ビオ(読み)びお(英語表記)Jean Baptiste Biot

デジタル大辞泉 「ビオ」の意味・読み・例文・類語

ビオ(Biot)

フランス南東部、アルプ‐マリチーム県の村。中世異教徒からの攻撃を防ぐために、急峻きゅうしゅん岩山や丘の上に城壁をめぐらして築いた「わしの巣村」の一。20世紀半ばよりガラス工芸が盛ん。キュビスムの画家フェルナン=レジェ美術館がある。ビオット

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビオ」の意味・わかりやすい解説

ビオ
びお
Jean Baptiste Biot
(1774―1862)

フランスの物理学者天文学者数学者パリに生まれる。フランス革命後に創立された理工科大学校(エコール・ポリテクニク)を1797年に卒業し、その後、コレージュ・ド・フランスの数理物理学教授などを務めた。1803年には科学アカデミー会員に選ばれた。彼の研究は、実験・観測を中心に多方面にわたっている。なかでもサバールとの共同研究による「ビオ‐サバールの法則」の発見(1820)、および円偏光の発見がよく知られている。熱心なニュートン主義者で、当時のフランス科学界におけるラプラス学派の中心的存在として活躍した。

[井上隆義]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ビオ」の意味・わかりやすい解説

ビオ
Biot, Jean-Baptiste

[生]1774.4.21. パリ
[没]1862.2.3. パリ
フランスの物理学者。パリのエコール・ポリテクニクに学び,ボービェ大学数学教授 (1797) 。さらにコレージュ・ド・フランスの数理物理学教授 (1800) 。フランス科学アカデミー会員 (03) 。 1820年に F.サバールと共同で発見したビオ=サバールの法則電磁気学の基礎を与えたものとして有名。また J.ゲイ=リュサックとともに初の科学気球を用いて上層大気および地磁気を観測 (04) 。偏光の研究でも多くの成果をあげたが,とりわけ糖溶液を通過する偏光の偏光面濃度に応じて回転することを発見 (35) して,40年にロンドン・ロイヤル・ソサエティからランフォード・メダルを受けた。彼の旋光現象の研究は,L.パスツールに受継がれ,その後の発酵の研究の糸口になっていく。 56年フランス学士院会員。

ビオ
biot

電流の CGS電磁単位。記号は Bi。 SI単位のアンペアとの関係は 1Bi=10A。単位名は J. B.ビオの名にちなむ。

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改訂新版 世界大百科事典 「ビオ」の意味・わかりやすい解説

ビオ
Jean-Baptiste Biot
生没年:1774-1862

フランスの物理学者。創立まもないエコール・ポリテクニクを卒業,コレージュ・ド・フランスなどの教授をつとめるかたわら,P.ラプラスとC.L.ベルトレを中心とする私的研究グループ(アルクイユ会)の一員となる。彼の研究は,光学,電磁気学など広い範囲に及ぶが,その研究方法は精密な測定実験から法則を帰納しようとするものであった。ただし偏光に関する理論に関してはラプラスの影響を受けて粒子論的な立場をとり,T.ヤングから批判を受けている。電磁気学の領域ではビオ=サバールの法則の原形を提示しているが,その理論化をめぐりA.M.アンペールと激しい論争を行った。
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百科事典マイペディア 「ビオ」の意味・わかりやすい解説

ビオ

フランスの物理学者,天文学者,数学者。コレージュ・ド・フランス教授。ゲイ・リュサックとともに気球で上昇し上空の磁気を測定(1804年)。円偏光,双軸結晶(ブルースターと),また1820年にはビオ=サバールの法則を発見。
→関連項目アラゴー

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世界大百科事典(旧版)内のビオの言及

【光学異性】より

… 今日の用法によれば不斉炭素をもつ乳酸のような化合物の光学活性は中心性キラリティーの,非対称アレンやジフェン酸のような化合物のそれは軸性キラリティーの,またヘリセンのような化合物のそれは面性キラリティーの存在による(図3)。 1815年フランスの物理学者J.B.ビオはテレビン油のような液体やショウノウ,ショ糖などの溶液が偏光面を回転させる力があることを発見した。21年イギリスの天文学者F.W.ハーシェルは一方の半面像をもつ石英結晶は偏光面をある一方に,もう一方の半面像をもつ結晶は逆方向に回転させることを発見した。…

※「ビオ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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