ステアリン酸(読み)ステアリンさん(英語表記)stearic acid

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ステアリン酸
ステアリンさん
stearic acid

オクタデカン酸ともいう。化学式 C17H35COOH 。天然油脂 (特に牛脂) 中にグリセリンと結合して存在する代表的な直鎖式飽和脂肪酸。白色葉状晶。凝固点 69.4℃,融点 72℃。天然油脂をメチルエステルに変えて分留し,ステアリン酸メチルを集め,鹸化してつくられる。石鹸,界面活性剤,ろうそく,ゴムの加硫促進剤などの原料となる。工業的にステアリン酸というときは,ステアリン酸とパルミチン酸を主体とする固状の脂肪酸混合物をさす。軟膏や香粧品の製造原料である。

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百科事典マイペディアの解説

ステアリン酸【ステアリンさん】

化学式はCH3(CH216COOH。飽和高級脂肪酸の一つ。白色結晶。融点70.5℃,沸点283℃(17mmHg)。牛脂をはじめ多くの動植物油脂中にグリセリンとのエステルとして含まれる。セッケン,界面活性剤,蝋燭,研磨剤等用途は広い。
→関連項目ゴマ油

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世界大百科事典 第2版の解説

ステアリンさん【ステアリン酸 stearic acid】

化学式CH3(CH2)16COOH。炭素数が18の直鎖飽和高級脂肪酸。白色葉状晶,融点70.5℃,沸点283℃(17mmHg)。結晶は多形がある。水,ベンゼン,二硫化炭素に難溶,エチルアルコール,エーテルなどには可溶。動植物油脂のグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸の一つとして,また蠟の高級アルコール脂肪酸エステルを構成する脂肪酸の一つとして広く天然生物界に存在する。牛脂など常温固体の脂肪中に多く,常温液体の脂肪油中には少ない。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ステアリン酸
すてありんさん

生体内にみいだされる高級飽和脂肪酸の一種で、C17H35COOHの化学式をもつ。分子量284.5、融点69.6℃。常温で白色の葉状結晶。他の高級脂肪酸と同様に、水に不溶、有機溶媒に可溶。グリセリドを構成するさまざまの脂肪酸のなかの主要成分であり、とくにウシやヒツジの脂肪(固体)に含量が高く、植物油(液体)にはほとんどみいだされない。せっけんは油脂をカ性ソーダでけん化してつくるので、その主成分はステアリン酸のナトリウム塩である。また、オレイン酸の水素添加反応によってステアリン酸が得られる。ステアリン酸とパルミチン酸との混合物は、ろうそく、軟膏(なんこう)、化粧用クリームなどの原料として広く用いられる。

[若木高善]

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精選版 日本国語大辞典の解説

ステアリン‐さん【ステアリン酸】

〘名〙 直鎖飽和高級脂肪酸の一つ。化学式 CH3(CH2)16CO2H 白色単斜晶系の葉状結晶。牛脂・動植物油脂中に広く存在し、石鹸・金属石鹸・表面活性剤・ろうそく・研磨剤・絶縁剤などの製造原料、ゴムの加硫促進剤助剤、軟化剤などに広く用いる。硬脂酸。〔舶来語便覧(1912)〕

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化学辞典 第2版の解説

ステアリン酸
ステアリンサン
stearic acid

octadecanoic acid.C18H36O2(284.48).CH3(CH2)16COOH.代表的飽和脂肪酸で,グリセリドとして天然油脂中,とくに牛脂に多く含まれ,そのほか多くの動物,植物油中に存在する.無色の葉状結晶.融点69~70 ℃,沸点383 ℃(分解),232 ℃(2 kPa).0.9408.1.4299.エタノールに可溶,ベンゼン,二硫化炭素に難溶.せっけん,界面活性剤など多方面に利用される.[CAS 57-11-4]

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