋の装飾や間仕切りに使う家具の一種で,パネルが1枚だけの衝立型のものや数枚のパネルを蝶番で連結した折り畳み式のものなどがある。…
…映写幕の意。白布,白壁,白色塗料面などがあり,材質は現在はビニル系がふつうだが,それ以前にはキャンバスに白色塗料(酸化マグネシウム)を塗って使用した。アルミと青銅の粉末を油性塗料に混ぜて塗布し,反射効率をよくしたシルバー・スクリーンもサイレント時代から用いられ,〈銀幕〉はその訳語である。これは,画面の明るさ,いわゆる〈ヌケ〉をよくするため,とくに大劇場で使用されるが,スクリーンの近くで斜めから見ると暗くなるのが欠点である。…
…6人制でサービスがあったとき,サーバー以外の者の足がコート外に出ていたり,決められたローテーションの正しい位置が入れ違っている場合の反則。 スクリーンscreenサーバーが打つサーブコース等を意識的に相手から見えなくするサービスチーム側の反則。 ダブルコンタクトdouble contact旧ドリブルのこと。…
…金網またはそれに類する多数の穴をもつ板により,粉粒体を粒子径の大小にしたがって分離するのに使われる器具または機械装置。ふるいは穀物の選別や砂と砂利の分別などに人類の歴史とともに古くから使われてきた道具である。ふるいはほぼ同じ大きさと形の多数の穴をもつ面(ふるい面)と,これを支持する枠(ふるい枠)から成る。ふるい面はステンレス鋼,炭素鋼,ナイロンなどを素線とする織網,くさび形の断面をもつ針金(ウェッジワイヤ)や金属棒(ウェッジバー)を一定の間隔ですだれのように並べたもの,円形,長方形などの穴を多数あけた金属板,ゴムで被覆した鋼板,細い切れ目(スリット)をもつポリウレタン成形体などによって形成される。…
※「スクリーン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...