翻訳|nozzle
圧力をもった流体を高速で噴出させるために用いる細い開口部のこと。消防ホースの先端に取りつけて用いられたり,ペルトン水車,蒸気タービンなどで流体を羽根車に噴きつけるのに用いられるほか,管内を流れる流量を測定するのにも利用される(フローノズル)。ゲージ圧p(Pa)の液体がノズルを通して大気中に噴出するときの速度v(m/s)は,液体の密度をρ(kg/m3)として,ベルヌーイの定理からほぼで与えられる。気体でもv<100m/sの範囲ではこの関係で示される。気体を高速で噴出させる場合,ノズル部が平行なものや先細りのものでは気体を音速以上にすることはできないが,いったん細くなった面積をノズル出口で再び拡大させた末広形状のもの(ラバルノズル)にすると超音速が得られる。流量測定用のフローノズルは図に示すような形状をしており,これを管に取り付けて前後A,Bの圧力差を測れば,流量を求める計算式からノズルを通過する流量が算出できる。ノズル形状と流量を求める計算式はJISで定められている。
執筆者:豊倉 富太郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
液体や気体を噴出させる細い管。流体のもっているポテンシャル・エネルギーを効率よく速度エネルギーに変換し、高速噴流を得る装置である。流体を噴出させるとき、噴出断面積を小さくすると圧力エネルギーが速度エネルギーに変わることを利用したものである。一般家庭にある霧吹き、加圧式石油こんろの石油出口、自動車の気化器などに使用されている。また水車、蒸気タービンなどでは、水あるいは蒸気をノズルから噴出させて羽根車に当て、これを回転させ速度エネルギーを機械的エネルギーに変換し動力源としている。流体の流れに垂直な流路面積が流れにしたがって小さくなっているノズルを先細(さきぼそ)ノズルといい、途中で一度細くなり、それから先の流路面積がしだいに大きくなっているものを末広ノズルという。末広ノズルでは超音速の噴流が得られる。末広ノズルで最小面積のところを「のど」という。のどのところの速度が音速になると、それ以上流量は増えない。このようにのどの流速が音速に等しい状態を臨界状態といい、その圧力を臨界圧力、流速すなわちマッハ数1の速度を限界速度という。ノズル出口面積とのど部面積との比を末広がり率というが、この率によって定まる背圧のとき完全に膨張し超音速噴流となる。
[中山秀太郎]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
気体や液体,あるいは固体を含んだ液体などを,高速度で噴出または噴霧させるために用いられる装置.その構造は,円筒の先端をしぼって,流体の圧力によって噴出させるもの,二重管の外管に気体を高速で流して内管の流体を噴出・噴霧させるものなどがある.エジェクターの噴出口,重油燃焼装置,噴霧乾燥装置,流量計などに応用されている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
…高温高圧蒸気のもつ熱エネルギーを機械的仕事に変換する蒸気原動機の一形式。蒸気原動機には,蒸気機関と蒸気タービンがあるが,前者が蒸気の静的圧力を利用してピストンを往復運動させ仕事をするのに対し,蒸気タービンでは,図1に示すように,まずノズルで高圧蒸気を膨張させて高速蒸気流を作り,これを回転円板の周囲に密接して植えられた反りをもった羽根の列にあてる。そして羽根を出るまでに蒸気の流れの方向を変え,その際羽根が蒸気から受ける反力を利用して羽根を回転させることによって仕事を行うものである。…
…なお,酸化剤か燃料のいずれかを固体とし,他方を液体とするハイブリッドロケットも飛翔実績はあるが,実用例は乏しい。
[ノズルの働き]
各論を述べる前に,化学ロケットにおいて重要な役割を果たすノズルで,どのように推力が発生するかを見てみよう。まず内部を流れる燃焼ガスの分子の運動が,ノズルを流れるに従って変化するようすを図2に示す。…
※「ノズル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...
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