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スナメリ Neophocaena phocaenoides; finless porpoise

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

スナメリ
Neophocaena phocaenoides; finless porpoise

クジラ目ハクジラ亜目ネズミイルカ科スナメリ属。体長は約 1.9mに達する。雄は雌よりわずかに大きい。出生体長は 70~80cmになる。体色は全身同色で,個体により藍ねずみ色から紺灰色までの変異がある。頭部は小さく,嘴 (くちばし) や口唇状の突出がない。吻端から噴気孔にかけて丸くふくらみ,体の中央付近が最も太い。胸鰭 (むなびれ) は大きく,体長の6分の1程度で三角形状を呈し,先端がとがる。背鰭はないが,胸部から尾鰭つけ根にかけて背部正中線上に幅3~4cm程度の隆起があり,この上に丸い鱗片状の突起物が無数にある。上下顎骨にへら状の歯が左右 13~22対ある。イカナゴ類,イワシ類,底生性小型甲殻類のほか沿岸性のイカ類やタコ類を食べる。ペルシア湾からインド洋沿岸,インドネシア,ジャワ,フィリピン,中国,朝鮮半島,日本沿岸域に分布し,仙台湾を北限とする。内湾性が強く,チャン (長) 江 (揚子江) ではトンティン (洞庭) 湖付近まで出現する。イカナゴを1ヵ所に集め,漁を容易にすると古くから信じられてきた。生息域の開発および環境汚染により,生息数の減少が懸念されている。広島県竹原市阿波島周辺の海面が「スナメリクジラ廻遊海面」として天然記念物に指定された。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

スナメリ

ネズミイルカ科に属する小型イルカの仲間。体は灰色で、体長は約1・5~2メートル。背びれや長いくちばしがなく、顔が丸い。ペルシャ湾から日本沿岸にかけて分布する。国際自然保護連合レッドリストでは「絶滅危惧2類」に分類されている。

(2015-10-22 朝日新聞 朝刊 科学1)

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百科事典マイペディアの解説

スナメリ

ナミノウオとも。クジラ目ネズミイルカ科のハクジラ。体長1〜1.5m。頭が丸く,背びれ,くちばしのない点が特徴。体色は灰黒色のものが多い。アフリカ東岸〜インド洋,中国,日本に分布。
→関連項目イルカ(海豚)

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

スナメリ
すなめり / 砂滑
finless porpoise
[学]Neophocaena phocaenoides

哺乳(ほにゅう)綱クジラ目ネズミイルカ科のハクジラ。スナメリクジラ、ナメノウオ、スザメなどの名もある。牡鹿(おしか)半島と能登(のと)半島以南から東南アジアおよびインド洋北部、アフリカ東海岸に分布し、体長1.9メートル以下で、日本近海に分布する鯨類中では最小クラスである。全身が銀灰色で、死後は黒くなる。頭部が丸く、くちばしや背びれはなく、背面中央に鱗片(りんぺん)状組織からなる低い隆起帯をもつ。歯は、先の広いしゃもじ形をしている。沿岸性で、瀬戸内海や伊勢(いせ)湾に多く、魚群を取り囲む習性があって漁業に有益なことから、広島県竹原市阿波(あわ)島の群遊海面は国の天然記念物として保護されている。繁殖期は春。生まれた子は体長80センチメートル、体重8キログラム前後で、生後3年で1.4メートルになる。小魚やイカ類を捕食する。[片岡照男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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