トウガン(読み)とうがん

日本大百科全書(ニッポニカ)「トウガン」の解説

トウガン
とうがん / 冬瓜
[学] Benincasa hispida Cogn.

ウリ科(APG分類:ウリ科)の一年生つる草。トウガ、カモウリ、カモリともいう。熱帯アジア原産で、ジャワ島では全土の平地に自生している。栽培はアジアの熱帯から温帯に及ぶ。日本では平安時代に栽培されており、『倭名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』に記載されている。茎は地上をはって伸び、白い短毛を帯びる。普通は三つに分岐した巻きひげがある。葉身は掌状に5~7裂する。夏季、葉腋(ようえき)に黄色の単性花を1個ずつつける。果実は長さ30~50センチメートルで、日本では臼(うす)形の果実をつける系統と、円筒形の果実の系統とが栽培されている。若い果実には毛があるが、秋に熟すにつれて脱落し、灰白色ろう質の粉を吹いたようになる。内部は熟すと中心部にすきまを生ずる。種子は白色で、すきまの周りに多数ある。貯蔵性があり、冬に至るまで品質を保つのでトウガンの名がある。栽培には高温を好む。直播(じかま)きするが、小苗を育てて移植してもよい。草勢が強く、栽培は容易で、畑に放置し、つるが伸びるに任せる。

[星川清親 2020年2月17日]

食品

果実は、開花後約50日して表面が白い粉に覆われたころに収穫する。日本ではおもに煮食し、あんかけ、みそ煮、汁物の実とされるほか、砂糖漬けや粕(かす)漬けにされる。果肉は煮るとやや半透明の白色ゼリー状となり、淡い酸味を帯びた特有の淡泊な風味と舌ざわりで、夏から秋の料理として好まれる。中華料理の冬瓜盅(トンコワチョン)は、トウガンの中をくり抜いてスープと具を詰め、蒸し煮にした料理で、ふかひれのスープと並ぶ逸品とされている。盅とは入れ物というほどの意味である。果実の96%は水分で、ビタミンB1、B2、Cをわずか含む。

[星川清親 2020年2月17日]


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食の医学館「トウガン」の解説

トウガン

《栄養と働き&調理のポイント》


 トウガンは、インド原産のウリ科の植物です。
 トウガンは夏野菜ですが「冬」と書きます。これは、熟すと皮がかたくなり、切らずに10度前後の場所に置いておくと、冬まで貯蔵できるためです。
○栄養成分としての働き
 95%以上が水分ですが、成分的にはビタミンCが多く含まれています。カリウムも100g中200mgと比較的多く、体内のナトリウムを排泄(はいせつ)する作用があるため、高血圧に効果があります。
○漢方的な働き
 トウガンのおもな効用としては、すぐれた利尿作用で、むくみの解消や膀胱炎(ぼうこうえん)、腎臓病(じんぞうびょう)などに有効とされています。体を冷やす野菜なので、のぼせの解消にも役立ちます。
 このほか、中国では薬効として、暑気(しょき)あたり、糖尿病によるのどのかわきなどに効果があるといわれています。
 100gあたりのエネルギーが16kcalと低いので、ダイエット中の人や糖尿病の人でも安心して食べられます。
 発汗によって水分が失われやすい夏は、スープにして冷やしてから食べると、十分な水分補給ができます。
○注意すべきこと
 利尿作用が強いので、頻尿(ひんにょう)の人や冷え症の人、下痢(げり)をしやすい人は食べすぎに注意しましょう。

出典 小学館食の医学館について 情報

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