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スンナ Sunnah

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

スンナ
Sunnah

イスラムの預言者ムハンマド言行をいう。元来は「慣行」「行為」を意味するアラビア語で「先祖たちの慣行」 sunnah al-awwalīn,「神の行為」 sunnah Allāhとしてコーランにみえている。スンニー派イスラム法学において,この言葉はもっぱらムハンマドの言行を意味し,まれに初期の信徒やカリフの言行を意味した。シーア派ではイマームの言行を含む。スンナはコーランの解釈のための,またコーランには規定されていない宗教,法律上の問題の解釈のための典拠とされ,スンナを伝えたハディースはコーランに次ぐ教義上の権威となった。

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世界大百科事典 第2版の解説

スンナ【sunna】

イスラム以前では,この語は各部族の〈先祖代々踏みならわされてきた道〉の意に用いられていた。コーランでは,〈昔の人々のやり口〉〈慣行〉(8:38,35:43など),〈神の慣行〉(17:77,33:62など)のように,神に遣わされた使徒たちを否認し迫害して受けた神罰に関連して用いられている。イスラムにおける最も典型的な用法は,〈預言者のスンナ〉つまりムハンマドの範例・慣行のことであり,一般に正しい伝統,ムスリムの守るべき正しい基準を意味する。

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大辞林 第三版の解説

スンナ【Sunnah】

〔慣習の意〕
イスラム教で、預言者ムハンマドが生前に実践していた慣行。一般のイスラム教徒が従うべき規範とされる。コーランに次ぐ第二の法源で、預言者の言行録(ハディース)の研究から確定される。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

スンナ
すんな
Sunnah

イスラム教において信徒の規範となる古来実践されてきた慣行、範例を意味する。イスラム教以前のジャーヒリーヤ時代(無明時代)のアラビア半島では、先祖代々踏襲してきた習慣や行動様式を遵守するのが重要な徳目と考えられ、その際の行動の範例がスンナと称された。しかしイスラム教の誕生によって信徒の信仰や行動の模範として預言者ムハンマド(マホメット)のことばや行動が中心的意味をもつようになり、スンナとは預言者ムハンマドの示した範例をとくにさすようになった。信徒の信仰や行動の規準は、まず神の啓示である聖典コーランに求められるが、コーランの記述は信徒の複雑多岐にわたる実際の生活を律するには不十分であり、預言者ムハンマドに帰せられることばや行動や暗黙の了解のなかにそれを補う規範をみいだすようになる。スンナはこのようにイスラム法の基礎を形づくる第二の法源となった。この預言者の言行は、預言者と同時代に生きた「教友たち」(サハーバ)によって伝承され、さらに後代に伝えられた。スンナを含むこの預言者の言行は記録され、「ハディース」を形成する。スンニー派とは、このように教友たちを通して共同体のなかに伝承された預言者のスンナに従う者たちの意味である。シーア派のスンナの観念は単に預言者ムハンマドのものだけでなく、彼を継ぐイマーム(教主)たちの言行に体現する範例まで含む。そのほか、イスラム法で人間の行う行為全体を分類する場合に用いる五範疇(はんちゅう)の第二の推奨行為(マンドゥーブ)もスンナとよばれる。[鎌田 繁]

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