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ドン・キホーテ Don Quijote

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世界大百科事典 第2版の解説

ドン・キホーテ【Don Quijote】

スペインの作家セルバンテスが1605年に前編を,1615年に後編を発表した小説で,正式の題名は《才智あふれる郷士ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャEl ingenioso hidalgo Don Quijote de la Mancha》。セルバンテスは〈前編〉の序文において,この作品が牢獄の中で生まれたことをほのめかしているが,おそらく1602年,55歳の彼がセビリャで入獄していたときにその構想を得たか,書き始めたものと考えられる。

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世界大百科事典内のドン・キホーテの言及

【セルバンテス】より

…このようにセルバンテスは,《ラ・ガラテーア》の執筆を別にすれば,30歳から60歳という,一般的には作家の活動的な時期のほとんどを,外国で兵士あるいは捕虜として,またアンダルシアの野を歩き回る小役人として費やし,次の世代が活躍している時期,すなわち自身の老境において作家活動を行ったのである。 上述のような英雄的苦難と屈辱的苦難を経て年老いたセルバンテスが,おそらくは1602年のセビリャでの入獄中にその想を得たのが《ドン・キホーテDon Quijote》(1605,15)であってみれば,そこに自身と祖国スペインの過去が色濃く反映しているのはむしろ当然であろう。彼は狂気の騎士ドン・キホーテを介して,熱にうかされていた英雄的な祖国と自身の高揚と挫折を描いたのであり,みずからの過去を否定すると同時に愛着を覚え,泣きながら笑ったのである。…

【シュトラウス】より

…この頃より,指揮者として,同世代のマーラーおよびワインガルトナーと楽壇の帝王を競うようになる。またこの時期には,作曲家としても目ざましい活躍をして,《ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら》(1895),《ツァラトゥストラはこう語った》(1896),《ドン・キホーテ》(1897),《英雄の生涯》(1898)といった彼の創作を代表する交響詩の傑作群が書かれた。98年からベルリン宮廷歌劇場の第1指揮者に就任して,20年間その地位にありながら,ヨーロッパ各地,アメリカに演奏旅行。…

【シュワルツ】より

…鋭い政治寓意劇《裸の王様》(1934),《影》(1940),《ドラゴン》(1943)などは,今も国内だけでなくヨーロッパ諸国でたびたび上演されている。シュワルツ台本による映画では,《ドン・キホーテ》(1957,チェルカーソフ主演)が群を抜いた傑作。日本でも《影》《ドラゴン》《裸の王様》等が上演されている。…

【小説】より

…ロマンスと小説を言葉の上ではっきり区別しているのが英語で,女性向きの恋愛物語や波瀾万丈の歴史物などが〈ロマンス〉と呼ばれる一方,狭い意味での小説は〈ノベルnovel〉と呼ばれるが,後者は中世イタリア語の〈ノベラnovella〉(〈ニュース〉と同語源で,〈ちまたの珍しい話〉の意)に由来する。 西欧小説の特徴は,虚構の物語と歴史物語や伝記的物語の区別がはっきりしていることのほかに,近代的合理主義的世界観の興隆にともなって小説とロマンスの分離を意識的にすすめたことで,小説史におけるセルバンテスの《ドン・キホーテ》の意義はそこにある。しかしこの分離はけっして完全ではなく,実際の小説はかならずロマンスやアレゴリーの要素を含んでいる。…

【スペイン文学】より

…1554年に出版された作者不詳の《ラサリーリョ・デ・トルメスの生涯》がその嚆矢となったが,このジャンルはマテオ・アレマンの《悪者グスマン・デ・アルファラーチェの生涯》を経て,スペイン・バロック期最大の文人フランシスコ・デ・ケベードの《かたり師,ドン・パブロスの生涯》でその極に達した。そして不朽の名作《ドン・キホーテ》により,上述の二つの小説の傾向を融合し,創造の中に創造の批判を根づかせることによって厳密な意味での近代小説をつくり出したのがミゲル・デ・セルバンテスである。セルバンテスの重要な作品としてはほかに,12の短編からなる《模範小説集》(1613)がある。…

【セルバンテス】より

…このようにセルバンテスは,《ラ・ガラテーア》の執筆を別にすれば,30歳から60歳という,一般的には作家の活動的な時期のほとんどを,外国で兵士あるいは捕虜として,またアンダルシアの野を歩き回る小役人として費やし,次の世代が活躍している時期,すなわち自身の老境において作家活動を行ったのである。 上述のような英雄的苦難と屈辱的苦難を経て年老いたセルバンテスが,おそらくは1602年のセビリャでの入獄中にその想を得たのが《ドン・キホーテDon Quijote》(1605,15)であってみれば,そこに自身と祖国スペインの過去が色濃く反映しているのはむしろ当然であろう。彼は狂気の騎士ドン・キホーテを介して,熱にうかされていた英雄的な祖国と自身の高揚と挫折を描いたのであり,みずからの過去を否定すると同時に愛着を覚え,泣きながら笑ったのである。…

【道化】より

…権力を嘲笑した道化的哲学者ディオゲネスに自分を擬したラブレーは,道化の杖をペンに持ちかえて,世界を哄笑のうちに活性化する。他方,セルバンテスの《ドン・キホーテ》は,ガルガンチュアやフォールスタッフとは似ても似つかぬ,やせて,不眠症で,理想主義的な〈憂い顔の騎士〉ドン・キホーテを登場させる。高貴な〈精神の道化〉と,彼に召使として仕える猥雑な〈肉体の道化〉サンチョ・パンサ,この2人とともにルネサンスの〈道化文学〉の黄金時代は終わる。…

【マニエリスム】より

…前者はおもにハウザー,サイファー,ローランドら主として精神分析や社会史に立脚する流派で,その説によると,マニエリスムはローマ劫掠(1527)等の社会危機に対する西欧の知識層の深刻な対応の姿であり,この文化動向は不安,緊張,神経症によって特徴づけられるという。その文学的形象の典型は,知と懐疑において過剰なハムレット,〈狂気の〉ドン・キホーテ等であり,マニエリスムの最高の作家はシェークスピアだとする。彼こそ,定型的人物,たとえば当時流行した憂鬱病者の類型たるハムレットのごとき人物と既存の常套的筋立てを利用しつつ,絶えず誇張と美辞麗句と語呂合せ,悲劇要素と喜劇要素の混交からなる独創的な技巧を駆使して,人生の測りがたさや,人間存在の夢幻性を浮彫にしたからだという。…

【ラ・マンチャ】より

…広大な平原に白壁の村や町が点在し,ラ・マンチャ特有の風車の風景が広がる。モタ・デル・カンポ,カンポ・デ・クリプタナ,コンスエルガの村々は,セルバンテスの《ドン・キホーテ》の舞台である。農業中心の地方で,ブドウ,オリーブ,小麦,サフランが栽培される。…

【笑い】より

…けた外れのスケールをもった主人公は,この世の古びたもの,固着したもの,窮屈なもの,笑うべき愚かしいもののいっさいを笑う。セルバンテスの《ドン・キホーテ》においては,主人公の時代錯誤的な〈こわばり〉と同時に,従者サンチョ・パンサとの対比,無垢な心と世間的処世知とのコントラストが笑いをさそう。さらに主人公の笑うべき〈高貴な単純さ〉が時代の断層を映し出す鏡の役目を果たしている。…

※「ドン・キホーテ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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