パーシー(読み)ぱーしー(英語表記)Walker Percy

日本大百科全書(ニッポニカ) 「パーシー」の意味・わかりやすい解説

パーシー
ぱーしー
Walker Percy
(1916―1990)

アメリカの小説家。アラバマ州バーミングハムの生まれ。医学博士。病院勤務中結核に感染し、療養生活ののち創作に専念。性行動の冒険失意を味わった30歳の男がノイローゼの女と結婚する『映画狂い』(1961)で全米図書賞を獲得。『最後紳士』(1966)、『廃墟(はいきょ)の愛』(1971)、妻の不貞を契機に悪の探究に惑溺(わくでき)する男を描いた『ランスロット』(1977)、『再来』(1980)、『タナトス・シンドローム』(1987)など着実に作品を発表し、キルケゴール、カミュら西欧実存主義の影響のもとに、精神の荒廃にさらされる現代をいかに生きるかの主題を追究した。

[杉浦銀策]

『板橋好枝訳『廃墟の愛』(1976・講談社)』『浜野成生訳『最後の紳士』(1975・冨山房)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パーシー」の意味・わかりやすい解説

パーシー
Percy, Sir Henry

[生]1364.5.20.
[没]1403.7.21. シュロップシャー,シュルーズベリー付近
イギリスの貴族。ノーサンバーランド伯ヘンリー・パーシーの長男。 1384年以後スコットランドとの戦いに活躍,敵将 J.ダグラスとの一騎打ちなどで「短気者」 Hotspurの異名を得た。ヘンリー4世即位を援助,王子ヘンリーのウェールズ征討を指揮して功があったが,王と不和になり,1403年1月チェシャーに反乱を起し,敗れて殺された。この反乱はシェークスピアの史劇『ヘンリー4世』の題材となり,オッターバーンやチェビチェイスの戦いの英雄として知られる。

パーシー
Percy, Thomas

[生]1729.4.13. シュロップシャー,ブリッジノース
[没]1811.9.30. ドロモア
イギリスの聖職者中世文学関心をもち,17世紀の写本を校訂,編集して『イギリス古詩拾遺』 Reliques of Ancient English Poetry (1765) を出版。 14世紀から 17世紀までのバラッド,ソネット,歌謡,韻文ロマンスを収集したもので,民俗文学に対する興味をかきたて,ロマン主義運動に大きな刺激を与えた。

パーシー
Percy, Esmé Saville

[生]1887.8.8. ロンドン
[没]1957.6.16. ブライトン
イギリスの俳優,演出家。初め F.R.ベンソンや A.ホーニマンの劇団に所属。 1913年レパートリー劇団を結成,多くのシェークスピア作品に主演。また友人 G. B.ショーの戯曲の演出と出演によってイギリス演劇界に貢献した。『人と超人』の地獄の場面は,彼によって初めて上演された。そのほか映画でも活躍。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

367日誕生日大事典 「パーシー」の解説

パーシー

生年月日:1364年5月20日
イングランドのノーサンバランド伯の長子
1403年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

今日のキーワード

グレーゾーン解消制度

個々の企業が新事業を始める場合に、なんらかの規制に該当するかどうかを事前に確認できる制度。2014年(平成26)施行の産業競争力強化法に基づき導入された。企業ごとに事業所管省庁へ申請し、関係省庁と調整...

グレーゾーン解消制度の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android