イギリスの政治家,文人。ケンブリッジ大学を中退して,大陸旅行をする。若くしてホイッグ党の国会議員として活躍し,すぐれた弁舌で知られ,ウォルポール内閣に反対の立場をとった。1728年から4年間オランダ大使としてハーグに駐在し,その間一女性との間に男子をもうける。この庶子フィリップ・スタナップに送った,主として紳士としての教えをさとした手紙が,彼の死後出版された《チェスターフィールド伯爵の息子に与える書簡》(1774)である。この中で彼は,自分と違って生まれつき内気で無愛想な息子に,表面的な感じのよさを求めたので,後世さまざまな誤解を招くことになった。しかしこの書簡は多くの人に読まれ,紳士の規準ともなった。彼は作家のA.ポープ,J.スウィフトらとの関係も深く,またボルテールとの交際もあった。ジョンソン博士が辞書の編集にあたって伯の後援が得られず,伯を非難したことも有名であった。
執筆者:榎本 太
背広の丈を長くした形式の男性用コートの一種。名称は,1830-40年代のイギリスで,ファッションリーダーとして知られた第6代チェスターフィールド伯が着用したことにちなむ。19世紀後半から20世紀にかけて流行したが,現代でもフォーマルウェア用に着用される。前を比翼かダブルとし,襟はノッチあるいはピークド・ラペルで,上襟にベルベットをかけることもある。胸にウェルト・ポケット,脇にフラップ・ポケットをつける。全体の形はウェストを絞って細身に仕立てる。色は紺,黒,ねずみ色などの無地か霜降りにほぼ限られていたが,近年は茶系統の色も多い。ウェストの絞りをゆるくし,胸ポケットも省いたものをセミ・チェスターと呼び,日常着に広く用いられるが,いずれも日本での需要はきわめて少ない。
執筆者:星野 醍醐郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新