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ピタゴラス ピタゴラス Pythagoras

翻訳|Pythagoras

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ピタゴラス
ピタゴラス
Pythagoras

[生]前569頃.サモス
[没]前470頃.メタポンティオン
古代ギリシアの哲学者。生涯と学説は確証しがたいが,エジプトバビロニアなどに滞在したのち,前 530年頃クロトンヘ移り,宗教,政治,哲学を目指す教団を創設した。輪廻説に立ち,禁欲的訓戒に従うことにより魂の牢である肉体から浄化されるとし,音階と天文のなかに比例と調和を認め,世界の原理を有限と無限から成る数であるとした。

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デジタル大辞泉の解説

ピタゴラス(Pythagoras)

[前570ころ~前496ころ]古代ギリシャの哲学者・数学者・宗教家。教団を組織し、霊魂の不滅、輪廻(りんね)、死後の応報を信じ、魂を鎮める音楽と、永遠不変の真理を教える数学を重視。万物は数の関係によって秩序づけられると考えた。ピュタゴラス

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百科事典マイペディアの解説

ピタゴラス

前6世紀に活躍したギリシアの哲学者,数学者,宗教家。正しくはピュタゴラス。ピタゴラスの定理の発見者とされる。サモス島生れ。のち南イタリアに移り,クロトンで教団を創立した。
→関連項目アルクマイオン菜食主義

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世界大百科事典 第2版の解説

ピタゴラス【Pythagoras】

前6世紀に活躍したギリシアの哲学者。ギリシア語で正しくはピュタゴラス。生没年不詳。サモスの商人ムネサルコスが,妻を伴ってデルフォイアポロン神殿(ピュティア)に参詣したとき授かった子なので,〈アポロンの代弁者〉という意味でピタゴラスと名づけられたという。若いころサモスでイオニア哲学を修め,親友のポリュクラテスとともに政治改革に乗り出した。この試みは成功を収めるが,ポリュクラテスがしだいに独裁者となっていくのを批判し,故国を出奔した。

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大辞林 第三版の解説

ピタゴラス【Pythagoras】

前560頃~前480頃) ギリシャの哲学者・数学者。サモスの生まれ。南イタリアのクロトンで宗教的学派を創設。宇宙の根源は数であるとし、数学・天文学の発展に寄与した。ピタゴラスの定理などにその名が残る。ピュタゴラス。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ピタゴラス
ぴたごらす
Pythagoras
(前570ころ―前496ころ)

古代ギリシアの自然学者、数学者、宗教家。エーゲ海のサモス島の生まれ。出身については諸説あるが、青年期、エジプトを訪れたといわれる。帰国後サモス島の僭主(せんしゅ)ポリュクラテスPolykratesと折り合いが悪く、南イタリアのギリシアの植民市クロトンに移住、この地で活躍してのち、メタポンツムに移り、没した。
 クロトンにおいて、当時流行したオルフェウス教の流れをくむ一つの教団を組織した。その教義は、魂の不滅、輪廻(りんね)、死後の応報にあり、魂の浄化、救済を重視し、団員はピタゴラスを頂点に緊密に団結し、内部にあってはさまざまな戒律の下に禁欲的、厳格な生活を送り、きわめて排他的であった。また財産の共有を原則とし、それを教団内の学問研究の結果にも適用したため、ピタゴラスの業績と門弟の業績とを区別することは、すでにアリストテレスのころには困難となった。
 ピタゴラスおよびその学派は、音楽、数学、天文学、医学を研究し、そのなかには科学史に残る業績も少なくないが、彼らにとっての研究の本来は教義を追究するための補助的なものであった。そうした彼らの研究であったがために、とくに評価の高い数学の研究にさえも、合理性のなかにときとして神秘性が混在している。たとえば、奇数は男性、偶数は女性とみなし、男性数3と女性数2の和である5は結婚を象徴する数としたたぐいである。
 ピタゴラスは、当時のギリシアの自然学者が探究した万物の根源を「数」だとした。その背景には、たとえば音楽において、和音が一絃琴(いちげんきん)の場合、絃の長さが簡単な数比例をなすこと、またものの形は点(すなわち1の正数)をいくつか組み合わせるとできあがること、などの発見があったと考えられる。事実、彼または彼の学派は、音楽理論の研究から三つの数a、b、cが、
  a-b=b-cを満足すれば、a、b、cは等差数列である、
  a:b=b:cを満足すれば、a、b、cは等比数列である、
  (a-b):(b-c)=a:cを満足すれば、a、b、cは調和数列である、
ということを知っていた。
 また、点の配置から、三角形数(自然数の数列の和、1+2+3+……+n=n(n+1)/2になる)、長方形数(2から始まる偶数の数列の和、2+4+6+……+2n=n(n+1)になる)や、さらに、五角形数(公差が3の4+7+10+……の級数)、六角形数(公差が4の5+9+13+……の級数)などを考え出した。完全数(その数の1を含むすべての因数の和が、その数に等しいもの)や友愛数(2数のそれぞれが、他の数のすべての因数の和になるもの)として284(=1+2+4+5+10+11+20+22+44+55+110)と220(=1+2+4+71+142)の一対を発見している。また1点の周りをびっしりと埋め尽くす正多角形は、正三角形、正方形、正六角形であることを知り、正多面体については正四面体、正六面体、正十二面体の三つとも、さらに正八面体と正二十面体とを加えて五つを知っていた、ともいわれる。
 有名な「ピタゴラスの定理」(直角三角形の斜辺の平方は他の2辺のそれぞれの平方の和に等しい)は、ピタゴラス自身か、その門人かの発見であるが、その厳密な証明は、後のユークリッドがしたものである。ところがピタゴラスの定理の発見は、この学派に難問をもたらした。それは正方形の1辺とその対角線との関係が 1: という、正数だけを数とみなすこの学派では認めがたいものをみつけたことで、さらにこういった数は、正五角形の作図の際に使う中外比(黄金分割)の場合にも現れた。そこで彼らは、こうした「口にできない数」を無理数alogosとよび、この秘密を学派外に口外しないようにしたという。
 ピタゴラス(学派)の宇宙像は、門人フィロラオスの著作にうかがえる。彼らは従来の大地の平板説をとらず球状説を採用し、天動説ではなく変則的な地動説を唱えた。彼らは10が完全数(1+2+3+4)であり、和音の比の数でもあり、神聖な数とみなしたが、天体の数についても、恒星球、五つの惑星球(土星、木星、火星、水星、金星)、太陽、月、地球と、対地球という天体を導入して10個とした。この10個は宇宙の中心にあって宇宙の活動を管理し、地球に生命を与え、一種の創造力をもつ存在の「中心火」の周りを回っている。中心火が地球から見えないのは、地球の半球面だけに人間が住み、その半球面はつねに中心火には向かないように回転している(地球の自転はない)からである。太陽はガラス状で、中心火を反射して地球に光と熱を伝え、月は太陽の光を受けて輝く。また天体の動きは巨大な和音を生じているが、人間は生まれて以来聞き続けているので、その和音は聞こえない、とした。この宇宙像は多くの弱点をはらんでいたが、地球が宇宙の中心の周りを惑星と同様に運行すること、地球を含むすべての天体が球形だとしたこと、惑星と恒星を区別したことなど、後世に少なからず影響を与えた。[平田 寛]
『T・ヒース著、平田寛訳『ギリシア数学史』(1959/復刻版・1998・共立出版) ▽平田寛著『科学の起原』(1974・岩波書店)』

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世界大百科事典内のピタゴラスの言及

【宇宙】より

…古代ギリシアにおいて,神話的な世界創成はヘシオドスの《神統記》までさかのぼることができるが,そこでは,すべてに先立ってカオスが設定されており,その生成は不問のままである。
【コスモスの発想】
 カオスに対して,この世界を秩序正しい構成をもつものとしてとらえ,それをカオスなる原初形態から何らかの原理に基づいて編成されたとする考え方は,すでにヘシオドスにもあって,一種の宇宙開闢(かいびやく)説として,エロスを中心とする神話の世界もそこに重なるが,コスモスという語を意図的に用いて,宇宙全体の秩序ある様態を表現しようとしたのはピタゴラスが最初であるといわれる。 もちろん,このような考え方の背景には,バビロニアに発する天文学的な知識の伝承があり,天体の運行,季節変化など天象,気象に見られる秩序正しさへの認識が必須であったには違いないが,ピタゴラス,もしくは彼によって代表される当時のギリシアの一つの典型的な世界観,すなわち〈すべては数である〉という表現が象徴するような世界観を前提としていたことを見のがすべきではない。…

【オルフェウス教】より

…輪廻(りんね)転生をはっきりこの教派の教義に帰している文献はないが,当然それが前提となっているように思われる。オルフェウス教はその点でピタゴラス学派とたいへん近く,両者はほぼ同じアルカイック時代に台頭し,相互に影響し合い,ときに区別がつけられなくなっていたように思われる。ただプラトン,テオフラストスなどがもっぱら軽蔑的にのみこの教派に言及しているところから判断すれば,古典時代には秘教の全般的な退潮とこの派の一部のいかがわしい売僧の横行などのために,いわばピタゴラス学派の民衆版として社会の片隅に沈滞し,古代末期の危機的状況下に再び浮上し,とりわけ新プラトン主義者などによりプラトン形而上学の先駆的思想として高く評価されるようになったものと思われる。…

【幾何学】より


[ギリシアの幾何学]
 幾何学の語源が示すように,幾何学は測量術から発達した。すなわち,古代エジプトでは,ナイル川のはんらんによって壊れた土地の境界を再現するために測量術が発達し,これによって図形に関する知識が集積されたが,これらはミレトスのタレスやピタゴラスらによってギリシアにもたらされ,合理的に研究されて幾何学に発達した。タレスは三角形が2角とそれらのはさむ辺によって定まることを利用して間接測量することを知っており,三平方の定理を証明したと伝えられるピタゴラス学派では,図形に関する知識を証明によって基礎づけることを行った。…

【ギリシア音楽】より

…ヘレニズム期には実際の音楽活動よりもむしろ理論的考察の方が盛んとなり,音楽理論家が後世に残るいくつかの理論書を著している。 音楽理論家については,その始祖として前6世紀のピタゴラスをあげねばならない。後代の伝承ではピタゴラスは協和音の数比を発見したとされ,さらに前5世紀のフィロラオスや前4世紀のアルキュタスなどピタゴラス派の理論家は諸音を数比によって基礎づける理論を伝えている。…

【ギリシア科学】より

…しかしこうした自然学の系譜のほかに,もう一人重要な人物がいる。それはサモスに生まれ,イタリアのクロトンで活躍したピタゴラスである。彼は〈水〉や〈空気〉や〈原子〉のような素材ではなく,そうした素材を秩序づける〈数〉を重視したが,とくに音楽における〈調和音程〉の発見に基づいてこの世界における数学的秩序の普遍的存在を確信し,ギリシアに特有な数学的自然観を樹立し,後世に大きな影響を与えた。…

【コスモス】より

… コスモスという語を上記の秩序ある世界の意味で用いた最古の文献として知られているのは,紀元前5世紀の前半に活躍したヘラクレイトスの断片である。だが文献としてはなんら伝えられていないが,古代の信頼しうる伝承によれば,その1世代前のピタゴラスの思想にすでにその先例があったといわれる。実際ピタゴラスの世界像はまさにコスモスとしての性格を十分に備えたものであった。…

【菜食主義】より

…宗教,思想上の信条に基づいて信奉されることが多く,現にインドでは多くのヒンドゥー教徒がこれを順守している。西洋では古代ギリシアで発祥し,前6世紀にピタゴラスがまずこれを唱えた。それは神祭における動物の供犠に対する倫理的批判に発したもので,この思想はソクラテスにひきつがれ,プラトンにいたって倫理的な理由とともに健康長寿の法としての菜食主義が説かれるようになった。…

【地図】より

…年代,場所から見て,同じ土地の学者ヘカタイオスの作品であった可能性が大きい。 大地球体説の最初の提唱者は前6世紀のピタゴラスで,彼は神の創造物である大地は幾何学的に完全な形,すなわち球であらねばならないと考えた。この説は,その2世紀後アリストテレスが月食の際の大地の陰影などをもって証拠立ててから,しだいに信奉されるようになった。…

【調和】より

…その後比喩的に転用されて,一致,協力,和合などの意味を持つようになった。この言葉に哲学的な意義が付与されるようになったのは,音楽の生み出す魔術的な効能にひきつけられ,音楽的調和の観点から宇宙論を展開したピタゴラス学派によるところが大きい。彼らによれば,恒星天や諸惑星はそれぞれ固有の周期で世界の中心のまわりを回転するが,その際これらの星はおのおの回転速度に対応する音を奏で,これらの音は全体として霊妙な楽音をかもし出すとされた。…

【比例】より

…そして円柱直径の1/2を1モデュールと呼び,各部寸法をすべてこれの倍数値で表す方式が,いわゆる〈オーダー〉の体系の根幹となっていた。古典建築の最初の理論家,古代ローマのウィトルウィウスは,こうした比例の体系こそが建築を科学たらしめるものであると信じていたが,同時に,ピタゴラスやプラトンを引用しながら,6という数の神秘性を強調しており,比例の観念と神秘主義,象徴主義との結びつきの深さをおもわせる。 中世には古代ギリシアの美的,功利的な比例観は薄れ,代わってキリスト教的な象徴主義が主流となり,三位一体を表す3や十二使徒を表す12などの数値を用いた単純な倍数系列が多く見られた。…

【豆】より

…【飯島 吉晴】
[ヨーロッパ]
 香りの強い花を咲かせる他の植物と同様に豆は,古代から死者や亡霊と結びつけられた。ピタゴラスは豆に祖先の霊が宿っていると信じ,けっして食べようとしなかったといわれ,魔術を用いたかどで命をねらわれたときにも豆畑を横断して逃げることをためらったため,捕らえられて死んだとも伝えられる。またギリシアでは,犠牲の獣を選ぶのに黒い豆を引く籤(くじ)を用い,また役人選挙においても賛成者は白,反対者は黒い豆を投じたという。…

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