ダマール(その他表記)dammar
damar

デジタル大辞泉 「ダマール」の意味・読み・例文・類語

ダマール(dammar/damar)

東南アジア産のフタバガキ科の樹木から得られる天然樹脂の一。主成分トリテルペンアルコールテレビン油石油ベンゼンなどによく溶け、コーパルとともにワニス・ラッカーなどに用いる。ダンマルダンマー

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改訂新版 世界大百科事典 「ダマール」の意味・わかりやすい解説

ダマール
dammar
damar

ダンマル,ダンマー,ダマルともいわれる天然樹脂。生産する樹木はフタバガキ科のサラノキ属Shorea,バラノカルプス属Balanocarpus,ホペア属Hopea,バチカ属Vaticaなどに属するものがふつうで,東南アジアに生育する。採取は,樹に傷をつけてしみ出てくるものを採ることもあるが,自然に幹から出たもの,半化石状のものを集める場合が多い。フタバガキ科からとれるものがほとんどすべてであるので,化学組成は,原産樹木の種類の差による違いをあまり示さない。主成分は中性のトリテルペンである。アルコールに溶けやすい塗料用樹脂として,今もピアノ響板用塗料などに使われている。日本は全量を東南アジアより輸入している。

 ダマールは,コーパルcopalとともにかつて塗料用樹脂の主原料であった。両者は実用上しばしば混同されるが,その性質にはいくつかの顕著な違いがある。ダマールはテレビン油,石油,ベンゼンなどによく溶け,いわば油になじみやすい樹脂である。一方コーパルはこれらの油には溶けにくいが,アルコールに溶ける樹脂である。塗りあがった膜はコーパルよりダマールのほうが軟らかい。なお,ダマールよりコーパルのほうが燃えやすく,また酸性であるということは,一般的に成り立つので,両者の区別に使われる。
樹脂
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百科事典マイペディア 「ダマール」の意味・わかりやすい解説

ダマール

ダンマルdammarとも。東インド諸島,モルッカ,マレー,タイ,インドなどに分布するフタバガキ科の多種植物から得られる天然樹脂。無色〜黄褐色,透明または不透明の固体で,テレビン油,石油,ベンゼン,アルコールなど有機溶剤に可溶。コーパルに比べ塗膜の堅さと耐久性は劣るが,淡色で溶解性がよく,ワニスなどの塗料用樹脂として賞用される。
→関連項目樹脂

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ダマール」の意味・わかりやすい解説

ダマール
Dhamār

イエメン中部,首都サヌア南南東 100kmにある町。イエメン高地の標高 2400mに達する2つの火山にはさまれた幅 19kmの谷間に位置する。神話によれば多くの遺跡は聖書時代にさかのぼるとされるが,最初の確かな史料は 12世紀のもので,美しい建物と肥沃土地のことが記されている。長らくイスラム教のザイド派の中心地であり,有名な神学校もあった。町は灌漑された菜園帯で2分されている。農産物の集散地で,良馬の生産地として知られ,現在でも重要な産物。人口3万 9195 (1980) 。

ダマール

「ダンマル」のページをご覧ください。

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