ドイツの医薬品大手。1863年に染料会社として創立した。解熱・鎮痛薬「アスピリン」を製品化したことで知られる。2015年12月期のグループ売上高は463億ユーロ(約5兆3千億円)で、従業員は約11万7千人。日本ではバイエル薬品として事業を展開し、15年度の売上高は2393億円。(ロンドン共同)
更新日:
出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報
ドイツの総合化学メーカー。かつては、BASF、ヘキスト(現サノフィ・アベンティス)とともにドイツ三大化学メーカーとよばれていた。
自動車と並んで現代ドイツの主力産業である化学産業は、1860年代に主として染料工業を基礎に形成された。バイエルは1863年にアニリン染料の製造を目的に、フリードリヒ・バイエルFriedrich Bayer(1825―1880)とヨハン・フリードリヒ・ウェスコットJohann Friedrich Weskott(1821―1876)により設立された。その後、1881年に社名をファルベン・ファブリケンFarben Fabrikenと改称し、企業形態もそれまでの合名会社から株式会社へと変更した。1884年にC・デュースベルクCarl F. Duisbergが入社し、同社の発展に貢献するとともに、のちのイー・ゲー・ファルベンの成立に主導的役割を果たした。1888年には医薬品部門を創設、1899年にはアスピリンの開発、製造に着手するなど医薬品は染料と並ぶ重要部門となった。ドイツ化学産業にとっての一大転機は、1925年に実施された化学メーカー6社による大合同である。すなわち、バイエル、BASF、ヘキスト、アグフアなどの企業が統合されて、新会社イー・ゲー・ファルベンが設立された。イー・ゲー・ファルベンは、当時世界最大の化学メーカーとなり、第二次世界大戦終了時までドイツ経済の中枢的存在であったが、第二次世界大戦の敗戦により連合国の管理下に置かれ1951年に解体、バイエル、ヘキスト、BASFの実質3社に分割された。同年バイエルはファルベンファブリケン・バイエルとして再出発し、1972年、現社名に変更した。1981年、総合写真メーカーであるアグフア・ゲバルトを傘下に収めた(アグフア・ゲバルトは1999年に株式を上場して独立)。本社はノルトライン・ウェストファーレン州のレバークーゼンに置かれ、ここを中心に多数の工場群が形成されている。また、世界約150か国に子会社、代理店がある。
2009年度の売上高は311億6800万ユーロ、純利益13億5900万ユーロ。売上構成はヘルスケア事業(医薬品等)グループ51.3%、農薬関連事業グループ20.9%、素材科学事業(高分子材料等)グループ24.1%。従業員数10万8400人。
[所 伸之]
デンマークの平和主義者。ネストベズ近郊に生まれる。兵学校卒業後、1864年に対プロイセン、オーストリアとの戦争に従軍、翌1865年除隊後、語学に励み、フランス語、ノルウェー語、スウェーデン語を修得した。1872年に下院議員に選出され、以後23年間議員を務めた。この間、バイエルは国際平和、デンマークの中立、スカンジナビアの団結、女性の権利拡張などに力を注いだ。デンマークの独立維持には中立しかないと考え、1882年デンマーク中立促進協会を設立、さらに国際平和運動でも活躍、1885年第1回スカンジナビア平和会議、1889年の列国議会同盟など、多くの国際会議に出席し、指導的役割を果たした。とくに1890年ロンドンで開かれた第2回世界平和会議では国際平和運動のための恒久的機関の設立を提唱。のちにこれが実現して国際平和局International Peace Bureauが設立され、その初代事務局長に任命された。このような努力が評価され、1908年にスウェーデンのアルヌルドソンとともにノーベル平和賞を受賞した。
[編集部]
ドイツのピアノ奏者、作曲家。クウェーアフルトに生まれ、サロン風ピアノ小品や管弦楽曲のピアノ用編曲で人気を得た。しかし今日では『バイエル・ピアノ教則本』Vorschule im Klavierspiel(作品101)によってのみ知られている。このいわゆる『バイエル』は、1880年(明治13)に音楽取調掛(とりしらべがかり)(東京芸術大学の前身)教師として赴任したアメリカ人のお雇い外国人教師L・W・メーソンによってピアノ教育に導入されて以来、とくに日本において初学者の教材として普及し、今日に至るまでピアノ入門期の代名詞といえるほどの地位を保っている教則本である。
[大久保一]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 (社)全日本ピアノ指導者協会ピティナ・ピアノ曲事典(作曲者)について 情報
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報
…本社,ケルン近郊のレーバークーゼン。1863年バイエルFriedrich Bayer(1825‐80)とベスコットJohann WeskottによりFriedrich Bayer & Co.としてブッパータールに設立。当初はアニリン染料の製造からスタートし,80年代にはヨーロッパ一円に販売網を整え,91年にはレーバークーゼンに本社を移転した。…
※「バイエル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
7/22 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新