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タピスリー 〈フランス〉tapisserie

百科事典マイペディアの解説

タピスリー

絵画的な模様を表した織物で,おもに壁掛とされる。タピスリーはフランス語で英語ではタペストリーtapestry。組織は綴(つづれ)織と同種で綿または麻糸経糸(たていと)とし,染色した毛(絹,金銀なども)の撚糸(よりいと)を緯(よこ)糸とし,木針などを用いて手工芸的に織る。

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世界大百科事典 第2版の解説

タピスリー【tapisserie[フランス]】

英語でタペストリーtapestryとも呼ばれる織物。織機に張った経糸(たていと)にボビン(木針)で緯糸(ぬきいと)を通して図柄を織り出す技法は日本の綴織(つづれおり)に相当する。
[タピスリーの織り方]
 緯糸は図柄に応じて必要な数の経糸だけに通し,普通の織物のように端から端まで全部の経糸を貫通することはない。経糸はいわば織物の土台として用いられ,織り上がった際には緯糸によって完全に覆われてしまう。したがって経糸にはじょうぶな太い未さらしの木綿糸または毛糸が用いられ,緯糸には色毛糸を主に,絹糸,金・銀糸などが用いられる。

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世界大百科事典内のタピスリーの言及

【ゴシック美術】より

…この民衆的な写実主義がゴシック絵画をマンネリズムのうちに死滅することから救うので,14世紀後半から活躍するネーデルラント出身の芸術家たちはこの着実な写実主義の推進者であった。 壁面をのこさぬ北方のゴシック建築では,壁画は城館の装飾にすぎないが,壁に掛けられたタピスリーが重用され,まずパリとアラス,ついで15世紀にはアラス,トゥールネ,ブリュッセルなどフランドル諸市が制作地で,宗教的・史伝的題材その他,当時の風俗を扱ったものがおもしろい。
[金工]
 金工では,エマイユ(七宝)が前代にひきつづいてライン川,マース(ムーズ)川流域の工房とリモージュで製作され,ついで14世紀パリの俗人工房は金工の小像や小箱,杯などの洗練された作品を生み,しばしば透明エマイユをいろどっている。…

【ゴブラン織】より

…パリ近郊で,とくに17~18世紀,国王の庇護を受けて作られたタピスリー(ヨーロッパの綴織(つづれおり))をさす。その名は広く世界に知られ,ゴブラン織はタピスリーの代名詞としても用いられる。…

【室内装飾】より

… 平面を飾る染織品としては絨毯があったが,室内の立体面も古くから染織品で美化された。中世以後,西洋の室内にタピスリーを掛けることが行われた。これはむき出しの壁をおおって室内を美化することでもあり,あるいは室内の空間を二分し,必要に応じてこの陰にかくれることもできた。…

【綴織】より

…文様織の一つ。綴,綴錦とも称し,中国で剋糸(こくし)(克糸,刻糸),欧米でタピスリーtapisserieと呼称されるものがこれに当たる。一般的な多色の紋織物との違いは,紋織物には原則として緯糸に地緯(じぬき)(地組織をなす糸)と絵緯(えぬき)(文様を表す糸)とがあり,地緯はつねに織物の織幅いっぱいに通し糸として用いられるのに対し,綴織では地緯も絵緯も文様にしたがって必要な部分のみ織りはめられ,地緯が織幅いっぱいの通し糸とならないことにある。…

※「タピスリー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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