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デキストラン dextran

翻訳|dextran

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

デキストラン
dextran

D-グルコースの重合多糖類ショ糖液で細菌 Leuconostoc mesenteroidesL. dextranicumを培養すると,培養液中に蓄積される。これらの細菌がもつ酵素がショ糖を分解し,果糖 (D-フルクトース) を養分とし,残基のD-グルコースのほうを重合させる。グルコース間の結合は,全体としては分岐構造となっているので,種々の分子量の違った物質をふるい分けるときに用いるセファデックス系ゲルろ過剤の原料となる。また,加水分解して分子量約7万としたもの (デキストラン 70) の6%溶液,または分子量約4万としたもの (デキストラン 40) の 10%溶液は,血漿に近い粘稠度,コロイド浸透圧,比重をもち,薬理学的にはほとんど不活性であり,血中に比較的長くとどまるが,蓄積されずに排泄される。したがって,出血などの場合,血漿代用薬として用いられる。使用に際しては,抗原性のないことを確かめなければならない。

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百科事典マイペディアの解説

デキストラン

ブドウ糖からなる多糖類の一種。ショ糖溶液に乳酸菌の一種であるロイコノストク・メセンテロイデスを作用させるとその酵素デキストランスクラーゼによって生ずる。構造は菌株によって異なるが,D-グルコース(ブドウ糖)から成るα-1,6結合が主体でα-1,4やα-1,3の枝分れをもつものもある。
→関連項目人工血液

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栄養・生化学辞典の解説

デキストラン

 α-1,6-グルカン.α1→3,α1→2の分枝もある.細菌によってショ糖から作られる.

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世界大百科事典 第2版の解説

デキストラン【dextran】

微生物が生産する多糖類の一種。D‐グルコースのみからなり,その結合様式はα‐(1→6)結合が主体でα‐(1→4)またはα‐(1→3)結合の枝分れ構造をもつものもある。乳酸菌の1種であるロイコノストク・メセンテロイデスLeuconostoc mesenteroidesなどの細菌がショ糖を含む培地で繁殖したときに,デキストランスクラーゼによるグルコース転移反応によって生成する。細菌により作られたデキストランは代用血漿(けつしよう)として医療に用いられる。

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大辞林 第三版の解説

デキストラン【dextran】

乳酸菌などの細菌によってスクロース(ショ糖)から生産され、 D -グルコース(ブドウ糖)のみから成る多糖類の一。その加水分解したものを血漿けつしようの代用として利用する。また、その誘導体はラッカーやフィルムなどに利用される。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

デキストラン
できすとらん
dextran

D‐グルコースの重合体で、多糖類の一種。ある種の細菌をショ糖だけを含む培養液で育てると、デキストランが合成される。分子量は、天然の状態では400万にもなる。構造はデンプンやグリコーゲンとよく似ており、D‐グルコースがα‐1・6結合で直鎖状につながり、ところどころにα‐1・4結合で枝分れしている。これは、デンプンやグリコーゲンがα‐1・4結合をしていて、枝分れの点がα‐1・6結合であることと対照的である。ほかにα‐1・2結合やα‐1・3結合の存在も知られているが、これらの量や種類はデキストランの起源によって異なる。
 デキストランはシロップ剤などの原料にされるほか、酸で部分的に加水分解したものは血漿(けっしょう)増量剤として知られる。日本薬局方には分子量7万5000の高分子デキストラン(デキストラン70)と分子量4万の低分子デキストラン(デキストラン40)の2種類が収載されている。[村松 喬・幸保文治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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