翻訳|chain saw
チェーン形鋸歯(きょし)(ソーチェーン)を原動機で高速回転駆動して木材を高能率で切断する機械。動力鋸(のこ)ともよばれ、次のような種類に分けられる。(1)ガソリンチェーンソー 排気量20~110cc、2~7馬力程度のアルミニウム・マグネシウム合金製の軽量小形専用空冷単気筒二サイクル・ガソリンエンジンで、チェーン形鋸歯を高速回転させて、森林での木の切り倒し(伐倒)や丸太つくり(枝払いおよび玉切)に、世界中で使われている。(2)電動チェーンソー 装備する電動機の単相・三相の別、使用型式の1人用・2人用・定置式の別があり、一般家庭用・木工用から、製材工場ほか各種木材工場に至るまで広く使われている。(3)油圧チェーンソー 油圧モーターで駆動するもので、ツリーフェラー、フェラーバンチャーなどの伐採車両や玉切り装置に付属して、木材切断用に使われる。(4)空気チェーンソー 空気モーターで駆動するもので、耐水性に優れ、水中貯木場内などでの木材の切断に効力を発揮する。
一時、チェーンソー使用者の手指に発生する振動障害(白蝋(はくろう)病)が社会問題化したが、1977年(昭和52)日本では労働安全衛生法でチェーンソー規格が制定され、1978年ILO(国際労働機関)からチェーンソーの安全設計と使用について勧告が出された。防振手袋、防音マフラー、安全ヘルメット、保護衣などを装着のうえ、防振機構完備のチェーンソーの使用が望まれる。
[山脇三平]
動力のこぎりともいう。チェーンソーは伐木・造材用機械で,エンジンによって得られた動力によって,案内板に張られたソーチェーン(鋸歯(きよし))を駆動して木材を鋸断する。急峻な山岳林で作業が行われることが多いので,とくに軽量,小型,高出力の原動機が要求されるが,エンジンは1気筒2サイクル空冷ガソリンエンジンが使用されている。日本で1人用チェーンソーが一般に使用されるようになったのは1952年ころからで,欧米諸国より輸入されたものが中心であった。ソーチェーンはつねに目立てをしないと切削抵抗が増して,鋸断のさい手や腕に対する振動が激しくなる。チェーンソー使用による振動障害(白蠟病など)防止のため使用時間規制や機械の改良が行われており,現在市販されているチェーンソーの振動加速度値はひじょうに小さい。ロータリーエンジンを用いたチェーンソーは従来の機械に比し振動が少ないが,高価である点で問題が残されている。
→林業機械
執筆者:上飯坂 実
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…立木を伐倒して枝を払い,用途にあわせて一定の材長に鋸断(きよだん)(玉切り)して丸太にすること。伐倒にはチェーンソーが用いられるが,手のこが用いられることもある。伐倒しようとする場合には,まずチェーンソーによって受口をつくる。…
…育林作業は傾斜の急な山腹で行われることが多く重労働であるが,機械化も容易ではない。地ごしらえや下刈り用の刈払機や植林のための植穴を掘る植穴掘機はチェーンソーと同じ1気筒2サイクル空冷ガソリンエンジンを用いた可搬式機械であるが,トラクターに装着して作業を行うものが開発されている。(2)伐木集運材機械には,伐木造材・木寄せ用,集運材用,および貯材用機械がふくまれ,いずれも重量のある木材を扱うので林業独自の機械が多い。…
※「チェーンソー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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