ダーツ(読み)だーつ(その他表記)darts

デジタル大辞泉 「ダーツ」の意味・読み・例文・類語

ダーツ(darts)

洋裁で、平面の布をからだに合わせて立体的に仕上げるため、布にひだを取ってつまみ縫いした部分
投げ矢遊び。羽のついた短い矢を的に投げて得点を競う室内遊戯
[類語](1ギャザープリーツひだ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ダーツ」の意味・読み・例文・類語

ダーツ

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] darts )
  2. 洋服を体形にあわせて立体的に仕上げるため、布地を部分的に縫いつまむこと。また、そのつまんだ部分。
    1. [初出の実例]「その脇は後見頃の脇と合はすためにダート(つまみぐせ)を新しく今一つ取って」(出典:洋裁と修飾(1936)〈星名久〉)
  3. 小さな矢を的に投げて得点を争う室内遊技。投げ矢遊び。
    1. [初出の実例]「投げ矢(ダーツ)標的があることも〈略〉英国のバーを思わせた」(出典:バナナ(1959)〈獅子文六〉商人の家)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ダーツ」の意味・わかりやすい解説

ダーツ(室内スポーツ)
だーつ
darts

ダーツは、約400年前にイギリスで生まれた室内スポーツで、高さ1.73メートルに中心を固定した直径45.7センチのダーツボード(的)に、ボードから2.37メートル離れたスローイングラインから、3本のダーツ(矢)を投げ、当たった位置によって異なる得点を、持ち点から引き、早く0点にする競技。

 公式競技において使用されるダーツボードは、ブリッスルボードとよばれ、サイザル麻という強いロープ用の繊維を束ねて圧縮してつくられる。また、競技用のダーツ(矢)は、タングステンニッケルの合金でつくられ、1本の重さが17~25グラムである。世界のダーツ競技組織は、日本をはじめ35か国の加盟によりワールドダーツフェデレーション(WDF)が運営され、ワールドカップ、そして、〔1〕パシフィックカップ、〔2〕ヨーロッパカップ、〔3〕アジアカップを主催している。日本では日本ダーツ協会(JDA)がジャパンチャンピオンシップ(日本選手権)やジャパンマスターズ、全日本ダーツリーグなどを主催している。

[日本ダーツ協会]

その後の動き

2008年現在、WDFには世界62の国と地域が加盟している。

 日本ダーツ協会のライフ競技規則によるダーツは、JDA公認の長さ30.5センチメートル、重量50グラム以内と規定されている(特別許可があった場合はその限りではない)。

 現在のWDFは、ワールドカップ、アメリカズカップ、アジア・パシフィックカップ、ヨーロッパカップを主催している。

[編集部]



ダーツ(服飾)
だーつ
dart

本来は「投げ矢」の意。服飾では体の肩、胸、腰などの膨らみを立体的に形成するために布の一部をつまみ、膨らみに向けて先端を縫い消した縫い込みのことをいう。このつまみを平面展開すると、矢の先のような形になるためこの名がある。薄地の場合は片側に倒し、厚地の場合は割って始末する。ダーツの形、量はシルエットに大いに関係する。デザイン上、切り離して裁断した場合は「切り替え線」とよんで区別するが、ダーツの分量は切り替え線の中に組み込まれるため、効果は同じである。

[岡田浩海]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「ダーツ」の意味・わかりやすい解説

ダーツ
darts

12世紀のロンドンですでに確認できる,イギリス人好みのゲーム。もとはビール樽の鏡板の部分を標的にして,長い釘に羽根をつけたものを投げたが,いまでは七重の同心円と18度ずつずらせた10本の直径で区切った複雑な標的を用いる。標的は樫やニレ,区切りにはワイヤを用い,中心が5フィート8インチ(約173cm)の高さになるよう固定し,8フィート(約244cm)以上離れたところから投げる。投げ矢(dart)は長さ6インチ(約15cm)程度。勝敗の決め方は多様だが,一般的なのは,3本ずつ交代で投げ,301点から得点分を引いていき,ぴったりゼロにした方を勝ちとする。ただしゲームの開始と終了はダブルに限るというもの。

 1620年にアメリカへ移民したピルグリム・ファーザーズも船上でこれを楽しんだといわれ,近代にはパブや旅籠(はたご)などでの最もポピュラーな遊びとなった。イギリス全土に600万人の競技人口があり,公認クラブ数も7000にのぼる。地方のパブでは町内対抗戦が盛んで,全国大会もある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ダーツ」の意味・わかりやすい解説

ダーツ
darts

円形の標的(ダーツボード)に矢を投げて点数を競うゲーム。ダーツボードは中心の小円から放射状に 20等分されて 1から 20までの点数がつけられ,さらに中心の小円の周囲と外周と中ほどに細い円帯が設けられている。中心の小円が 50点,そのまわりの円帯が 25点,外の円帯はその部分の点数の 2倍,中ほどの円帯はその部分の点数の 3倍となっている。ゲームでは,約 2.5m離れたところから,おもりと羽根のついた長さ約 16cmの矢を 3本投げて,当てた部分の点数を持ち点の 301点から引いていき,先に 0点とした者を勝ちとする。最も盛んなのはイギリスで,16世紀ヘンリー8世の時代から知られており,1620年『メイフラワー』号上でも植民地建設団の一行がダーツを楽しんだと記録されている。1976年世界ダーツ連盟 World Darts Federation; WDFがロンドンで設立され,日本も 1977年に参加,50ヵ国から 50万人以上の競技者が加盟している。1980年代からダーツボードが電子化され世界中に人気が広がり,1990年代初頭のアメリカ合衆国では競技人口が 1700万人以上となった。

ダーツ
dart

投げ槍の意であるが,洋裁では細長い三角形の縫込みをさす。平面の布地を身体の曲面に沿って立体化するためのテクニックの一種。おもに肩,ウエスト,胸部,袖口などに用いる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「ダーツ」の意味・わかりやすい解説

ダーツ

的にダート(矢)を投げ当てて正確性を競うゲーム。12世紀ころに英国で生れたと推定され,17―18世紀英国のパブ(居酒屋)を中心に発達。もとは酒樽(さかだる)を的とし,木の年輪と放射状の亀裂が現在のダートボードのデザインに反映されているとみられる。ボードの中心の高さは約172cm,約244cm離れたラインから投げる。ダートは長さ約15cmで羽根がある。ゲームのルールは数多くあり,いずれも単に技術のみならず駆け引きをも楽しむメンタルなゲーム。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android