ピレノイド(その他表記)pyrenoid

デジタル大辞泉 「ピレノイド」の意味・読み・例文・類語

ピレノイド(pyrenoid)

藻類葉緑体内にみられるたんぱく質の大きなかたまり。でんぷんの形成と貯蔵に関与していると考えられている。

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精選版 日本国語大辞典 「ピレノイド」の意味・読み・例文・類語

ピレノイド

  1. 〘 名詞 〙 ( [ドイツ語] Pyrenoid ) 緑藻類接合藻類などの葉緑体中に見られる蛋白質性の小球体。その周囲に澱粉粒が形成されるのでアミロプラスト(澱粉体)と考えられている。

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改訂新版 世界大百科事典 「ピレノイド」の意味・わかりやすい解説

ピレノイド
pyrenoid

藻類の葉緑体にある核様の小体で,タンパク質としての性質を示し,合成されたデンプン貯蔵デンプンとなる際その核となる。核様体,デンプン核などともいわれる。葉緑体に埋まっているが,屈折率が高くて光学顕微鏡でも容易に観察されるため,藻類の分類指標形質として古くから注目されてきた。藻類のうち緑藻によくみられ,ケイ藻でもみられるが,高等植物を含めて他の植物には見当たらない。デンプン粒がつくられる際になんらかの働きをもっているものと推定されるが,いわゆるデンプン形成体amyloplastのようにグルコースなどからデンプンをつくる能力のあるものなのかどうかはまだ確かめられていない。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ピレノイド」の意味・わかりやすい解説

ピレノイド
ぴれのいど
pyrenoid

藍藻(らんそう)植物、車軸藻植物を除く藻類とコケ植物類の葉緑体にみられる構造体をいう。褐藻植物、鞭毛(べんもう)藻類のあるものでは葉緑体の表面からいぼ状に突出し、紅藻植物、緑藻植物では葉緑体内に埋まっている。ピレノイド基質の周りをデンプンや同化物質が取り囲んでいることから、デンプン形成体とよぶこともある。しかし、ピレノイド基質の中にチラコイドラメラ(葉緑体の構造単位となる薄い層)が陥入しているものや、核の一部が陥入しているものもあることなどから、酵素の貯蔵所とも考えられている。

[吉崎 誠]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ピレノイド」の意味・わかりやすい解説

ピレノイド

核様体」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内のピレノイドの言及

【葉緑体】より

…C4植物の葉肉細胞の葉緑体の構造は前述の構造と変わらないが,維管束鞘(いかんそくしよう)細胞の葉緑体は,リンゴ酸(CO2源であると同時に還元力源ともなる)型のものではグラナ構造をもたず,アスパラギン酸(CO2源にしかならない)型ではグラナ構造をもつ。 緑藻,褐藻,紅藻,接合藻,ケイ藻など多くの藻類およびツノゴケのような蘚苔植物の葉緑体にはピレノイドpyrenoidがある(図5)。ピレノイドはストロマ中にあるタンパク質の塊(0.5~1μm)で,5~10nmの粒状物質が密に詰まっている。…

【葉緑体】より

…C4植物の葉肉細胞の葉緑体の構造は前述の構造と変わらないが,維管束鞘(いかんそくしよう)細胞の葉緑体は,リンゴ酸(CO2源であると同時に還元力源ともなる)型のものではグラナ構造をもたず,アスパラギン酸(CO2源にしかならない)型ではグラナ構造をもつ。 緑藻,褐藻,紅藻,接合藻,ケイ藻など多くの藻類およびツノゴケのような蘚苔植物の葉緑体にはピレノイドpyrenoidがある(図5)。ピレノイドはストロマ中にあるタンパク質の塊(0.5~1μm)で,5~10nmの粒状物質が密に詰まっている。…

※「ピレノイド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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