テナント(読み)てなんと(英語表記)Charles Tennant

デジタル大辞泉 「テナント」の意味・読み・例文・類語

テナント(tenant)

ビルなどの一区画の借り主。
貸店舗。「15のテナントが3月に一斉オープン」
[補説]2日本語での用法。
[類語]借り主借り手

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「テナント」の意味・読み・例文・類語

テナント

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] tenant ) 名店街雑居ビルなどの出店者。ビルなどの一区画の借り主。
    1. [初出の実例]「大なる一棟を起し〈略〉防火壁を設け、全然区別して他人の住居を為し得ること恰西洋のテナントの如くし」(出典:東京日日新聞‐明治二六年(1893))

テナント

  1. ( Smithson Tenant スミスソン━ ) イギリスの化学者。ケンブリジ大学教授。ダイヤモンド炭素であることを実験で証明。また、オスミウムイリジウムを発見した。(一七六一‐一八一五

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「テナント」の意味・わかりやすい解説

テナント(Charles Tennant)
てなんと
Charles Tennant
(1768―1838)

イギリスの漂白技術者。エアーシャーのオーキルトリーに生まれる。初等教育を受けたのち、製糸・漂白について修業、その後数人共同で漂白工場を創設した。当時の漂白方法は天日さらし法で、数週間から数か月を要したが、産業革命のさなかにあっては、この方法では大量の織物を仕上げるには貧弱すぎた。テナントは1789年塩素と消石灰による液体漂白剤製造法に関する特許を、1799年には乾燥した粉末漂白剤製造に関する特許を取得した。粉末漂白剤の出現は輸送の問題を解決し、大量生産も可能にした。この間、1790年にはグラスゴー近くのセントロロックスに工場を建設し、初年度に50トンの粉末漂白剤を製造し、その後1830年には年間1000トンの製造を可能にした。また1820年代に鉛室法による硫酸の製造、ルブラン法によるソーダの製造を始め、ヨーロッパ最大の化学工場にまで発展させ、イギリスの産業革命に大きく貢献した。

[雀部 晶]


テナント(Smithson Tennant)
てなんと
Smithson Tennant
(1761―1815)

イギリスの化学者。ヨークシャーのセルビイに生まれる。エジンバラケンブリッジの両大学で医学を学ぶ。ケンブリッジ大学化学教授(1813)。ダイヤモンドと木炭の燃焼から生じる炭酸ガス量を比較し、両者の化学的同一性を証明した(1796)。また、1804年に白金鉱石の黒い王水不溶物から2種の新金属を発見し、それぞれ化合物の性質からイリジウム(ギリシア語の「虹(にじ)」から)、オスミウム(ギリシア語の「臭(にお)い」から)と命名した。1800年からW・ウォラストンと白金製品を販売した。フランスに旅行中、母親と同じく乗馬事故で死去した。

[肱岡義人]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「テナント」の意味・わかりやすい解説

テナント
Charles Tennant
生没年:1768-1838

イギリスの工業化学者・企業家。漂白工から身をおこし,化学工場を経営した。1774年K.W.シェーレが塩素を発見し,次いで85年にC.ベルトレは,塩素溶液の漂白力に注目し,布の漂白剤として用いたが,液体のため輸送が困難であった。そのような状況にあってテナントは漂白剤の製造に従事し,99年塩素を消石灰に通じることによって粉末化に成功し,漂白業に革命をもたらした。彼はすぐにこの漂白粉(さらし粉)の製造に関する特許を得て,この製造工場をセント・ロロックスにつくった。これは彼の卓越した技術革新・経営能力によってヨーロッパにおける最大級の化学工場となり,産業革命期における化学工業の発展に寄与した。なお彼は鉛室法の改良等も行っている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「テナント」の意味・わかりやすい解説

テナント
Tennant, Smithson

[生]1761.11.30. ヨークシャー,セルビー
[没]1815.2.22. フランス,ブーローニュ
イギリスの化学者。エディンバラ大学医学部で J.ブラックに学んだのち,ケンブリッジ大学に移り,1796年医学の学位取得。ケンブリッジ大学化学教授 (1813) 。スウェーデン,フランスなどを広く旅行。ダイヤモンドが純炭素であることを証明し,また白金鉱の精製過程で生じる残留物から,新元素イリジウムオスミウムを発見,命名した。ロイヤル・ソサエティ会員 (1785) 。ロンドン地質学協会創立会員 (99) 。 1804年コプリー・メダル受賞。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

リフォーム用語集 「テナント」の解説

テナント

ビルや百貨店・ショッピングセンター・などの一部区画を賃貸借契約の元で所有・管理・運営者から借り受けて営業する貸店舗の事。

出典 リフォーム ホームプロリフォーム用語集について 情報

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android