スプリングボック
すぷりんぐぼっく
springbok
[学] Antidorcas marsupialis
哺乳(ほにゅう)綱偶蹄(ぐうてい)目ウシ科の動物。トビカモシカともいう。アフリカ南部に分布し、乾燥した草原や砂漠に生息する。肩高75~90センチメートル、体重32~36キログラム。角(つの)は雌雄にあり、長さ35センチメートルほどで、竪琴(たてごと)形。体上面は赤茶色で、体側に黒帯があり、下面と臀部(でんぶ)から背中線沿いに背の中央部まで白色。大きな群れですみ、かつては数十万頭の大群で移動するのがみられた。おもに草を食べるが、低木の葉や地下茎なども食べ、水なしで長期間生存できる。警戒したり、逃走するときに、ゴムまりが弾むように、四肢をそろえて高さ3~3.5メートルもジャンプする。これをプロンキングpronkingというが、単なる遊びですることもあるという。走るのも速く、時速80キロメートル、ときに96キロメートルといわれる。妊娠期間171日前後で、1産1子を11~12月に産むことが多い。子は半年ほど雌親について生活し、その後しだいに独立する。
[今泉忠明]
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スプリングボック
Antidorcas marsupialis; springbok; springbuck
偶蹄目ウシ科。体長 130cm,体高 80cm内外で,ガゼルに似た中型のアンテロープ。雌雄ともに長さ 30cmぐらいの竪琴形のずんぐりした角をもつ。体は赤褐色で,下腹部と尾の基部から背面にかけて白色部がある。南アフリカの草原に分布し,乾燥した平原にすむ。普通,雄は単独で生活するが,繁殖期には大群をつくる。
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デジタル大辞泉
「スプリングボック」の意味・読み・例文・類語
スプリングボック(Springbok)
南アフリカ共和国北西部、北ケープ州の町。ナマクアランド最大の町であり、花崗岩の丘に挟まれた標高約1000メートルの狭い谷間に位置する。銅の採掘で発展。
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世界大百科事典 第2版
「スプリングボック」の意味・わかりやすい解説
スプリングボック【springbok】
背中の正中線にそって白色の長い毛の生える帯をもつ偶蹄目ウシ科の哺乳類(イラスト)。南アフリカ産の美しいアンテロープの1種。雌雄とも角がある。明るい栗色の地に,体側に濃いチョコレート色の幅広い帯が走り,臀部と腹面は純白。頭部も純白で,鼻先から目にかけて,黒色の細い筋模様がある。体長120~150cm,尾長20~32cm,体重18~45kg。乾燥した見通しのよい平原に大きな群れをつくってすみ,草木の葉のほか,ひづめで球根や根を掘り出して食べる。
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世界大百科事典内のスプリングボックの言及
【レイヨウ(羚羊)】より
…多くは砂色で,アフリカとアジアに分布する。インド産で雄の体が黒いブラックバックAntilope cervicapra,警戒,逃走,遊びのときに高く跳びはねる習性をもつスプリングボックAntidorcas marsupialis,中央アジア産で時速96kmで走れるモウコガゼルProcapra gutturosa,多くの肉食獣にねらわれるグラントガゼルGazella granti,非常に警戒心が強く,やぶの中で生活するディバタグAmmodorcas clarkei,あごが長く,しばしば後肢で立ち上がって高いところの葉を食べるジェレヌクLitocranius walleriなど6属18種がある。(7)ダイカー亜科Cephalophinae きわめて小型で,角はふつう雌雄にあるが耳よりも短く,頭頂の冠毛でほとんど隠れている。…
【レイヨウ(羚羊)】より
…多くは砂色で,アフリカとアジアに分布する。インド産で雄の体が黒いブラックバックAntilope cervicapra,警戒,逃走,遊びのときに高く跳びはねる習性をもつスプリングボックAntidorcas marsupialis,中央アジア産で時速96kmで走れるモウコガゼルProcapra gutturosa,多くの肉食獣にねらわれるグラントガゼルGazella granti,非常に警戒心が強く,やぶの中で生活するディバタグAmmodorcas clarkei,あごが長く,しばしば後肢で立ち上がって高いところの葉を食べるジェレヌクLitocranius walleriなど6属18種がある。(7)ダイカー亜科Cephalophinae きわめて小型で,角はふつう雌雄にあるが耳よりも短く,頭頂の冠毛でほとんど隠れている。…
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