翻訳|taffeta
平織の絹織物の一種。名称はペルシア語のtāftah(輝く,紡ぐ)に由来する。14世紀ころからヨーロッパでは知られていたが,当時は薄地の上質の絹織物をいった。経糸に比べて太めの緯糸を使うため,横の方向に低い畝(うね)ができ,美しく丈夫である。色無地,シャンブレー(玉虫),縞,格子,紋タフタ等がある。厚めのものを薄琥珀(こはく)とも呼ぶ。玉糸を使った玉タフタや,3色の色糸で特殊な色合いを出したものにカメレオン・タフタがある。ネクタイ,裏地,婦人服地,洋傘地,リボン等と広範囲に使われる。日本での主産地は桐生。近年はレーヨン,アセテート,ナイロン,ポリエステルのものや交織が多い。綾羽二重と似た綾タフタはフーラードfoulardといい,肌ざわりが柔らかでネクタイ,スカーフ,ブラウス,ドレスなどに用いる。
執筆者:宮坂 博文
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経(たて)糸に諸撚(もろよ)りの練り糸、緯(よこ)糸に片撚りの練り糸を使用し、平織にした絹織物。精練した糸を漂白あるいは染色してから製織しているため、光沢に富み軽くて腰のある織物となっている。組織は一般に平織で、無地、縦縞(たてじま)、格子縞からなるが、ときには紋織のものもある。種類としては、経緯糸に異色糸を使い玉虫色を表した玉虫タフタ、カメレオン・タフタなどがある。用途は婦人服地、洋服裏地、洋傘などである。
[角山幸洋]
…可良糸織,高貴織,市楽織,八端織,黄八丈,大島などは糸織であり,なかでも諸糸織は良品とされる。広幅織物のタフタも糸織の類で,横浜から輸出されたので浜こはくとも呼ばれる。山形県米沢を主に各地で織られるが近年は小幅物の生産が少ない。…
…プレーン・ウィーブplain weave,プレーン・クロースplain clothと同義語で,平織,または平織で織られた織物をさす。用いられる糸によって薄地,厚地各種あるが,慣用としてはごく薄地の軽いものをタフタ,地厚な重いものをパドゥアゾイpaduasoy,両者の中間のものをタビーと呼びならわしている。タビーには経糸(たていと),緯糸(よこいと)にそれぞれ2本以上の糸を引きそろえて用いたもの(日本では魚子(ななこ)と称される)のほか,紋織にしたもの,さらに紋緯を押さえるために地経の外に搦経(からみだて)を加えたダブル・タビーdouble tabbyなどがある。…
※「タフタ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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