琥珀織(読み)コハクオリ

デジタル大辞泉 「琥珀織」の意味・読み・例文・類語

こはく‐おり【××珀織】

縦糸が密に並び、横糸がやや太く、布面に横うねのある平織り絹織物。帯や袴地はかまじ、また和服婦人服などに用いる。もと外来のもので、天和年間(1681~1684)京都西陣で織り出すようになった。

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精選版 日本国語大辞典 「琥珀織」の意味・読み・例文・類語

こはく‐おり【琥珀織】

  1. 〘 名詞 〙織物一つ。緯(よこいと)方向に低い畦(あぜ)がある平織物。もと外来のもので、日本では天和年間(一六八一‐八四)、京都西陣で織りはじめられた。帯・袴(はかま)地などが多い。琥珀。唐茶宇(とうちゃう)。横筋斜子(よこすじななこ)タフタ
    1. [初出の実例]「君の床塵吸帯の琥珀織」(出典:俳諧・広原海(1703)一三)

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改訂新版 世界大百科事典 「琥珀織」の意味・わかりやすい解説

琥珀織 (こはくおり)

絹織物の一種。元来は,舶来唐茶宇(とうちやう)のことで厚琥珀,薄琥珀の別がある。茶宇はインドのチャウルChaulで織り出されたところから,茶宇留茶宇縞などと呼ばれた。厚琥珀は天和年間(1681-84)に西陣の織工が初めて織り出したもの。組織は変化平織の経畝(たてうね)織で経糸を密にし,緯糸太めを織り,低い緯畝のある地風の練絹織物である。博多織と似ているが,それより地薄で緯畝が小さく女帯地に織られ,琥珀九寸とも呼ぶ。また,肩裏地や袴地などに使われる。薄琥珀は平無地と縞物,紋琥珀があり婦人服地や洋傘などに用いる。この織物のやや密度のあらい薄地のものをタフタといい,近年は絹以外の化合繊糸でも多く織られる。京都,桐生などが主産地である。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「琥珀織」の意味・わかりやすい解説

琥珀織
こはくおり

経畝(たてうね)にした絹織物の一種。経糸に細い練(ねり)絹糸を緻密(ちみつ)に使い、緯糸(よこいと)には太い練絹糸で平織に織り、緯方向に畝を出したもの。化繊のものには、ジャカードを使った紋琥珀もある。琥珀織は、組織に使われる糸の太さや密度の違いにより、薄琥珀と厚琥珀の2種類に分けられる。薄地のものは、タフタtaffetaとよんでいるものより重めのもので、婦人服地、傘地に使われ、厚地のものは、いわゆる博多織(はかたおり)とほぼ同じで、帯地、袴地(はかまじ)に用いられる。

 日本では、厚琥珀が天和(てんな)年間(1681~84)に中国の技法に倣い、西陣(にしじん)で初めて織られたといわれ、国産化された。また絹織物であったものが、最近では化合繊を使って織られることも多くなった。

[角山幸洋]

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百科事典マイペディア 「琥珀織」の意味・わかりやすい解説

琥珀織【こはくおり】

絹織物の一種。経(たて)糸に細糸を,緯(よこ)糸に太糸を用いて平織にし,横方向に畝(うね)を表した織物で,最近は化繊,合繊も用いられる。厚地は帯,袴(はかま)などに,薄地は普通タフタと呼ばれ婦人服地にされる。
→関連項目畝織

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