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スモン(SMON) すもんえすえむおーえぬ

家庭医学館の解説

すもんえすえむおーえぬ【スモン(SMON)】

 キノホルムの服用でおこった医原性(治療行為などが原因となる)神経障害です。
 感染性下痢症(かんせんせいげりしょう)の薬であるキノホルム使用後2~3週間のうち(亜急性(あきゅうせい) Subacute)に、脊髄(せきずい)(Myelo)と視神経(ししんけい)(Optico)および末梢神経(まっしょうしんけい)(Neuropathy)がおかされます。
 日本では1969年に発症数がピークに達し1万人を超えましたが、1970年9月にキノホルムが販売停止となってからは、新たな発病者は発生しなくなりました。
 典型的な症状は腹痛、腹部膨満(ふくぶぼうまん)に続いて、下半身のしびれと痛み、冷えがおこり、歩行が困難になります。多くは数か月で回復しますが、後遺症や合併症に長く苦しんでいる人が少なからずいます。
 この病気はシャルコー・マリー・トゥース病とともに、厚労省特定疾患(とくていしっかん)(難病(なんびょう))に指定され、医療費の補助が受けられます。

出典 小学館家庭医学館について 情報

百科事典マイペディアの解説

スモン(SMON)【スモン】

亜急性脊髄視神経症subacute myelo-optico-neuropathyの頭文字からとった病名。腹部症状を伴う脳脊髄炎症とも。スモン病は俗称。腹痛,腹部膨満(ぼうまん)を伴う脊髄,視束末梢神経の病変で,腹部症状から数日〜数ヵ月後,下肢末端から始まるしびれ,筋の脱力,知覚,特に振動覚障害などを生じ,筋,関節,腱(けん)の痛みを伴う。その約3割に視力障害をみる。寛解と増悪を繰り返すことが多い。脊髄神経の脱髄が認められる。治療は副腎皮質ホルモン剤,ビタミン類,ATP,パントテン酸血管拡張薬などの投与。麻痺(まひ)にはマッサージ,運動療法などが行われる。ある家族内や,一定の地域内に多発することがあり,日本に特有の疾患として1959年ころから問題になった。原因としてウイルス説などがあったが,スモン患者に緑色舌苔(ぜったい)が高率にみられ,そこからキノホルムの結晶が検出されたのが端緒となってキノホルムがスモンの原因とみられるに至った。スモン患者は1967年―1970年に多発したが,1970年9月キノホルム発売禁止後は激減。1971年武田薬品工業,日本チバガイギー,田辺製薬を被告とする初の提訴が東京地裁へなされ,1978年―1979年各原告が勝訴,3社に結果回避義務違反の過失があるとして損害賠償が課せられた。
→関連項目難病薬害薬事法

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