コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

トポロジー心理学 トポロジーしんりがくtopological psychology

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

トポロジー心理学
トポロジーしんりがく
topological psychology

トポロジーの概念および法則を適用して心理的現象を説明した K.レビンによる心理学。ベクトル心理学とともに,レビンの心理学的体系の一部を構成する。彼はまず人間と心理学的環境を合せたものを生活空間と呼び,さらに人間も環境も種々の下位領域に分化しているとし,行動はこの生活空間の関数であるという基本法則を立てた。したがって,人間がある瞬間にどのような行動をとるかを明らかにするためには生活空間の構造あるいは諸領域間の関係を明確に表現する必要があるが,その目的のためにトポロジー的表現が用いられている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル大辞泉の解説

トポロジー‐しんりがく【トポロジー心理学】

レビンの学説。行動を起こすすべての条件は、その瞬間における生活空間に含まれていると考え、その生活空間の構造をトポロジーの概念によって記述しようとするもの。位相心理学

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

大辞林 第三版の解説

トポロジーしんりがく【トポロジー心理学】

行動を人と環境とからなる心理学的場、すなわち生活空間の関数として定義し、トポロジーの概念を用いて記述しようとする心理学。レビンが創始。位相心理学。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

トポロジー心理学
とぽろじーしんりがく
topological psychology

ドイツ、アメリカで活動した心理学者レビンが『トポロジー心理学の原理』(1936)のなかで主張した心理学の理論(場の理論)。位相心理学とも。レビンは行動の発生を心理学的に構成された力学的場理論の立場からとらえ、行動は生活空間の関数であると考える。生活空間にはある瞬間における主体の行動を決定するすべての条件が含まれるから、主体自身も過去や未来の非現実的条件もそのなかに含まれる。トポロジー(位相幾何学)という概念は量的なものを無視して点や面の関係を扱う数学を意味するが、それを借りて生活空間の構造を記述し、行動生起の可能性を空間的領域の関係に置き換えて説明するのがトポロジー心理学の特徴である。
 たとえば、ある人がある目標に向かって行動するかどうかは、目標領域と人領域との間に移動の可能性があるかどうか、すなわち通路が開かれているか、どの領域を通過するか、障壁があるかなどによって決まると考えられる。だから、物理的に近い目標が心理的に近いとは限らないことや、代償価のある活動とない活動との違いを空間的に示すこともできる。また、パーソナリティーの発達を人の領域の分化としてとらえたり、非現実への逃避をトポロジー空間の層構造としてとらえたりすることもできる。なお、行動の可能性ではなく、実際にどういう行動がおこるかを明らかにするためには、方向と大きさをもったベクトルの概念が導入され、葛藤(かっとう)行動の解明などに役だっている。[宇津木保]
『K・レヴィン著、外林大作・松村康平訳『トポロギー心理学の原理』(1942・生活社) ▽K・レヴィン著、相良守次・小川隆訳『パーソナリティの力学説』(1957・岩波書店)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

トポロジー心理学の関連キーワードカートライト(Dorwin Philip Cartwright)レビン(Kurt Lewin)ゲシュタルト心理学クルト レウィン数理心理学精神分析創始

今日のキーワード

チームパシュート

スピードスケートや自転車競技の一。複数人でチームを組み、隊列を組んで一定の距離を走り、速さを競うもの。団体追い抜き競技。...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android