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チロキシン チロキシン thyroxine

翻訳|thyroxine

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デジタル大辞泉の解説

チロキシン(thyroxine)

甲状腺ホルモンの一。沃素(ようそ)を含み、物質代謝を盛んにし成長を促す。過剰になるとバセドー病、欠乏すると甲状腺腫になる。鳥類では換羽を、両生・爬虫(はちゅう)類では変態・脱皮を促す。サイロキシン

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百科事典マイペディアの解説

チロキシン

サイロキシンとも。甲状腺ホルモンの一つ。アミノ酸の一種であるチロシンから生合成され,1分子に4原子のヨウ素を含む。天然にはL体のみ存在。C.R.ハリントンが1927年合成に成功。
→関連項目ケンドル変態ホルモン療法

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栄養・生化学辞典の解説

チロキシン

 C15H11I4NO4 (mw776.87).

 テトラヨードチロニンともいう.甲状腺ホルモンの一つ.血中に最も多い甲状腺ホルモン.分子内にヨウ素を4原子もつ.エネルギー代謝タンパク質代謝を亢進させる活性がある.末梢組織で,より活性の強いトリヨードチロニン(T3)や活性のないリバーストリヨードチロニン(rT3)に変換される.

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世界大百科事典 第2版の解説

チロキシン【thyroxine】

サイロキシンともいう。甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンの一つで,その構造の中にヨウ素を含んでいるのが特徴。甲状腺ホルモンにはこのほかにトリヨードチロニンtriiodothyronine(T3と略記)がある。末梢組織のT3の80%はチロキシン(T4と略記)からヨウ素が一つとれてできたものである。甲状腺から分泌されたT4の35%はT3に変換される。甲状腺ホルモンの活性としてはT3はT4の4~5倍を有し,したがって,T4よりもT3のほうがホルモンの作用という点では重要である。

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大辞林 第三版の解説

チロキシン【thyroxine】

甲状腺の濾胞ろほう細胞から分泌されるホルモン。ヨウ素を含む一種のアミノ酸。物質交代(異化)を高め、精神・身体の成長・発育を促進する。過剰になればバセドー病を、不足すれば成人では粘液水腫、小児ではクレチン病を起こす。また、両生類では変態、鳥類では換羽、爬虫類では脱皮を促す。サイロキシン。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

チロキシン
チロキシン

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

チロキシン
ちろきしん
thyroxine

甲状腺(せん)ホルモンの一つで、サイロキシンともいう。分子式C15H11I4NO4、分子量776.88。ヨウ素を含む一種のα(アルファ)-アミノ酸である。アミノ酸はタンパクとペプチドの素材であり、重要で多様な生物学的役割をもつ小分子(チロキシンもその一つ)の前駆体でもある。チロキシンはチログロブリン内のチロシンのヨウ素化との連結によって形成される。この前駆体がタンパク分解されて、チロキシンとなる。1915年アメリカの化学者E・C・ケンドルは、甲状腺に多量に存在する特異なヨードタンパク質チログロブリンのアルカリ加水分解物からヨウ素を含む活性物質を結晶状に単離し、これをチロキシンと命名したが、イギリスの化学者ハリントンCharles Robert Harington(1897―1972)はこの化学構造に疑問をもって、正しい構造式を1926年に推定し、1927年にはバージャーGeorge Barger(1878―1939)と共同で合成に成功、化学構造を立証した。
 チロキシンは甲状腺内でチログロブリンから生成された四つのヨウ素を含むチロニンtetraiodthyronine(T4)で、ヨウ素の位置がそれぞれ3、5、3'、5'にあるが、この5'の位置のヨウ素がとれたのがトリヨードチロニン(T3)で、また5の位置のヨウ素がとれたものがリバースT3である。甲状腺ホルモンとしての生物学的活性はT3がT4の4~5倍もあり、リバースT3にはほとんどなく、T3がもっとも重要である。性状は淡黄またはクリーム色で無味・無臭、吸湿性の粉末である。水にはわずかに溶け、アセトン、クロロホルム、エーテルには不溶で、アルカリに可溶である。
 脂溶性ホルモン(ステロイドホルモンなど)や脂溶性生理活性物質(ビタミンAなど)の受容体(レセプター)は、おもに細胞内の核にあり、核内受容体nuclear receptorとよばれている。これらの脂溶性生理活性物質受容体群(ファミリー)は、互いに構造・機能が類似した転写調節因子群(スーパーファミリー)として働き、タンパク遺伝子の発現を転写の段階で制御している。チロキシン受容体は核内受容体スーパーファミリーに属し、モルフォゲンmorphogen分化を誘導して形態形成を制御し、オタマジャクシからカエルへの変態を誘導する(モルフォゲンとは、胚(はい)の中で合成された物質の拡散・運搬によってできる濃度勾配(こうばい)に従って分化を促す物質。たとえばショウジョウバエの受精卵のビコイドタンパク、ナノスタンパクなど)。
 ヒトでは粘液水腫(すいしゅ)やクレチン症をはじめ、甲状腺機能低下症の補充療法として使われる。なお、生理作用については「甲状腺」の項目を参照されたい。[有馬暉勝・有馬太郎・竹内多美代]

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世界大百科事典内のチロキシンの言及

【甲状腺】より

…甲状腺は組織学的にみると濾胞の集団である。濾胞から分泌される甲状腺ホルモンにはチロキシンthyroxine(サイロキシンともいう。T4と略記)とトリヨードチロニンtriiodothyronine(トリヨードサイロニンともいう。…

【甲状腺】より

…甲状腺は組織学的にみると濾胞の集団である。濾胞から分泌される甲状腺ホルモンにはチロキシンthyroxine(サイロキシンともいう。T4と略記)とトリヨードチロニンtriiodothyronine(トリヨードサイロニンともいう。…

【遡河魚】より

… このように遡河回遊に先だってプロラクチンの分泌量が増すことはイトヨだけでなく,ウナギの稚魚やサケなどでも同様である。しかし,遡河回遊を起こす引金として働いているのはプロラクチンではなく,甲状腺ホルモン(チロキシン)が少なくともその一つであろうと考えられている。冬のイトヨをチロキシン溶液中に数日間入れておくと淡水を好むようになるという実験結果もこれを支持する。…

【ヨウ素(沃素)】より

…天然には,海藻,海産動物中におもに有機化合物として存在するほか,チリ硝石中にヨウ素酸塩として含まれる。脊椎動物の甲状腺にチロキシンとして存在し,生理学的に重要な役割を果たしている。また油田かん(鹹)水中にも含まれる。…

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