日本大百科全書(ニッポニカ) 「バートレット」の意味・わかりやすい解説
バートレット
ばーとれっと
Sir Frederick Charles Bartlett
(1886―1969)
イギリスの心理学者。グロスターシャーで生まれる。ケンブリッジ大学でW・H・リバーズおよびマイヤーズCharles Samuel Myers(1873―1946)に心理学を学ぶ。彼の最初の興味は人類学にあったが、マイヤーズおよびその助手C・L・バートの影響によって実験心理学にかわった。1915年ケンブリッジ大学実験助手、その後同大学で実験心理学を教え、研究室を主宰した。彼の研究は第二次世界大戦中の特殊な研究を挟んで、知覚から記憶を経て思考へと進んでいくが、その基調は社会心理学的である。長く『イギリス心理学雑誌』の編集にあたり多数の心理学者を育てた。著書に『Remembering : A Study in Experimental and Social Psychology』(1944、邦訳名『想起の心理学』)や『Thinking : An Experimental and Social Study』(1958)などがある。
[宇津木保]
『宇津木保・辻正三訳『想起の心理学』(1983・誠信書房)』