翻訳|Bandung
インドネシア,ジャワ島西部の都市。人口223万1139(2003)。ジャカルタの南東120km,バンドン高原の中央北寄りに位置する。高原はタンクバン・プラウ(標高2081m),パトゥハ(同2434m),マラバル(同2249m),グントゥール(同2244m)などの火山群に囲まれ,かつては湖底であった。平均標高700mで,年平均気温22.1℃,年平均降水量1911mmと,湿熱にあえぐジャカルタ市民にとっては好適な避暑地とされる。20世紀初めからオランダ人により開発が進められ,熱帯の美しい高地休養都市の典型となり,第2次大戦前にはオランダ軍の大基地が置かれた。市街は中央の駅をはさんで南北に広がる。北部は高燥地で官庁,学校,高級住宅が並び,国立パジャジャラン大学,バンドン工科大学および地質研究所,パスツール研究所などもあって,ジャワの学術・研究の一中心をなしている。南部はにぎやかな商店街で,ことにブラガ通りが中心である。1955年に第1回アジア・アフリカ会議(バンドン会議)の開かれたホテル・ホーマンもこれに近い。市民はスンダ族が主であるが,中国系の居住者も多い。市の周辺の高原には水田がよく開け,キナ,茶の農園も展開する。
執筆者:別技 篤彦
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インドネシア、ジャワ島西部の都市。西ジャワ州の州都。人口約265万7600(2001推計)、252万5220(2018推計)。ジャカルタの南東120キロメートル、周辺をタンクバン・プラウ、パトハ、マラバル、グントールなど2000メートル以上の火山に囲まれる標高平均700メートルのバンドン高原の中央やや北寄りに位置する。かつては湖底であったが、排水されて現在の盆地的地形を形成したという。高度が高いので年平均気温は22.3℃、朝夕は冷気を感ずる。このため、低地の暑熱に悩むジャカルタのオランダ系市民にとって快適な居住地として、20世紀初頭から開発が進められた。熱帯の美しい植民都市の典型として、「ジャワのパリ」の別称さえ与えられた。
市は中心の駅を挟んでほぼ南北に二分される。北側の高燥地には官庁、学校、住宅が建ち並び、バンドン工科大学、国立パジャジャラン大学、鉱山局、地質調査所、パスツール研究所などがあり、ジャワ学術研究の中心を形成する。駅の南側は商店街で、ショッピングセンターのブラガ通りは有名である。また1955年の第1回アジア・アフリカ会議(バンドン会議)開催後、アジア・アフリカ通りと改名された新しい商店街もある。バンドンはスンダ人居住の中心地として、中部ジャワ文化とは異なるスンダ文化の伝統を保っており、アンクルン音楽やワヤン・ゴレック(木製のワヤン人形)などで知られる。周辺の高原は水田がよく開かれ、規那(キナ)、茶の農園などもある。
[別技篤彦]
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ジャワ島西部の高原都市(標高700m)。インドネシア,西ジャワ州の州都。19世紀初めから植民地都市として開発され,行政,経済,文教また軍事の中心として発展。1955年アジア・アフリカ会議が開催された。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
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